休職を3ヶ月隠していた夫と、片道2時間通勤で家計を支える妻。息苦しい社会を生きる夫婦それぞれの胸の内【著者に聞く】
『夫ですが会社辞めました』あらすじ

人間関係や仕事で追い詰められた川田俊は、ある日突然会社に行けなくなってしまいました。3ヶ月もの間、休職を隠していた夫の俊に、妻の沙月はやり場のない不満を抱えています。自分の殻に閉じこもり何も話そうとしない俊との生活を変えたくて、沙月は海辺の町・葉山への引っ越しを提案します。

都内まで片道2時間かけて通勤しながら、沙月は大黒柱として家計を支えていました。しかし何も話そうとしない俊と、その家事のやり方の違いに、沙月には不満が溜まっていくばかりで…。
現代の夫婦・家族の悩みや葛藤を、あえて夫婦逆転で発信
──「主夫」と「大黒柱妻」をテーマにしたのはどうしてですか?
とげとげ。さん「以前、『小1の壁の向こうに』という作品でママたちのモヤモヤを描いたのですが、どうしても男性批判のようになってしまいがちで、パパたちを嫌な気持ちにさせていないかという心配がありました。なので、次はパパ側のモヤモヤを題材にしたいなと考えていたときにコロナ禍になって、私が住んでいる葉山町に移住者が増えたんです。そこからヒントを得て、移住する人の話で、なおかつ逆転夫婦というパターンで、パパ側の視点から『しゅふ』のモヤモヤを描いたらどうかなと思いつきました。
立場を逆転させて、『ママだから』『女性だから』ではなく、その役割を与えられれば誰でも感じるモヤモヤなんだよと発信することで、現代を生きる夫婦や家族の悩み・モヤモヤを、より多くの人に抵抗なく受け入れてもらえるんじゃないかなと思ったんです」

──コロナ禍というのも、この作品が生まれたきっかけとなっているんですね。
とげとげ。さん「コロナ禍になって人に会わない環境やより空気を読まなきゃいけない環境に置かれ、人との心地よい関係性や距離感について考えることが多くなりました。人と会わない暮らしは楽だけど、久しぶりに会って話すと気持ちがぐっと軽くなったり、視野が広がる開放感に包まれたりする瞬間があって…。当たり前のことかもしれませんが、人と会うことは大切だなとあらためて感じました。それを作品にしたいなと」

──コロナ禍によって、とげとげ。さんの暮らしに変化はありましたか?
とげとげ。さん「夫がテレワークになって家事を半分ずつ分担できるようになったので、だいぶ変わりました。それまで夫はこの作品の沙月と同じように約2時間かけて都内に通勤していたので、基本的に私はワンオペ状態だったんです。コロナ禍以降、夫と子どもが一緒にいる時間も増えて、お互いの距離が近くなった気がします」
* * *
生き方や働き方が多様化する現代だからこそ、思い描く理想と現実のギャップに悩む夫婦は少なくありません。「家族の形」に正解はなく、それぞれの夫婦が話し合いながら形作っていくものだということに気づかせてくれる作品です。夫婦のあり方を、この作品を通して見つめ直してみませんか?
【取材=松田 支信/文=レタスクラブ編集部】
とげとげ。
漫画家/イラストレーター
Information
主夫と大黒柱妻。川田夫婦が選んだ未来は?

俊と沙月がそれぞれに悩み、ぶつかった末に見つけた『家族の形』とは……? ふたりの葛藤と選択、そして踏み出した新たな一歩は、書籍だけで読めます。WEB未掲載の描き下ろしエピソードが50ページ!
『母ですが妻やめました』電子書籍で発売中!

地元の仲間と遊んでばかりで家庭に無関心な夫、落ち着きがなく手のかかる娘、ママ友たちの間では孤立…。悩み多き『ナナちゃんママ』こと木下理恵のエピソードを中心とした電子書籍『母ですが妻やめました』、WEB未掲載の描き下ろしエピソードがたっぷり40ページ超です!
おすすめ読みもの(PR)
読みものランキング
-
1位「やる気ないならさっさと消えろ」…この投稿は「推し」のため?/推し活で全てを失ったわたし(1)
-
2位凄惨な暴力と、傷ついた被害者。DVや虐待からの「夜逃げ」を取材する漫画家が語る暴力表現への葛藤【著者に聞く】
-
3位「3.11って、むかしのじしんでしょ?」震災を知らない子どもたちに、あの日をどう伝える?/今日、地震がおきたら(1)
-
4位【胸キュン!シリーズ累計600万部突破の話題作】フィアンセは他の女に目移り。婚約者が倒れても、冷たい態度で…
-
5位「靴下ぐらいで怒る?」ちょっとしたことで母がキレる理由。実は靴下じゃない
読みものランキングをもっと見る
レタスクラブ最新号
レタスクラブ最新号詳細


