「僕も一緒に親権を持ちたい」離婚を決めた夜、夫から告げられた新たな選択にショックを隠せない妻の苦悩【著者に聞く】



物語が始まるのは、夫婦が離婚届に記入すると決めた日。その日は、新たな制度「共同親権」が施行された日でもありました。



そしてその夜、「やっと離婚できる」と肩の荷を下ろしていた妻・薫に、夫・孝太は「僕も一緒にゆりかの親権を持ちたい」と、共同親権を望むことを伝えます。これまで一度も話題に出なかったことに、動揺を隠せない薫。



薫は、正論を振りかざして追い詰めてくる孝太との生活に限界を感じていました。
これから、夫婦としては別々の道を歩みたい。けれど、離婚後も娘・ゆりかの親としての関係は続いていく…。夫婦は共同親権をめぐり、それぞれの思いをぶつけ合うことになります。

一方、薫を応援しながらも、共同親権は自分には関係のない話だと思っていた同僚・真理は、小6の息子を持つシングルマザー。ある日、6年ぶりに元夫から連絡が届いたことから、事態は動き始めます。

同じく子どもを持つ母親でありながら、離婚に至った背景も、離婚後の親子関係も異なる薫と真理。2人の経験を通して、共同親権という同じ制度に対する捉え方も、それぞれ違ったものになっていきます。
「作品をきっかけに、共同親権について考えてもらえたら」著者・とーやあきこさんの思い


―― 読者や周囲の人々からの反響はいかがでしたか? 感想やコメントなどで印象に残っているものがあれば教えてください。
とーやあきこさん:共同親権に否定的だった方が「夫婦によっては良い法律なのかもしれない」と言ってくださったり、反対に共同親権に肯定的な方が「こんな風に苦しむこともあるのか」と言ってくださったり。もともとの自分の考え方とは違う感想を抱いていただけるのがとても嬉しいです。とはいえ、共同親権について少しでも多くの方々に知っていただけたり、考えていただけたりするきっかけになってくだされば、どんなコメントや感想でもとても嬉しいです。


―― この作品を通して読者に伝えたいこと、感じてほしいことは何ですか?
とーやあきこさん:法律が関わる問題は、日常の悩みとはまったく別物で、気の持ちようや身近な人への相談だけでは解決できないことが多いと思います。ご夫婦だけで解決できない場合は、弁護士の先生に相談することも考えていただきたいな、と思います。少しハードルが高いと感じるかもしれませんが(お金もかかってしまいますし…)、専門家の力を借りることで道が開けることもあるかと思います。

―― 共同親権について、身近に感じていない方も多いと思います。そんな方へのメッセージもお願いします。
とーやあきこさん:少しでもいいので、共同親権という制度に関心を持っていただけると嬉しいです。法律をつくるのは国の役割ですが、法律を育てていくのは私たち1人ひとりの役割だと思います。私たちの世代が子どもたちに知識を伝えていくことで、共同親権がどのように育っていくのかも変わってくるのではないかなと。少し偉そうになってしまいますが、そう思っています。この作品が、次の世代へ繋いでいく1つのきっかけとなれば嬉しいです。
* * *
「自分には関係ない」と思っている人も、登場人物の立場や葛藤に触れることで、共同親権を少し身近に感じられるかもしれません。『離婚しても終わらない 共同親権がはじまる日』を読んで、これからの家族のあり方について考えてみませんか。
取材・文=松田支信
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