1年で5万トン⁉地球が少しずつ軽くなっているって本当?/人類なら知っておきたい 地球の雑学(26)
地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
1年で5万トン⁉ 地球が少しずつ軽くなっている理由
国連が発表した「世界人口白書」によると、2011年に世界の人口は70億人に到達したと推計されており、2050年代には90億人に達すると予測されている。
このように地球の人口が増え続け、ビルなどの巨大建造物が次々に建てられていくと、さぞや地球自体の重量も増えているのだろうと思ってしまうが、それは大きな間違いだ。どれほど人間やモノが増えたところで、それは地球上にもともとある物質が形を変えただけに過ぎないため、地球全体の重量は変わらないのである。
ただし、地球の重量は毎年変化し続けている。宇宙空間に漂っている無数のチリが地球の重力に引き寄せられ、1年間に4万トンも降り注いでいるのだ。
では、地球は年々重くなっているのかというと、じつはその逆である。なんと、毎年5万トンずつ地球は軽くなっているのだ。
その大きな原因となっているのが、水素とヘリウムである。これらの元素は非常に軽いことから、地球の重力で引き止め続けることができない。その結果、毎年約9万5000トンの水素と約1600トンのヘリウムが、宇宙空間に逃げてしまっている。このほかにも、地球内部の核が消費するエネルギーにより、毎年約16トンの質量が減少しており、これらを合算すると、差し引き5万トンほど、地球は毎年軽くなっていることになる。
ちなみに、5万トンというとかなりの重さのように感じられるが、地球の質量の10京(けい)分の1(京は1兆の1万倍)と、微々たるものに過ぎない。そのため、いくら毎年軽くなっているとはいえ、当分地球が消えてなくなる心配はなさそうだ。
地球上の水素も当分尽きることはないが、ヘリウムだけはその量に限度があることから、将来的にとても希少価値のある資源になるかもしれない。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』
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