「疲れたら『寝る』一択」人気ミニマリスト阪口ゆうこさんの、がんばらない暮らし方

インスタグラムで届ける飾らない言葉と心地よい暮らしぶりで、多くの支持を集める人気ミニマリストの阪口ゆうこさん。かつては「片付けられないズボラだった」と語る阪口さんが、いかにして今の軽やかなライフスタイルに辿り着いたのでしょうか。
今回、これまでの発信を凝縮した『阪口ゆうこ つぶや記 日めくりカレンダー』の制作を機に、日々の暮らしで大切にしている考え方や、心が乱れたときの乗り越え方、そして忙しい毎日を送る女性たちへのメッセージをお伺いしました。
「工夫」が必要になったらキャパオーバーのサイン。ズボラだからこそ行き着いた「簡単」な暮らし

――まずは、現在の阪口さんのライフスタイルにおいて、最も大切にされていることを教えてください。
阪口さん:何よりも「簡単であること」に重きを置いています。
暮らしの中で、「収納法」や「時短術」といった何らかの工夫が必要になり始めたら、警戒信号だと捉えています。工夫を凝らさなければ回らない状態というのは、暮らしの基本部分ですでにキャパオーバーを起こしている証拠ですから。
そうした工夫を考え始めたら、一度立ち止まって、基本に立ち返るようにしています。
「収納」を考え始めたらモノ自体を減らす。「時短術」を模索し始めたらやるべきこと自体を減らす。
今は暮らしを大きく変えようとするのではなく、そうやって微調整をしていくフェーズですね。

――「工夫が必要=キャパオーバー」という視点はハッとさせられますね。元々は「片付けられない・ズボラだった」とお伺いしましたが、そこからミニマリストへ転身された一番のきっかけは何だったのでしょうか?
阪口さん:ズボラで片付けが苦手だったからこそ、片付けにまつわる「考える」というプロセスを大幅に省こうと決めたのがきっかけです。
「とにかく、いらないモノを片っ端から手放していこう!」とスイッチが入りました。

その方針でモノをどんどん手放していった結果、自分にとって本当に必要なモノと、大好きなモノだけがくっきりと残ったんです。そうしてシンプルで快適な暮らしの味を知ってしまうと、もう以前の暮らしには戻れませんね。
――考えること自体を減らした結果、大切なモノが残ったのですね。そうは言っても、日常でイライラしたり、心や部屋が乱れてしまったりすることもあるかと思います。そんなとき、最初に実践される「最小限の整えアクション」は何ですか?
阪口さん:「寝る」、これ一択です。

心や部屋が乱れているときは、自分の中に余力が残っていないというサインです。そんな疲弊した状態を無視して無理に動こうとはしません。まずは自分自身を整えることが最優先で、そのためには睡眠が一番効果的だからです。

私は「翌日の自分」をとても信頼しています。
「しっかり休んで元気になった自分の方が、絶対に効率よく動ける」という確信は揺るぎません。そしてしっかり眠った翌日の自分も、「昨日の私がちゃんと休んで元気を与えてくれたんだな」と過去の自分に感謝できる。過去の自分と未来の自分が、相思相愛の関係なんです。
伝わる言葉と日常の一コマ。阪口さんの思いが『阪口ゆうこ つぶや記 日めくりカレンダー』として形になるまで
――阪口さんがインスタグラムに投稿される写真や言葉には、思わずハッとさせられたり心がふっと軽くなったりする魅力があります。発信される際、言葉選びや写真の切り取り方で特に意識されているこだわりや工夫はありますか?
阪口さん:正しくキレイな言葉を使うことと、相手に思いを「伝える」ことは別物だと思っています。
イメージとしては、小学5年生くらいのお子さんでも直感的に理解できるような言葉選びを意識しています。まあ、私が正しく美しい日本語をあまりよく知らないという理由も大きいのですが(笑)。

写真に関しては、あえて生活感のある日常の一コマを切り取るようにしています。自分の好きなモノだけに囲まれて暮らしていると、そこにある「生活感」すらもすごく愛おしく、可愛く見えてくるんですよね。
――飾らない自然体な発信だからこそ、多くの方の心に響くのですね。今回、これまでのインスタグラムの投稿をまとめた『阪口ゆうこ つぶや記 日めくりカレンダー』をプロデュースされたそうですが、誕生の背景について教えてください。

阪口さん:インスタグラムには、これまで発信してきた言葉や写真のストックがたくさん溜まっていました。
実は「このまま日の目を見ないなら、いっそ手放してしまおうか」と思っていたモノがほとんどだったんです。ちょうどそんなタイミングで出版社の方にお声がけをいただき、「捨てる前にもう一仕事してもらうのもいいかな」と考え直しました。
形にすることで私も嬉しいですし、見たいと言ってくださる方もいる。まさに良いことしかない!と思って制作を決めました。作るプロセス自体もすごく楽しかったですね。

――眠っていたストックが、最高の形で生まれ変わったのですね!美味しそうなお料理やあたたかなリビングの風景、可愛らしい愛猫との一コマ…。暮らしの中にある何気ないしあわせを切り取ったシーンがギュッと詰まっています。
これまで発信してこられた数多くの言葉の中から、今回カレンダー用に再編集するにあたって、どのような基準で選定されたのでしょうか?
阪口さん:過去に発信した言葉をすべて読み返しました。その中で、時間を経た「今の自分」が読んでも「うん、今もそう思っているよね」と素直に共感できたモノを選びました。
過去の言葉でありながら、今の自分にもしっかりと響く言葉を選りすぐっています。どれも、毎日がんばってしんどいときに、ふっと肩の力が抜けるような言葉ばかりになっていると思います。

――最後に、毎日仕事や家事・育児に追われ、「今日も何もできなかった…」と落ち込んでしまう女性へ、真っ先に伝えたいメッセージをお願いします。
阪口さん:私にしてみれば、「何もできなかった」と感じる日があって大正解なんです。もし毎日充実した手応えや成果を感じられていたら、それが当たり前になってしまい、知らず知らずのうちに自分に対するハードルをどんどん上げてしまいますよね。
だからこそ、普段は「何もできなかったな」と思うくらいでちょうどいいんです。たまに手応えを感じられる日があると、その喜びが強烈で、心から嬉しく思えますから。この『阪口ゆうこ つぶや記 日めくりカレンダー』が、そんな「何もできなかった日」を肯定するための、毎日のお守り代わりになればいいなと思っています。
* * *
「がんばれない日」の自分もまるごと受け入れ、未来の自分へとバトンをつなぐ阪口さんの言葉は、日々追われる私たちに「そのままで大丈夫」とやさしく寄り添ってくれます。阪口さんの日々の発信はインスタグラムをチェックしてみてくださいね。
暮らしの基本を見直し、余計な工夫や思い込みを手放してみる。阪口さんの思考とこだわりが詰まった『阪口ゆうこ つぶや記 日めくりカレンダー』は、めくるたびに私たちの心と暮らしをふっと軽やかに整えてくれそうです。
取材・文=宇都宮薫
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