【認知症超入門】介護現場歴20年以上の安藤なつさんに聞く「もしも」に備える認知症Q&A
Q.遠方に住む親のことが心配です
A.まずは楽しく会話を。暮らしの変化もそっと確認
関係が良好なら、「最近どう?」とふだんどおりの会話をするだけでも充分です。そのうえで、久々の帰省なら、暮らしの変化がないか確認を。料理の味が変わった、同じものが増えている、郵便物が山積みなど、これまでなかったことが増えていたら少し様子を見てください。親の老化が気になったら、家の中に危ない場所がないかも要チェック。段差や手すりが必要な場所などがあれば、早めの対策を提案するのもいいですね。
Q.介護の仕事で忘れられない出来事は?
A.折り鶴が教えてくれた人の力の尊さ
夜間の訪問介護で、認知症の物静かなおじいちゃんを担当していました。ある日、枕元に小さな折り鶴を置いて帰ると、翌週、チラシで折った大きな鶴が机の上に。ご家族から「父が折りました。ありがとうございます」と手紙が添えられていました。認知症だと何もできないと思われがちですが、きっかけがあれば思い出すことがある――。家族も知らなかった力がまだ残っていることに気づき、胸が熱くなりました。
Q.将来、親が認知症になったら?
A.親の介護はプロに任せて親子の時間を大切に
私は、自分の親の介護はプロに任せ、最期まで家族としてそばにいたいです。介護の仕事は好きですが、身内となると感情の線引きが難しいもの。親ができていたことをできなくなる姿を見るのは、やっぱりつらい。だからこそ、信頼できる専門家と進めることが、親子の時間を守ると思っています。
Q.親が認知症に。第三者に頼るのは申し訳ない気が……。
A.第三者に頼ることは家族の支えになります
第三者に頼るのは、親を見放すことではありません。「もう無理」となる前に、頼れる場所を知っておくだけでも安心です。まずは、親の住む地域の地域包括支援センターでパンフレットをもらう、電話で相談するくらいで大丈夫。「どうしたら介護サービスを受けられるの?」と聞いてみるだけでもかまいません。いざというとき、心強い味方になってくれます。

親が元気なうちに、この先の暮らしやお金のことを話せるのが理想です。「この先どうしたい?」くらいの軽い会話から始められるといいですね。もし介護が始まったら、早めに周囲に相談を。親自身も不安を抱えています。できないことの奥にある気持ちを想像して、寄り添えたらいいですね。
※本企画は、書籍『知っトク認知症 家族と本人が自分らしく暮らし続ける超入門』(KADOKAWA)の内容を基に再構成・再編集したものです。今回は加えて追加取材を行ない、制作しています。
※情報は2026年2月現在のものです。法令や条例の改正などにより、内容が変更になる場合があります。
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安藤さんのお話を聞き、離れて暮らす父を思い浮かべました。次の帰省では家の危ない場所を確認しようと思います。(編集:澤田)
取材・文/宝田真由美 イラスト/docco 図版作成/島村千代子
Information
<レタスクラブ 2026年8月号より>

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