「急激な睡魔で、頭痛も…」若年性脳梗塞の兆候かも
若い人でも起こす可能性のある脳梗塞。原因はさまざま
脳梗塞(のうこうそく)とは、何らかの原因で脳の血管が細くなったり詰まったりして血流障害を起こし、脳が壊死(えし)してしまうことをいう。その結果、体にさまざまな障害が現われ、重症になると半身まひや言語障害などが見られます。治療が遅れたり、血管が詰まる箇所によっては後遺症が残る場合も。徐々に進行するものから、急性のものまでさまざまで、発症年齢は中高年が最も多いのですが「だからといって若い人が発症しないわけではありません」と池上晴彦先生。
「発症数はそれほど多くはありませんが、若い人でも発症する可能性のある病気です。45歳以下で発症した場合を若年性脳梗塞と呼んでおり、脳梗塞全体の0.1%ほどです」
脳梗塞を起こす主な原因は高血圧や高コレステロールによる動脈硬化や心房細動(不整脈)。若年性の場合は、静脈にできた血栓が心臓に流れ込む奇異性脳塞栓症や、外傷やマッサージ、首を急に振ったことによる脳動脈解離、脳に栄養を送る動脈が詰まり、周りに細い血管ができてしまうモヤモヤ病のような特殊な血管の病気、あるいは抗リン脂質抗体症候群などの血液凝固異常が原因となることが多いといわれている。「ただ、そういう病気がなくても家族に脳梗塞を起こした人がいる場合や、すでに高血圧や高コレステロールの状態にある場合などは若年性脳梗塞を起こすリスクがほかの人に比べて高くなるので、注意が必要です」。
脳梗塞は突然起こることが多い。前兆を見逃さないことが大事
脳梗塞は突然起こることが多く、また起こった場所によっても症状はさまざま。
「前兆としては手や足がしびれたり、ことばが出ない、急激な眠気など、いろいろな症状が見られます。また一過性の脳梗塞もあり、数分から1時間程度で症状が治ってしまうこともあります。脳梗塞は時間がたつと詰まった部分が拡大していき、脳へのダメージも大きくなります。ですから、これらの症状が見られたら、本格的な発作につながる前に、早めに病院へ行くことが大事です。病院はかかりつけの内科、もしくは神経内科、脳神経外科などを受診してください」
脳梗塞や動脈硬化によって起こる病気なので、起こさないためには血液をサラサラに保つことが大事。「そのためには毎日の食事に気をつけ、血圧をチェックして高血圧にならないようにすることが大切です。肥満も大敵です。ウォーキングなどをして積極的に体を動かすようにしましょう。タバコは血圧を上昇させますから、できれば禁煙を。また睡眠時無呼吸症候群だったり睡眠時間が7時間より少なければなるほど脳梗塞を起こしやすくなるというデータもありますから、慢性的な睡眠不足は要注意です。不規則な生活やストレスも高血圧を招きます。ふだんの生活を見直し、できるだけ規則正しい生活を送るように心がけましょう」。
こんな症状は、脳梗塞の前兆かも
次のような症状が同時に2つ以上当てはまり、なおかつ「今まで経験したことのない症状」だった場合は、脳梗塞を起こしている可能性がある。
●冷や汗が出る
●生あくびが出る
●急に眠気が襲う
●身の置き所がなく、いてもたってもいられなくなる
●頭痛がある
●手足がしびれる
●手足が勝手に動き、けいれんする
●ことばが出にくい
●吐き気がする
●体の片方にまひやしびれがある
【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】