「許さなくても、許されなくても、幸せになっていい」モラハラで妻子を失った父親と、トラウマに苦しむ娘の選択【著者に聞く】
『99%離婚 離婚した毒父は変われるか』あらすじ

大手商社の管理職・鳥羽晴喜は、家族へのモラハラやDVが原因で離婚し、妻子から絶縁されていました。自身の行動を猛省した鳥羽は、会社でも態度を改め「仏の鳥羽さん」と呼ばれるほど理解ある管理職になっていました。現在は同じように家族を失った男性3人で、家事やメンタルケアを助け合うシェアハウス生活を送っています。
一方、鳥羽と絶縁した娘の奈月は広告会社で働いていますが、父親のモラハラがトラウマとなり、同棲中の恋人や会社の部下にキツくあたってしまうことがありました。そんなある日、彼女は人事から面談の連絡を受けることになり……。
『99%離婚 離婚した毒父は変われるか』著者インタビュー

──父親のモラハラによるトラウマから、婚約者の陽多や部下にキツくあたってしまう奈月。しかし、作中では陽多や会社の人々など、彼女の心の傷に気づき支えてくれる存在も描かれていますね。
中川: 彼女の婚約者である陽多はとても重要な役割です。非難しない、責めないという関わりは彼女の変容のためにとても大切な基盤になりました。しかし同時に、それだけでは十分な変容には決して繋がっていなかった。それは、親密な他者との関わり以外の信頼がなかったため、結局、奈月は、この社会を、世界を信頼できていなかったからです。
公的な空間である職場という場所においては特に、彼女は戦場のような感覚で生きていきます。生きるか死ぬか、やるかやられるか、強いか弱いか。だからこそ、職場という空間が「怖い」場所じゃなくなっていくこと、もう少し正確にいうと、そこにいる人全員が敵なのではなくて、自分を気づかってくれる、心配してくれる、ケアの対象として扱ってくれる人がいるということが、彼女にとってとても大きな転機になるんだと思っています。
──父親の鳥羽にとっても、娘の奈月にとっても、それぞれを支えてくれるコミュニティがあることが、大きな意味があるように思いました。
中川: 人はやはり一人ではなかなか変わることが難しい。愚痴をこぼしたり弱音を吐いたり、日常のちょっとした喜びや、楽しいことをシェアできる人間関係があることは本当に大切なことだと思います。シェアハウスはある意味で極端な例ではありますが、SNSもそうだし、地域コミュニティもそうだし、モラハラ・DVなどで別居・離婚となった人もまた、学び変わりながら生きることができると信じています。
──モラハラの当事者たちを描いたこの作品で、お二人がこの作品を通じて伝えたかったことを教えてください。
龍: 「許さなくても、許されなくても、幸せに生きていい」この作品の根っこになるメッセージです。これが全てかなと思っております。
中川: 「人は学び変わることができる」「遅すぎるということはない」「許さなくても幸せになっていい」「許されなくても幸せになっていい」 この4つが主要なメッセージです。
取材=ナツメヤシコ/文=レタスクラブ編集部N
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