「積み立て投資」は最低でも15年は続けよ!その理由は?/新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです(6)

一般的に積み立て投資は長期で続けるのが大切といわれます

【新NISA】少額スタート&ほったらかし。初心者におすすめの「積み立て投資」
『知識も時間もないですが、新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです』6話【全7話】


新NISAで話題の「積み立て投資」の魅力とは?

2024年から制度が変わり、資産形成しやすくなったと話題の新NISA。誰もが投資を始めやすいように改定されたこの制度で、重視されているのが「積み立て投資」です。毎月一定額で決まった金融商品をコツコツと買い続ける投資方法なのですが、なぜ初心者におすすめなのでしょう。積み立て投資の魅力や、失敗しないコツは? YouTubeで人気の投資塾ゆうさんの解説をご紹介します!

※本記事は投資塾ゆう著の書籍『知識も時間もないですが、新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです』から一部抜粋・編集しました。


積み立て投資は最低でも15年は継続するべき理由を徹底分析

一般的に積み立て投資は長期で続けるのが大切といわれます。しかし、この「長期」というキーワードがあいまいで、いったい何年やればいいのかがよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

そこで過去のS&P500のデータを使って、10年継続した場合と、15年継続した場合の投資成果を調べてみました。

まずは1994年を起点に、94年から10年、96年から10年と直近までを21パターンの10年間を切り取って調べてみました。

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利益が出ている場合を勝ち、損失が出ている場合を負けとみなすと、17勝4敗、勝率は81%です。平均の利益率は70%という結果になりました。

最も利益が出たのは2012年~21年の期間で、利益率は168%。10年間で3倍近く資金を増やせた計算です。ゴールとなった21年はS&P500が過去最高値に到達した年でした。

これに対し、最も成績が悪かったのが、1999年~2008年の期間です。ゴールである08年は、100年に1度の金融危機と言われたリーマンショックが起こった年です。最終的に2008年~11年をゴールとする4つの期間で損失を出しています。

これは先ほどの20年の積み立て投資で資産を倍にできたシミュレーションの中で、含み損が出続けていた時期にあたります。

この4年間は、リーマンショックの暴落を機に、株価が低迷を続けた期間で、100年に1度レベルの金融危機に1ドル70円台という歴史的な円高が重なりました。歴史的な株安と歴史的な円高のダブルパンチという、日本人の投資家にとっては歴史的な不運に見舞われた期間といえるでしょう。

しかし、12年には株価が上昇に、為替も円安に転じており、この12年をゴールとする10年間からは、利益を出すことができるようになっています。

これらのデータでわかることは、積み立て投資はゴールの時期の相場環境が、全体のパフォーマンスに大きな影響を与えるということです。勝率自体は81%と高いうえ、勝った際の利益率も平均で70%と十分な成績だとはいえますが、ゴールの時期が深刻な金融危機と歴史的な円高に重なってしまうと厳しい状況におかれてしまうことがわかります。

では、積み立て投資を15年に延ばした場合はどうでしょうか。以下は1994年を起点に94年から15年、95年から15年というふうに、直近までの16パターンを調べた結果です。

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結果は13勝3敗で勝率は10年の積み立ての場合とほぼ同じ81%ですが、最も負けた場合の損失がマイナス11%と、10年の場合の34%に比べるとマイナス幅を小さくできています。逆に最も利益が出た場合の利益率は328%で、こちらも10年の168%を大きく上回っています。平均の利益も123%と、10年の70%の1.75倍になりました。

このシミュレーションからわかることは、積み立て投資では10年よりも15年続けたほうが利益をより大きくでき、うまくいかなかった場合の損失も小さくできるということです。ですから。私は自分のお客様に対しては、最低15年は継続する前提で積み立て投資を始めてくださいとアドバイスしています。

◇ ◇ ◇

著者:投資塾ゆう
証券会社の営業として7年働いた後、独立して現在は投資アドバイザー。組織のノルマから解放され、お客様のサポートに集中できるようになったことで、「直接アドバイスができない人たちにも正しい投資知識を身に付けてもらいたい」と思い、YouTubeチャンネルを開設。多くの視聴者から信頼を集める。登録者数は15.8万人。

・本書の内容の多くは、2023年12月時点の情報に基づいています。
・本記事掲載後に法律や制度、各社サービスの内容が変更される可能性があります。予めご了承ください。
・本書は著者個人の経験や分析であり、いかなる見解や意見も、読者に利益を保証するものではありません。読者に損害が生じても、著者および出版社はいかなる責任も負いません。取引銘柄の選択、売買価格等の判断はご自身の責任で行ってください。

著=投資塾ゆう/『知識も時間もないですが、新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです』

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