「妊娠やめたら?」つわりに苦しむ妻に、夫の信じられない暴言。働くのを防ぐため「うずらの卵を育てろ」と命じる狂気【作者に聞く】

主人公・あすかの夫・和史は、交際中から独占欲が強く、結婚後もあすかが予想もしないことで激しく怒り出し、「ボクが嫌だと思うことは絶対にしないで」と要求していました。
長男を妊娠し、つわりで苦しむあすかには「そんなに辛いんなら妊娠やめたら?」と悪気なく発言。次男を出産後も「自分ばっかり甘えるなぁ!いつまでも泣いてるんじゃない」と赤ちゃんに向かって怒り出し、ワンオペ育児が加速していきます。

さらに、長男がサッカークラブの体験に行くと浮気を疑い、あすかの股に顔を近づけて「変なことしてたら匂いでわかるんだからな」と言い放つ始末。あすかが働きに出たいと考え始めると、和史はそれを阻止するために、スーパーでうずらの卵を買ってきて「それ育ててよ」と孵化を命じます。
しかし、このうずらが孵化してあすかがその世話に追われるようになると、ふたりの関係に変化が訪れるのでした…。
著者・前川さなえさんインタビュー
──和史はつわりに苦しむ妻のあすかに向かって「そんなに辛いんなら妊娠やめたら?」と悪気なく言ったり、二人目を生んで子どもの世話に追われるあすかに「やっぱり子ども2人なんて無理だったよね」「産まなければよかったんだよ」などひどいことを言い放ちます。和史のこれらのセリフについてはどのように考えながら描きましたか?
前川さなえさん:長男を妊娠したときの「妊娠やめたら?」は和史が“相手の気持ちを考えることができない”ことがうかがえるシーンです。これ、和史は本気で、なんならあすかのためを思って「妊娠をやめればいい」と思ってるんです。でも妊婦側からは一番タブーなセリフですね。ここは描いててもムカついた場面です。
一方、2人目出産後の「産まなければよかった」あたりは、子どもつきっきりになっているあすかに対しての苛立ちが出てきて、余裕がなくなっての発言です。こうして徐々に和史もモンスター化していったわけで…。
──この作品はセミフィクションだと伺っています。終盤はかなり異様な夫婦愛が描かれているのである程度フィクションを交えているとは思うのですが、どのあたりまでが実話なのでしょうか。
前川さなえさん:モデルとなった方からいろいろお話をうかがったのですが、実は前半のモラハラ描写の多くは取材を元に描いた実話だったりします。物語の終盤、夫婦関係が歪んでいくあたりからはさすがに創作が入ってくるのですが、妻や子どもたちがが救われてほしいという思いで描きました。
取材・文=レタスユキ
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