「寝つきが悪い」「途中で目が覚める」など睡眠のお悩みに！「耳もみ」でぐっすり熟睡

どうして耳をもむと睡眠にいいの？

理由1　自律神経が整ってリラックスモードになる手助けに！

「不眠症は、ほかのさまざまな身体症状と同様によくあることと思われがちなのですが、交感神経の過度な緊張が起こしている症状です。耳が不眠の改善に役立つ理由の一つとして、耳穴に分布している迷走神経（副交感神経）への刺激が考えられています。耳かきが気持ちいいこともこれが関係しています。副交感神経は緊張が解け、リラックスしているときに働きます。『耳もみ』は、耳かきのような心地よさを生み、リラックスさせていい眠りにつながると思います」

耳の上部のくぼみに自律神経のバランスを整えるツボがある。自律神経は緊張や集中、活動したときなどに優位になる交感神経と、リラックス時や睡眠中に優位になる副交感神経から成る。

理由2　耳の周囲にある動脈、静脈を刺激し、血流改善が期待できる！

「血液は心臓から出ている動脈から流れ始め、全身を巡って静脈へ戻ります。心臓に戻る途中で必ず耳も通過します。耳は血管が細く、外についている組織なので血流が滞りやすいため、体の中で最も冷えやすい部位なのです。耳は小さくて目立たないですが、全身の血液の流れに影響を与える関所の一つ。耳もみは血流の改善に効果があり、頭部の緊張をほぐすのにもおすすめです」

耳は全身を巡る血流の「関所」。血管が細くて血流が滞りやすい耳への刺激で血流の改善を助け、耳の周辺の頭や首、肩の筋肉の緊張を緩める効果が期待できる。また、筋肉の緊張が緩むと、交感神経の緊張も緩む。


まずは耳まわりの凝りをほぐすことが大事！

「耳もみ」ウォーミングアップ

「セルフケアの知識はいくつ持っていても荷物にはなりません。心の緊張を増幅させない、ガス抜き生活習慣の一つに『耳もみ』も加えてみて」と松岡さん。このウォーミングアップだけでもリラックスに。

1　両耳に手を当てて温める
手で耳を20秒間覆い、耳を温める。手が冷たい人はお湯で手を温める、手をこすり合わせるなどして、手を温めてから行なって。　

2　耳を手前に折って圧をかける
両手で耳を後ろから手前に押しつけて、耳の穴を塞ぎ、耳を10～20秒間覆う。このとき、肩に力が入らないように注意して。

3　手を離すときに深くため息をつく
耳を覆っていた両手を放す前に息を深く吸ってから、両手を離すのと同時に息を吐き切る。2 → 3を3～5回繰り返す。

4　耳の上をしっかりとほぐす
両手の指の腹を耳の上に押し当てて、耳の上の側頭部の筋肉を動かして1～2分程度かけてほぐす。リラックス効果のアップにつながる。

＊　＊　＊

「耳もみ」をすると、耳の周りがじんわり温かくなるような気がします。時間がゆっくり感じられて、心も落ち着き、だんだんだんだん眠くなって…。ぜひ試してみてくださいね！

イラスト／いしかわひろこ　編集協力／白倉綾子　

文＝高梨奈々