正直、子どもへの絵本の読み聞かせが苦痛です。絵本を読む意味って何ですか?
声かけを変えれば、子どもの行動が変わる!
お風呂に入ってくれない、片付けをしてくれない、食事中に席を離れてしまう…などなど、大人も子どもの「困った行動」。注意しても上手くいかないのは、声をかける方法が間違っているかもしれません。
3歳と2歳の子どもたちを育てながらも「これでいいのかな?」と不安を抱えるマコさんに、「モンテッソーリ教育」「レッジョ・エミリア教育」のスペシャリストで、児童発達学の専門家・華子先生がアドバイス。
『子育てがぐっとラクになる「言葉がけ」のコツ』から、今日は「絵本の読み聞かせが苦手」のお悩みについて華子先生がお答えします。
登場人物
マコとユウ:子育て中の新米夫婦。「自分たちはこれでいいのか」、不安になりながら子育て中。
アララ:きょうりゅうが大好きな3歳半。あまり言うことを聞いてくれない。
ユララ:マイペースで食いしん坊な2歳児。気の強さを感じて、ママのマコは心配。
華子先生:島村華子先生。子どもに対する絶対的な尊敬・尊重を基盤にする「モンテッソーリ教育」「レッジョ・エミリア教育」についてくわしい児童発達学の研究者。上智大学卒業後、カナダのモンテッソーリ幼稚園での教員生活を経て、オックスフォード大学で博士号を取得(児童発達学)。現在はカナダの大学にて幼児教育の教員育成に携わる。
正直言って、絵本を読むのが好きじゃない。
マコさん「正直言うと、絵本読むのが好きじゃないんです。絵本自体は好きだけど、子どもに読むのはまったく違うというか。何回も何回も同じの読むの勘弁してって思うし、スマホ見てるときに持ってこられるとイラッてするし。2人の子どもが同時に絵本持ってくるとケンカも始まるし。あーでも私って母親なんだから、こんなふうに思うなんてどうなの?って罪悪感…。あっ、先生…引いてます?」
華子先生「いえ全然。そんなに苦痛なら私は絵本を読まなくてもいいと思います」
マコさん「ええっ」
華子先生「そもそも絵本を読むことの意味って知ってますか?」
マコさん「意味? なんとなくいいものっていうか、親なら読むよね? みたいな? あれ?? 絵本を読む意味って何〜〜〜!?」
華子先生「大丈夫!みんなそんなものですよ!絵本を読むとね、2ついいことがあるんです。1つ目は語彙力が高まること。2つ目は起承転結を考えられるようになること。そしてこの2つは絵本を読まなくても育むことができます。焦らなくてOK!」
マコさん「無理に読まなくても大丈夫だった!? どうしたらいいんですか?」
華子先生「それはお子さんとたくさん会話すること」
マコさん「おおっ。話すだけ?簡単すぎませんか!?」
華子先生「自分の行動を描写するセルフトークと、子どもの行動を描写するパラレルトークもオススメです。語彙力が増えます。このあと何が起こるか予想する質問もいいですよ。質問することで小さな刺激が与えられて考える力が養われるんです。絵本を読まないのは親としてだめ! ってプレッシャーがあったかもしれないけど、絵本を読む読まないは関係なくて、一緒に時間を楽しく過ごすのが一番大事!マコさんができることでお子さんと楽しみましょう!」
華子先生のアドバイス:大切なのは一緒に過ごす時間の質
モンテッソーリ教育で最初に紹介されるアクティビティの一つが、「言葉による説明」です。子どもに家や教室にあるものの名前や置き場所を紹介したり、行動を丁寧に言葉で表現したりすることで、ボキャブラリーが増えます。また、子どもにとっては自分の環境にあるものの名前や定位置を知っていることで、秩序感や安心感につながります。
※本記事は島村華子監修、てらいまき著の書籍『モンテッソーリ教育の研究者に学ぶ 子育てがぐっとラクになる「言葉がけ」のコツ』から一部抜粋・編集しました。
監修=島村華子、著=てらいまき/『モンテッソーリ教育の研究者に学ぶ 子育てがぐっとラクになる「言葉がけ」のコツ』
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