本当に使えるのは何cm? サイズ別フライパンの特徴と選び方【サイズ別フライパンおすすめ5選】

#食   
朝食やお弁当作り用には小さなフライパンが一つあると便利

新しいフライパンを購入するとき、悩ましいのが「サイズ選び」です。小型の方が軽いし扱いやすいのですが、一度にたくさんの料理を作りたいときは大型のフライパンが必要になります。このため、大小いくつかのフライパンそろえて、料理に合わせて使い分けている人も多いでしょう。でも、あまり使わないサイズもあり、実際にはどんなサイズのフライパンを揃えておくべきなのか、プロの意見を聞きたいですよね。

というわけで、料理道具コンサルタントの荒井康成さんに、フライパンのサイズについて基本的な知識から上手な選び方、使い方を教えてもらいました。おすすめ製品や、フライパンを使ったいちおしレシピもご紹介します。

この記事を参考にして、あなたにぴったりサイズのフライパンを見つけてください!

▶︎教えてくれた人
荒井康成 (あらい・やすなり)さん

荒井康成 (あらい・やすなり)さん:料理道具コンサルタント。洋菓子店店長、和陶器店主を経て、フランス陶器エミール・アンリ社の日本法人設立に携わる。以後、日本初の「料理道具コンサルタント」として独立し、各食情報誌でのコラム執筆やスタイリング撮影など、多岐に渡り活動中。著書に「ずっと使いたい世界の料理道具」(産業編集センター刊行) 。

料理道具コンサルタント。洋菓子店店長、和陶器店主を経て、フランス陶器エミール・アンリ社の日本法人設立に携わる。以後、日本初の「料理道具コンサルタント」として独立し、各食情報誌でのコラム執筆やスタイリング撮影など、多岐に渡り活動中。著書に「ずっと使いたい世界の料理道具」(産業編集センター刊行) 。


何人家族? 何に使う? 人数や用途でフライパンのサイズを選ぼう

フライパンの大きさはさまざま。サイズによって、適した使い方や向いている料理が異なります。家族の人数や用途に合わせて選ぶといいでしょう。

直径20cm:一人暮らし用やサブフライパンに

目玉焼きがちょうど2枚焼けるサイズです。大量の炒め物などには足りないので、あまり料理をする機会のない、一人暮らしの人などに適した大きさと言えるでしょう。人数の多い家庭でも、朝ごはんやお弁当の一品などちょっとしたおかず作りに「サブフライパン」として、このくらいのサイズのフライパンを一つ持っておくと便利です。
また小ささゆえに軽量なものが多く、どんな素材を使ったフライパンでも重さはあまり気になりません。キャンプなどアウトドアに携行するフライパンとしてもおすすめです。

直径24〜26cm:標準的なサイズ。ファミリー層に

「数あるフライパンの中でも、24cm程度が標準的なサイズ」と、荒井さん。一度に3〜4人分を調理できるので、ファミリー層におすすめの大きさです。底面の広さは十分ある一方、大きすぎないので、家庭用の一般的なガスコンロやIHの火力を効率良く使うことができます。重すぎないので年配の方でも比較的扱いやすいでしょう。

直径27〜28cm:まとめて調理もラクラク。素材選びに注意

3〜4人家族で、多めに料理を作りたい人に向いています。ハンバーグなら4個程度は余裕で焼けるサイズのフライパンです。家族の人数は少なめでも、週末などにたくさんの料理をまとめて作り置きしたい場合にもぴったりでしょう。
ただし、大きさゆえに重さが気になるところ。チャーハンや炒めものなどフライパンをあおって調理したい場合は、鉄製よりもアルミ製などできるだけ軽い素材を選ぶといいでしょう。
一方、あおらずに火を通す焼きものなどで使うなら、重さを気にする必要がありません。鉄製のフライパンもおすすめです。
「大きなグリルパンをカセットコンロにのせてホットプレートのように使い、大人数で囲むのも楽しいですよ」


サイズ別フライパンの、素材やコーティングによって異なる特徴をチェック!

標準サイズは24cm程度。3〜4人家族にぴったりの大きさ。

同じサイズのフライパンでも、素材や表面加工の有無によって使い勝手は異なります。鉄製からコーティングまで、それぞれのフライパンの特徴をチェックしておきましょう。

【鉄製フライパン】

熱伝導率が高く、熱を長時間蓄えられるのが特徴。食材を短時間で均一に加熱することができ、炒める・焼く・揚げるといった調理法に適しています。ただし、他素材に比べると重いという弱点もあります。力のない方には扱いづらいかもしれません。逆に、金属製フライパンのなかでも重めの鉄は、安定性がいいということでもあるので、フライパンを煽ることのないIH調理とは好相性です。
また、焦げつきを防いで長持ちさせるためには、使用時の「油ならし」や「油返し」といった細やかなメンテナンスが必要になります。使用後は、サビを防ぐためのお手入れも必須です。

【ステンレス製フライパン】

頑丈で錆びに強いのが特徴です。熱伝導率が低いので、フライパンが温まるまでに時間がかかるものの、保温性は高く、余熱を利用するような繊細な料理に向きます。食材がこびりつきやすく、使い慣れるまでに時間がかかりますが、「小型サイズのミルクパンやソースパンなら初心者でも扱いやすい」と、荒井さん。こびりつきが気になる場合は、コート材によるコーティングが施されたタイプを選ぶのも手です。

【アルミ製フライパン】

非常に軽く、あおりやすいのがアルミニウムフライパンの特徴。ある程度大きなサイズでも、たくさんの食材をラクに扱うことができます。パスタをソースと手早くからめたり、前菜などをさっと焼いたりと、プロの厨房でよく使われますが、熱伝導率の高さゆえに焦げ付きやすいので、火力調整がこまめにできる、料理に慣れた人向けです。
「初めてアルミ製を検討するなら、一般的なフライパンより、アウトドア用の飯ごうや雪平鍋の方が使いやすいでしょう」

【コーティングフライパン】

コーティングのなかでも一番メジャーで、人気もあるのが「フッ素樹脂加工」。こびりつきにくさが最大の特徴で、油を敷かなくても食材がくっつかず、使い勝手の良さは抜群です。ただし、高熱に弱いので、強火であおる炒めものなどより弱火でじっくり火を通す料理に向きます。
コーティングフライパンは摩耗や温度変化に弱く、耐久性が低いのが難点です。でも、最近ではより耐久性を高めたコーティングも登場しています。フッ素樹脂に粉状に砕いた大理石を混ぜたマーブルコーティングや、フッ素樹脂に人工ダイヤモンドを混ぜたダイヤモンドコーティングなどがその代表格です。ほかにチタンやセラミックなどさまざまな種類の表面加工があり、機能性や価格が異なるので、よく比較検討してから購入しましょう。


覚えて長持ち! サイズ別フライパンの使い方・お手入れのコツ

素材やコーティングによってお手入れ方法は異なる。基本をしっかり覚えておこう

サイズによらず、フライパンの素材や表面加工によって、調理のコツやお手入れ方法は異なります。長く愛用するために、基本のお手入れ方法や注意点を覚えておきましょう。

▶︎コーティング (フッ素樹脂加工) の場合

調理のコツ
コーティングフライパン高熱に弱いため、予熱は短時間にします。空焚きもしないでください。なるべく強火を避け、中火〜弱火で調理しましょう。金属製の調理器具は加工を傷つけることがあるため、木や樹脂製の器具を使います。

使用後のお手入れ
表面加工に油分や水分が入り込むと、コーティング材がはがれやすくなります。コーティングフライパンはフライパン内に料理を入れたままにせず、早めに汚れを落としてください。冷めるのを待って、柔らかいスポンジなどで洗いましょう。洗剤は使用しても大丈夫ですが、スチールウール製のたわしやクレンザーは、フライパンの表面加工を傷つける恐れがあるので使用を避けます。

▶︎鉄製の場合

使用前に行うこと
サビ止めのコーティング加工が施されている場合は、使用前にコーティングを焼き切る「空焼き (焼き込み) 」が必要です。フライパンを軽く洗ったら中火から強火で焼きます。5〜10分ほどしっかり加熱後、自然に冷まします。

使い始めは「油ならし」をしましょう。中火で2〜3分フライパンを加熱したら、火を止めて多めの油を入れ、弱火で3分程度加熱。火を止めて余分な油を取り除いてから、キッチンペーパーなどで油を擦り込むようにふき取ります。

使用時のメンテナンス
調理前に毎回「油返し」をすることで、くっつきにくくなります。中火でフライパンを温めてから、多めの油を入れて弱火で3分加熱。火を止めて余分な油を取り除いてから、必要な量の油を入れて調理を始めましょう。

使用後のお手入れ
洗剤で洗うのはNG。使用後はすぐにお湯で洗うか、キッチンペーパーでさっと汚れを拭き取ります。フライパンを洗った場合は、水分を拭いてから加熱し、完全に水分を飛ばします。キッチンペーパーなどで内側に油を擦り込むように塗って完了です。



サイズ別フライパンのおすすめ商品5選

T-fal(ティファール) IHココアブラウン 20cm,26cm,28cm

T-fal(ティファール) IHココアブラウン

シックなココアブラウン色で、キッチンをおしゃれに演出できるフライパン。「チタン・フォースコーティング」を施しており、優れた耐久性を実現しています。底面の熱伝導率が高く、食材にムラなく熱が通りやすいのも魅力。「お知らせマーク」が付いていて、食材を入れるベストタイミングがひと目で分かります。


THERMOS(サーモス) デュラブルシリーズフライパン 16cm,20cm,24cm,26cm,28cm

THERMOS(サーモス) デュラブルシリーズフライパン

ガス火専用のフライパン。16~28cmまで展開されており、ライフスタイルに合ったサイズを購入できます。耐摩耗性が高い「デュラブルコート」を施していて、耐久性に優れていて焦げ付きにくいのが特徴。深さのある深型モデルなので、炒め物から煮物まで幅広い料理に使用できます。ワインレッド・レッドの2色展開されているので、好みのカラーを選びましょう。


SCANPAN(スキャンパン) Classicシリーズ フライパン 20cm,24cm,26cm,28cm,32cm

SCANPAN(スキャンパン) Classicシリーズ フライパン

最先端の耐久性と安全性を実現したフライパン。素材には250トンの力で圧し固めた「高密度アルミボディ」を採用しており、本体がスピーディーに熱ムラなく温まります。見た目以上の金属量を使用しているため、保温性に優れているのも特徴。独自の特許技術「セラミックチタン加工」を施していて、剥がれに強いため長く愛用できます。


Meyer(マイヤー) マキシム エスエス フライパン 20cm,26cm28cm

Meyer(マイヤー) マキシム エスエス フライパン

ガス火・IH・オーブンなどオール熱源に対応したフライパン。飽きのこないスタイリッシュなデザインで、キッチンをおしゃれに演出できます。素材には高品質のステンレスを採用しており、丈夫で長持ちするのが特徴。ふっ素樹脂加工を施していてこびり付きにくく、餃子はカリカリ、卵料理はするりと調理できます。



Vita Craft(ビタクラフト) ソフィアII 20cm,22cm,24cm,26cm,28cm

Vita Craft(ビタクラフト) ソフィアII

抜群の耐摩耗性を誇るフライパン。「ナヴァロン3コート(高密度3層フッ素樹脂コーティング)」を施しており、繰り返し使用しても焦げ付きにくいのが特徴です。本体はステンレス・アルミの全面2層構造で、熱伝導率が高く食材にムラなく火を通せます。


フライパンで作る!プロのおすすめレシピ


鮭のフライパンチーズ蒸し

鮭のフライパンチーズ蒸し

おつまみとしてもおすすめ。じゃがいも・トマト・玉ねぎを使用しており、1品で野菜もしっかりと摂取できます。フライパンに食材を並べて蒸し焼きにして、チーズを乗せれば完成。小型のフライパンに一人分ずつ乗せ、仕上げにクレソンを添えてテーブルにのせると、彩り豊かでおしゃれに仕上がります。

フライパン角煮

フライパン角煮

調理時間が長いイメージのある角煮も、おからを使うことでスピーディーに作れます。フライパンで焼き色を付けた豚バラに水・おからを加えて、約2分茹でるのがポイント。冷蔵庫で約5日保存できるので、大きなサイズで対象に作っておける、作り置きレシピとしてもおすすめです。

フライパンオムライス

フライパンオムライス

チーズを加えてコクをアップしたオムライスのレシピ。高品質のフライパンがあれば、ふわっふわの半熟卵をきれいに作れるのが魅力です。このスタイルならオムライスも焦げ付かないので、まるでレストランのような見た目と食感を楽しめます。

文=さいとうあずみ

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