疲れを癒したい?リフレッシュしたい?温泉は目的に合わせて選びましょう

#くらし   

体の芯まで温まる入浴は、健康や美容に大変効果的です。でもどんな効果があるの? シャワーではダメなの? と考えてみると、はっきりとした答えは見つかりません。そこで、東京都市大学人間科学部教授で温泉療法専門医である早坂信哉先生に温泉や自宅でできる「正しい入浴法」について詳しく教えていただきました。

10分で体温が1℃上昇! 入浴で疲れ知らずの体を作りましょう-1


温熱効果で血液を温めて体温を上げましょう


「湯につかることは健康維持にいい」と感じている人は多いことでしょう。ではその入浴法、本当に体にいいのでしょうか?

「入浴による最も大きな効果は体を温めること。お風呂につかると、お湯の温熱により体表に近い血液が温められ、徐々に全身へと届けられます。40℃前後のお湯に10~15分つかることで体温は約1℃上がります。これは湯につかるから起きる効果でシャワーだけでは同じ効果は期待できません」とは、温泉療法専門医の早坂信哉先生。温泉の場合、温熱効果はさらに高まります。

早坂先生に聞きました! 温泉はこう選びましょう


Q.温泉は長く滞在しなければ効果がないですか?

A.短い滞在でも温泉の効果は発揮されます。

温泉地には、景観や気候、地形など、日常生活にはない刺激があり、それらが心身に総合的に作用することで、気分転換やリラックスにつながります。1~2日の温泉旅行でも、こうした効果は十分に期待できます。

Q.日頃の疲れを癒やしたいときは...

A.疲れを癒やしたいなら、海沿いか森の温泉へ

疲れを癒やしたいなら、海沿いか森の温泉へ疲れを癒やしたり、病後の体力回復には森林浴効果が期待できる森の温泉や、塩分やヨウ素を含む海沿いの温泉が最適。現在健康でさらに元気になりたい人や体力強化には、1,000m以上の高地にある山の温泉へどうぞ。

Q.泉質で選ぶときには何に注目すべきでしょう?

A.体に優しいのか、負荷がかかるのかがポイント

温泉にはさまざまな泉質があり、湯の特徴は異なります。「疲れを癒やしたい」「元気になりたい」という人は体に優しい湯を、「リフレッシュしたい」「体力をより強化したい」という人は体への負荷が高めの湯を選ぶといいでしょう。下記の図表で、泉質別に見た湯の特徴と主な適応症をチェックし、体調に合った湯を選びましょう。

【泉質と主な適応症をチェック!】

温泉主な適応症


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温泉選びは体調に合わせて。欲張り過ぎずに入浴を


「温泉地に1週間ほど滞在すると、ホルモン値が正常に近づきます。ですが、たとえ短い滞在でも、リラックスや気分転換、湯がもつ適応症(効能)の効果は十分期待できます」と、早坂先生。

「温泉選びのポイントの一つは泉質。成分により、体に負荷の高い湯と低い湯があります。特徴を知って体調に合った湯を選ぶとよいでしょう。また、管理が行き届いているか否かも大切です。浴槽や浴室が清潔に整えられているかどうかで判断できます」

入浴前後の水分補給も欠かせません。飲泉場がある場合は、入浴前後に温泉水を飲むことで水分補給はもちろん、胃腸の働きを活発にする効果も期待できます。最初に湯につかる際は、たっぷりとかけ湯をしてから半身浴で体を慣らし、その後全身浴を。つかる時間は湯温や泉質により異なりますが、額にほんのり汗をかいてきたらすぐに上がりましょう。

「本来、入浴は1日1回で十分なものです。泉質によっては、何度もつかることで、皮脂が取れて肌が荒れることもあります。多くても1日2~3回までと覚えておきましょう」

温泉地には、景観や気候などその土地ならではのさまざまな刺激があり、それらがトータルに作用することで心身が整います。「入浴に加えて、周辺の自然や歴史、文化、食などを楽しみ、心と体を健康にするのがこれからの温泉滞在のあり方です」。疲れを癒やしたいとき、何となく不調なときなど、心身の状態に合わせて、温泉を選んでみましょう。

体を整える温泉入浴法、3つのポイント


●1日何度も入浴するなら!

温泉に何度も入ると体に負担がかかります。多くても1日2~3回を目安にしましょう。また、1回当たりの入浴は3分程度、トータルで10~15分までに。汗が流れたり、顔が熱くなったらすぐに出ます。

●入浴前後はコップ1杯の水を!

入浴前後には水やお茶をコップ1杯飲みましょう。飲泉所がある場合は、温泉水が飲めます。1回の飲泉は100~150mlを目安にしましょう。

●就寝の1~2時間前に入浴!

寝る1~2時間前に体を温めると、徐々に体温が下がって眠りにつきやすくなります。眠りたい時間に合わせて、温泉入浴を楽しみましょう。

監修=早坂信哉 文=笑(寳田真由美)

※この記事は『毎日が発見』2018年3月号に掲載の内容です。

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Information

■教えてくれた人:早坂信哉(はやさか・しんや)先生
東京都市大学教授、温泉療法専門医。著書に『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)、『入浴検定公式テキストお風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)など。テレビ、ラジオ、雑誌にも多数登場。

取材・文/笑(寳田真由美)

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※この記事は毎日が発見ネットに掲載された情報です。


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