制汗スプレーを使うときの注意点は?「からだのニオイ」にまつわる気になる疑問に一挙回答!
ニオイにまつわる問題は、とてもデリケートなもの。汗をかきやすくなり、からだのニオイが気になるこの季節、なかなか人には聞けない悩みや疑問について、体臭のメカニズムに詳しい関根先生に答えていただきました。
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▶教えてくれたのは
関根嘉香先生
東海大学理学部化学科教授。室内環境汚染について調査する中で、「皮膚ガス」を検出したことを機に研究に着手。以来、皮膚ガス研究の第一人者として、医療や生活用品への応用などに取り組んでいる。著書に『皮膚ガスのはなし 体臭は心と体のメッセージ』(朝倉出版)。
Q1)自分のニオイに気づけないのはなぜ?
A1)自分のニオイに気づけないのは、自分のニオイには慣れてしまうから。「嗅覚は危険を察知するための感覚。危険が近づいたとき即座に反応できるよう、危険ではないニオイには慣れておく必要がありますが、自分のニオイは危険性がゼロ。だから慣れて反応が鈍くなってしまうんです。強い体臭や口臭に自分で気づけないのは、そのためです」(関根先生)。
Q2)自分でニオイをチェックする方法は?
A2)その方法はズバリ、ビニール袋に肌着を入れて嗅いでみること。「1日着た肌着をビニール袋に入れて密封。屋外の空気を吸って嗅覚をリセットしてからニオイを嗅げば、客観的にチェックができますよ」(関根先生)。
Q3)お風呂に入ってもニオイが消えないときは?
A3)からだの不調が原因かもしれません。「足を洗ってもニオイが取れないなら、心やからだが疲れている可能性が。ストレスの原因を取り除く、休養を取るなどの対策をしてみましょう。体臭は、“心とからだ”からのサイン。体臭がいつもと違うと感じるときは不調が隠れていることもあるので、一度心とからだに向き合ってみて」と関根先生。
Q4)制汗スプレーって効果はあるの?
A4)汗が吹き出して気になるときに、ひと吹きで清涼感が得られてすっきりできる、制汗スプレー。この時期便利な反面、使いすぎるとマイナス効果も。「使いすぎると汗腺の機能が低下して、汗がベトベトした乾きにくい性質に変化します。すると皮膚の表面にいて汗や皮脂を食べて“皮膚ガス”を発生させる常在菌の活動が活発になり、不快なニオイの原因に」(関根先生)。
からだの不調からくる“不調臭”にもご注意を
体臭の陰には、不調が隠れていることも。こんなニオイを感じたら、体質改善を心がけましょう。
まずは「疲労臭」。血液由来の皮膚ガスで、ツンとするニオイが特徴です。「体を酷使することで筋肉が疲労すると、血液中のアンモニア濃度が上昇。血管からガスとしてしみ出てしまうんです。休養を取る、腸内環境を改善することでニオイは軽減します」と関根先生。
肝臓の疲れが「肝臓疲れ臭」を生むことも。「肝機能が低下すると、分解しきれないアンモニアが血液中に残留。血管からしみ出して、皮膚ガスが放散されます。アルコールを控えるなど、肝臓に負担をかけない生活を心がけましょう」(同)。
そして注意したいのが「ストレス臭」。ストレスで肝機能が低下した時に起こります。「アンモニアの分解力が弱まり、疲労臭の原因となります」と関根先生。改善にはヨーグルトが効果的。ビフィズス菌が作り出す短鎖脂肪酸が腸内でアンモニアを中和し、皮膚からの放散を抑制します。
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“からだのニオイ”についてよく知って、ニオイの心配から解放された爽やかな夏を過ごしましょう!
取材・文/恩田貴子 イラスト/カシワイ
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