女「だから」恋しちゃう! 麗しの近衛連隊長どの『ベルサイユのばら』のオスカルさま/【連載】このイケメン(マンガ男子)を見よ!(5)
「だがわすれるな! わたしは女だ」。
ガ、ガーン……。「どうかいつまでもおそばに置いてください! わたし……オスカルさまが……」と涙ながらに恋心を告げた、素朴な少女・ロザリーにこう言い放ったオスカルさま(絶対「さま付け」になっちゃいますよね!?)。わかっています、わかっていますとも。でも好きなんだもの! ロザリーに気持ちを重ねてオスカルさまに恋し、破れた、という女性読者のみなさまはさぞ多いことでしょう。もちろん私もです!!
オスカルさまは、こうしてロザリーを冷たく突き放しておいて(というか「事実」を告げ、ちゃんと嫁に行って幸せにおなり、というやさしさなんですが)、後日、こんなこともしてくださいます。「こっちへおいで」と抱き寄せ「もし 私がほんとうの男性だったら……まちがいなくおまえを妻にするよ……ほんとだ」とささやくのです。もう~そんなことされたら余計好きになっちゃうじゃないですか!
18世紀、革命直前のフランスで、貴族の娘として生まれるも、男として軍人として生きることを選ばざるを得なかったオスカルさま。男性と同等に扱われることを望みながら、「あなたに女のこころを求めることは無理だったのでしょうか」とアントワネットから言われて激しく落ち込んだりもする。突き上げるようにやってくる「自分は女だ」という感情と、闘い続けるオスカルさまなのです。こうして「男」と「女」の間で揺れ動く姿こそが、このお方の魅力。「なぜ女なんかにお生まれになったの…!?」(byロザリー)ではなく、「女だからこそ」、私たちはこんなにもオスカルさまに恋してしまうのだなあ、とあらためて思うのでした。
【今回のイケメン】『ベルサイユのばら』のオスカルさま
「一見氷のようにひややかなくせに……胸の中はまるで炎のように燃え盛っている」(byアンドレ)、オスカルさま。麗しい……。昨年40周年を迎えた『ベルサイユのばら』。文庫版の装丁もリニューアルされ、読む時のときめきが倍増! 久しく読んでないという方、ぜひ、いま!
※このコラムは『レタスクラブ』2013.3.10売り号に掲載されたものです。
Information
1970年、神奈川県生まれ。1993年慶應義塾大学文学部卒業。Amazon.co.jpエディターを経て、2003年よりフリーライターに。2014年より読売新聞主催「SUGOI JAPAN」セレクター。2015年より文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員。
『ダ・ヴィンチ』『モーニング』などで、主にマンガに関する記事の企画・執筆、マンガ家へのインタビュー、コラム連載などを行なう。
著書に「週刊少年ジャンプ」作家の仕事術を取材した『マンガ脳の鍛えかた』(集英社、2010)、宇宙飛行士、宇宙開発関係者に取材した『We are 宇宙兄弟 宇宙を舞台に活躍する人たち』『We are 宇宙兄弟 宇宙飛行士の底力』(モーニング編集部編・講談社+α新書、ともに2012)。
またフランスにて、日本のマンガ業界用語を網羅したフランス人マンガファン向けの語学書『LE JAPONAIS DU MANGA』(Misato RAILLARDとの共著、ASSIMIL、2015)を出版。
最新情報は「漫画ライター門倉紫麻のブログ」
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