大掃除は終わってないけれど…鏡餅や正月飾りを飾ってもいい?【知っておきたい年末年始】

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大掃除は終わってないけれど…鏡餅や正月飾りを飾ってもいい?【知っておきたい年末年始】

新年を迎えるにあたって欠かせない縁起物「お正月飾り」。毎年目にしていながら、その意味や正しい飾り方をきちんと知っている人は意外と少ないかもしれません。そこで、「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に、お正月飾りの基本的なマナーを教えていただきました。

【マンガで確認】クリスマスが終わったら、正月飾りを飾ってもいい?
早く大掃除始めなきゃ!→次へ

クリスマスが終わったからしめ飾りをつけようか→次へ

大掃除してないけどまあいいか→次へ

お正月飾りは26~28日に飾るのがベスト→次へ

ただし必ず掃除を済ませてから飾ろう→次へ

家中掃除してたら間に合わない!→次へ

水回りと正月飾りを飾る場所の掃除だけでもOK→次へ

29日と31日に飾るのは避けよう


年神様をお迎えするための松と鏡餅は重要アイテム

お正月飾りには、幸せと健康をもたらす年神様(としがみさま)をお迎えする、という大切な役割があります。
なかでも重要なのが「門松」と「鏡餅」です。

門松には「神様を“待つ”」という意味があります。
さらに、門松の松の枝は神様が降りてくる際のアンテナや目印の役割を果たすため、門松がないと年神様は迷ってしまうのです。
一方、鏡餅は降りてきた年神様が宿る場所とされています。

「門松と鏡餅、どちらかでも欠けると、年神様が行き場を失ってしまいますから、門松と鏡餅は必ずセットで飾りましょう。家にスペースがなく、本式の門松を飾るのが難しい場合は、本物の松を使っていれば、略式の飾りでもちゃんと役割を果たしてくれます。 本物の松を使ったリース飾りや松の盆栽で代用してみましょう」 と岩下先生。

清浄な場を示す「しめ飾り」は大掃除のあとに飾る

お正月飾りには、門松や鏡餅のほかに「しめ飾り(しめ縄)」もあります。
しめ飾りは「この場所は清められた神聖な場所です」と神様に知らせるための印。
そのため、大掃除が終わってから飾るのが鉄則です。

「本来、年末の大掃除は自分のためではなく、年神様をお迎えするために行うものです。年神様は明るく清潔な場所を好み、そういう場所にしか降りていらっしゃらないからです。 時間がなくて家全体を掃除できなくても、キッチンやお風呂、トイレなどの水回りや、鏡餅を飾る部屋(リビング)だけでもきれいにしておくといいでしょう」

お正月飾りを大晦日に飾るのはNG

お正月の準備は本来、12月13日の「正月事始め」から計画的に進めるのが理想です。
ただ、現代では、クリスマスが終わった12月25日過ぎから準備を始める家庭が多いようです。

お正月の準備はひとりでがんばらず、家族みんなで取り組みましょう。
「 大掃除のとき、お子さんに“神様はきれい好きなのよ”と伝えておくのもいいですね。 神様をおもてなしする気持ちで掃除や飾りつけをすると、より楽しくお正月を迎えられますよ」

飾りつけの際には、次の点に注意してください。
・9が付く日は「九=苦」に通じるため、よくない意味をもちます。特に29日は「二重苦」に通じるため、縁起が悪いのでこの日に飾りつけをするのは避けましょう。
・12月31日(大晦日)は「一夜飾り」と言われ、一夜にして準備が整う葬儀を連想させるため、この日の飾りつけも年神様に失礼にあたります。
このため、正月飾りを飾るのに最適な期間は12月26日〜28日です。遅れる場合は30日に飾りましょう。

お正月飾りは地域によって飾る期間が異なります。
・関東地方・・・1月7日に取り外す
・関西地方・・・1月15日に取り外す
自分の住む地域ではいつ取り外すのが一般的か、事前に確認しておくといいですね。

※ ※ ※

鏡餅をいただく「鏡開き」の日も地域によって異なります。関東では1月11日、関西では旧暦の二十日正月にあたる1月20日に行う地域もあるので、お住まいの地域の習慣に合わせて行いましょう。

岩下宣子先生

教えてくれたのは…
岩下宣子先生
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。

文=高梨奈々 イラスト=峯 鳥子

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峯鳥子

峯鳥子
日常と食のエッセイ漫画を描いています。料理好きの夫、娘二人と愛知県の郊外で暮らしています。note創作大賞2025レタスクラブ賞受賞。野菜ソムリエ。 もっと見る

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