約23.4度傾いている地球の地軸。もし変わるとどうなる?/人類なら知っておきたい 地球の雑学(30)

地軸が変わるとさまざまな変化が訪れる

地球と太陽、誕生のひみつ。地球はいつ、どうやってできたのか?
『人類なら知っておきたい 地球の雑学』30話【全149話】


地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。


昼と夜が12時間⁉地球の地軸が変わるとどうなるの?


地球はその誕生以来、北極点と南極点を結ぶ「地軸」を中心に自転を続けている。地軸は公転軌道に対して垂直ではなく、約23.4度傾いている。北半球で夏は日中の時間が長く、冬は逆に夜が長くなるのは、この傾きによって太陽の当たる時間が変化するためだ。

日本の四季も、傾いた地軸によってもたらされた偶然の産物で、もしその角度が変わってしまったら、日本はもちろん、世界中にさまざまな変化が訪れる。

たとえば、地軸の傾きがなくなった場合、昼と夜はまったく同じ12時間ずつとなる。北半球と南半球の区別がなくなり、中緯度地域では四季の変化が消滅。また、貿易風や極東風、偏西風といった、地球の大気を循環させるために欠かせない風も失われる。

その結果、太陽からの熱エネルギーを地球全体に行き渡らせる作用が滞り、今まで以上に時間がかかるようになることから、寒冷化が進むと考えられている。

対して、地軸が公転軌道に対して水平になると、北極と南極では半年ごとに夏と冬が到来することになる。その結果、氷が解けることと凍ることが繰り返され、海面の上昇、雲の増加にともなう温暖化の促進などが懸念される。

ちなみに、地軸の傾きは地球の誕生以来、変化を続けている。その周期は4万1000年といわれ、およそ21~24.5度の範囲で、その角度を変化させている。

1920年代には、セルビアの地球物理学者ミランコビッチが、地球が太古から、気温の低い氷期と比較的暖かい間氷期を繰り返しているのは、こうした地軸の傾きの変化に原因があるという仮説を主張。地軸の角度や向き、公転軌道から、地球の気候変動の分析に成功し、その仮説を裏づけている。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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