介護はライフステージのひとつ。子どもの「お金」と「時間」は別に確保しよう/安藤なつの「知っトク介護」(1)

#くらし   
介護はライフステージのひとつ

『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』 1回【全6回】


介護歴が約20年という、お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさん。そんな安藤さんと共に、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんから介護のことを学べるのが『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』です。

「親の介護」で損をせずにおトクに便利に過ごすために知っておきたいことを肝心なところだけまとめた本書。給付や補助が受けられる制度や、自治体や民間のサービスなど、プロの手を上手に借りられる方法をご紹介します。

※本記事は安藤なつ(メイプル超合金)、太田差惠子著の書籍『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』から一部抜粋・編集しました

介護はライフステージのひとつ
子どもの「お金」と「時間」は別に確保しよう!


お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさんと、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんの会話形式でわかりやすく「介護」のリアルと乗り切るコツをお送りします。

・親も子どもも100歳まで生きる
・親の介護は親のお金で


安藤なつ(以下、安藤):自分の子どもが成人して一段落ついたとほっとした頃、親の様子がなんとなくおかしい、という人が多くなりますよね。

太田差惠子(以下、太田):そうなんです。子育ての手が離れた頃に、親から「ちょっと転んだ」「腰が痛い」など、ちょくちょく呼ばれることが増えてきます。何でも、「はいはい」と聞いてしまうと、子ども自身の身がもたなくなりますよ。

安藤:でも、今まで育ててくれた親には、できる限りのことはしてあげたいと思うのは当然な気もしますが……。

太田:いえいえ、そこでいいかっこうをするのは、禁物なんです。たとえば、自宅から実家まで、片道1時間とします。毎週実家に通っていると往復2時間、1年に換算すると、100時間以上にもなります。もし子どもが50歳、親が75歳だとすると、人生100年時代だから、これがあと25年は続くんですよ。

安藤:えええ!!! 25年も。しかも25年後、子どもは75歳だ。とても体がもちませんね。

太田:交通費だって片道1000円なら往復2000円。1年で約10万円。25年で250万円ですよ。

「親のため」だけは禁物! 自分の「老後」と親の「介護」は重なる


安藤:250万円って……新車1台分より高いじゃないですか!!! バカにならないですね……。

太田:子どもだって、100歳まで生きるんです。その老後資金の250万円が、親のための交通費に飛んでしまうんですよ。子どもが老後破綻になることだってなくはないです。

安藤:まさに、親子共倒れ……。

太田:介護は「就職」「結婚」「出産」と同じライフステージのひとつと考えて、親には、お金も気持ちも自立してもらって子どもはドライに割り切ることが大切なんです。

安藤:ライフステージのひとつ。考えたこともなかった。でもやっぱり親のことを見捨てるなんてできない……。

太田:そこで、上手に活用したいのが「介護保険サービス」や「自治体が独自に行うサービス」です。美味しいご飯が食べたいならレストランに行くように、プロのヘルパーさんや、地域のボランティアサービスをどしどし利用しましょう。親の介護をきっちりサポートしてくれます。

安藤:なるほど! 親の介護は、親のお金でプロのサービスを使い倒すってことですね。

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介護については「自分が何とかしなければ」と孤独になってしまいがち。
でも実はプロに頼ったり、悩みをシェアすることで最新の情報が得られたり、心や金銭的な負担が軽くなることも。ひとりで抱えこまず、できるだけ周りを頼りたいものですね。

介護歴約20年の安藤なつさん

安藤なつ(メイプル超合金)
東京都出身。2012年に相方カズレーザーと「メイプル超合金」を結成。ツッコミ担当。
2015年M-1グランプリ決勝進出後、バラエティを中心に女優としても活躍中。介護職に携わっていた年数はボランティアも含めると約20年。
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を持つ。厚生労働省の補助事業『GO!GO!KAI-GOプロジェクト』の副団長。

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子先生

太田差惠子
介護・暮らしジャーナリスト。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP(日本FP協会認定)の資格も持ち、「介護とお金」にも詳しい。一方、1996年遠距離介護の情報交換の場、NPO法人パオッコを立ち上げ、2005年法人化。現理事長。「親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと」(翔泳社)など著書多数。

著=安藤なつ(メイプル超合金)、太田差惠子/『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』(KADOKAWA)

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