きっかけ vol.1-3「考えごとで家事を楽しむ」 山崎ナオコーラのエッセイ

#くらし   

雑誌『レタスクラブ』で連載中の山崎ナオコーラさんのエッセイ「考えごとで家事を楽しむ」をレタスクラブニュースでも特別公開!

家事に仕事に子育てに大忙しの毎日。実体験に基づいた言葉で語られるからこその共感や、生活を楽しむためのヒントが隠されています。

vol.1「きっかけ」を4回に分けてお届け。今回は第3回目をお送りします。

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 私の夫は「町の本屋さん」の書店員で、雑誌の棚を担当している。朝は四時に起きて四時半には家を出て、雑誌を棚に並べる。夜は六時に帰ってきて九時には布団に入る。お店なので祝祭日は関係がなく、隔週土曜日と毎週日曜日の定休の他は、店自体がお休みの元日だけが休日で、長期休暇はない。夫の性質は優しく、子煩悩で、一緒に暮らしていると家事に対するやる気があるのはビンビン伝わってくるのだが、そもそも家にいられる時間が少ないし、立ち仕事でつかれているしで、いくら気持ちがあってもたくさんの家事はこなせない。

 私は小説家で、締め切りも結構あるし、毎日やるべき仕事に追われている。でも、勤務時間は自分で決められるし、家にいる時間が長いので、家事は私の方がやり易い。二年ほど前に妊娠して、今は一歳半の子どもの育児中で、そうするとさらに家にいる時間が増えたから、私が行う家事はどんどん多くなる。

(続く)

文=山崎ナオコーラ イラスト=ちえちひろ

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Information

■著者:山崎ナオコーラ
1978年福岡県生まれ。埼玉県育ち。2004年『人のセックスを笑うな』で作家デビュー。エッセイ集に『指先からソーダ』『かわいい夫』『母ではなくて、親になる』などがある。目標は「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。初めての絵本『かわいいおとうさん』(絵ささめやゆき、こぐま社)も刊行。
山崎ナオコーラさんのTwitter

「考えごとで家事を楽しむ」は毎週水曜の18:30に配信します!
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