【カンタン治部煮風レシピ付き】食べればほっこり温まる! 古都・金沢の伝統料理「治部煮(じぶに)」

#食   
加賀藩前田家の城下町として栄えた金沢

工芸や芸能などさまざまな文化が花開いてきた金沢。加賀百万石の城下町であり、現在は石川県の県庁所在地でもありますが、そのエリアで古くから食べられている郷土料理が「加賀料理」です。その代表的な一品といえば「治部煮(じぶに)」

年間通して食べられる治部煮ですが、地元・金沢では冬のイメージが強いそう

小麦粉をまぶした鴨肉などとすだれ麩、季節の野菜を煮たもので、とろみがあるのが特徴。もともとは武家のおもてなし料理だったそうですが、のちに庶民も食べるようになり、現在は家庭での特別な日の料理として愛されています。また、石川県の郷土料理を提供する料亭や割烹などでも食べることができるそうです。


郷土料理がベースとなった加賀料理

お店で出される治部煮は、口が広く底が浅い「治部椀」という専用の漆器で供されることが多いそうです。この器は、治部煮の具が隠れずきれいに見える作りになっています。

すだれ麩は治部煮に欠かせない食材

治部煮で使われる麩は、「すだれ麩」と呼ばれる特徴的なもの。生地をすだれに包んでゆでることからその名前がついたといわれています。生地に米粉を使い、だしを良く吸うので、金沢ではすきやきや煮物などにも使われているそうです。

ちなみに「加賀料理」と聞くと、大名が食べるような豪華な料理を想像されるかもしれませんが、料理自体は素朴で庶民的な郷土料理をベースにしたものがほとんど。それを九谷焼などの器に盛り付けることで、贅沢な雰囲気を演出しているんだとか。

器の美しさも加賀料理のおいしさをひきたてる


出典:農林水産省Webサイト「うちの郷土料理」


身も心もあったまる! 治部煮のレシピ

治部煮は、本来は鴨肉とすだれ麩を使用しますが、身近な食材を使ってアレンジしてみましょう。ほんのりとろみのついた汁が具材にからんで、ほっとする味わいです。

【レシピ1】とりの治部煮

とりの治部煮

とりもも肉を包丁を斜めにしてそぐように切ることで、断面が広くなり、だしの風味がしっかり染みます。また、短時間で火が通るというメリットも。トータルで5分程度煮るだけでOKなので、煮物なのにぱぱっと作れるのがうれしいですね。


とりの治部煮
材料(2人分)
とりもも肉…大1枚(約300g)
小松菜…3/4わ
しいたけ…2枚
小町麩…4個
酒…大さじ1
塩…少々
片栗粉…適量
だし汁…1カップ
しょうゆ…大さじ1
みりん…大さじ2
わさび

作り方
1.小松菜は3cm長さに切り、しいたけは軸を除く。とりもも肉は大きめの一口大のそぎ切りにし、酒大さじ1、塩少々をもみ込み、片栗粉適量をまぶす。

2.鍋にだし汁1カップ、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ2を入れて中火にかける。煮立ったらとり肉、しいたけ、小町麩を入れ、ふたをして約3分煮る。小松菜を加えてふたをし、さらに約2分煮る。好みでわさびをつけて食べても。

【レシピ2】豚肉と大根の治部煮風

豚肉と大根の治部煮風

じっくりことこと煮込む必要がない治部煮は、時短でできるのがポイント。電子レンジで加熱した大根を使えば、さっと煮るだけで完成します。豚肉に片栗粉をまぶすときは、まんべんなく付くようにするのがおいしさの秘訣です。


【レシピ3】大根ととり肉の治部煮うどん

大根ととり肉の治部煮うどん

治部煮をうどんにアレンジ! 小麦粉をまぶしてゆでたとり肉は、表面がぷるんとして、口当たりがよくなり、汁にとろみがつきます。とろっとした汁がうどんにからんで絶品!


治部煮は、短時間で煮込むのがコツです。火加減さえ気をつければ失敗もしませんし、材料を変えればいろんなアレンジが可能です。煮物だからと難しく考えず、チャレンジしてみてくださいね!

文=山上由利子

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じぶ煮についてはコチラをチェック!
出典:農林水産省Webサイト「うちの郷土料理」

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