夫に外出禁止令を出されてても「私が悪い」モラハラが“日常”になる理由【心理カウンセラーに聞く】

公開
更新
夫からの外出禁止令

パートナーへの嫉妬は、行き過ぎると「支配」になってしまいます。「自分に従えば良い」という思考は、相手を支配しようとするとても危険なもの。しかし、モラハラ行為を受けているにもかかわらず、受け入れてしまうケースもあります。モラハラに気づくためには、どのようなサポートが有効なのでしょうか?

『うずら男 モラハラかまって夫が人間をやめるまで』は、ふたりの男の子を育てる主人公・あすかと、妻に執着しすぎる夫・和史(かずふみ)の夫婦関係を描くお話です。妻からの関心を求める夫は、乳幼児の息子にまで嫉妬。そして、何よりも自分が優先という考え方で、要求が通らないと怒り出すのでした。父親の責任を放棄した「モラハラかまって夫」と、あすかの行き着く先は…。

▶【マンガ本編】『うずら男』を最初から読む

【ストーリー】

結婚前は夫のことを「不器用だけど純粋な人」「この人なら私のことをずっと愛してくれる」と思っていたあすか。しかし、子どもが生まれてからも常に自分優先で、反論すると怒り出す姿に、あすかは「子どものことで夫に頼るのはやめよう」と決心します。ふたりの子どもを育てながら、夫の機嫌に気を遣い続ける日々。そんななか、妹から電話が来て…。


妹との電話で発覚!夫から出された「外出禁止令」

「外出禁止令出されてて」と話す妻・あすか

ある日、あすかが自宅で家事をしていると、妹から久しぶりに電話がかかってきました。妹は、あすかがメッセージにスタンプしか返して来ないため、心配して電話をかけたのです。あすかの子どもが幼稚園へ行っている時間に「一度会おうよ」と誘う妹でしたが…。なんと、あすかは夫から外出禁止令を出されていたのでした。

サッカークラブの男性コーチに嫉妬する夫

夫が外出禁止令を出したきっかけは嫉妬。ある日、息子を連れてサッカークラブの体験に行ったあすか。息子の楽しそうな姿を見て「サッカーをやらせてあげたい」と夫に相談します。しかし、夫が気になっているのは、サッカークラブに男のコーチがいることでした。夫はあすかに対し、やましいことがないか疑いをかけます。「変なことしてたら匂いでわかる」と、脅すような言葉をかける夫。これにあすかが抵抗すると「しばらく外出禁止」と言うのでした。


完全にモラハラ!しかし妻は…

あすかが夫から外出禁止令を出されていることに驚いた妹。あすかが「私も軽率だった」と言うのを聞き「姉が夫からモラハラを受けている」と確信します。そして、あすかに夫の言動がモラハラであることを伝えますが、あすかはすでに正常な判断ができなくなっている様子。「悪いのは私」と思い込むようになっていたのです。


なぜモラハラを受け入れてしまうの?気づくためには?心理カウンセラー・白目さんに聞いてみた!


夫のモラハラ行為を受け入れてしまう妻の心理とは?また、モラハラに気づくために本人や周囲ができることとは?
漫画を読んで気になった素朴な疑問について、心理カウンセラー・白目みさえさんにお話を伺いました。白目さんは、精神科に勤務する傍ら、母親の日常をテーマにした『子育てしたら白目になりました』などを描く、人気コミックエッセイストとしても知られています。


──支配的な言葉や制限を受けても「仕方ない」と受け入れてしまう関係は、モラハラのどの段階にあたるのでしょうか?“加害”が進行しても被害者が気づけなくなるのはなぜですか?

白目さん:支配的な言葉や制限を「仕方ない」と受け入れてしまう関係は、モラハラの中でも“固定化の段階”にあたります。人は良くも悪くも順応する生き物です。恐怖の中で「おかしい」と立ち向かって変えていこうという姿勢は長続きしません。仕事や育児、家事などタスクが多くある中では、「受け入れていかに波風を立てないか」にシフトしていくのも自然な流れです。

加害者は支配を“愛”だと信じ、被害者は服従することで加害者の子ども時代の“愛の記憶”をなぞります。妻は、夫が生き延びるために身につけた“適応”を再演している状態であり、支配と服従が日常に溶け込んでいく時期と言えるでしょう。


──主人公は「確かに私も悪かった」と自分を責め、「モラハラってほどでも…」と受け入れてしまっています。モラハラの被害を受けているのに「これは大したことない」と思い込んでしまうのは、どんな心理状態のサインでしょうか?周囲や本人が“気づき”を取り戻すには、どんなサポートが有効ですか?

モラハラ…?だけど悪いのは私だし…|これはもう正常な判断ができない状態では⁉︎

白目さん:「確かに私も悪かった」「モラハラってほどでも…」という思考は心理的麻痺のサインでもありますが、ここで「間違い」と認めることは「自分はずっと間違っていた」と認めることでもあります。妻もまた、これ以上「自分が責められること」が怖くなっている段階だと言えます。

気づきを取り戻すには、共感的な第三者の関わりが重要です。たとえば周囲が「私が同じ相談をしても、あなたは“私が悪い”って言う?」と問いかけてみましょう。共感力が高い人ほど、他人にはそんなこと言えないと思います。この矛盾に気づくことが大切です。
夫は自分の感情を感じていいと教わらなかったのかもしれませんが、あなたは自分の感情を感じていいことを知っているはず。それに戻るだけでいいのです。


「共感的な第三者の関わり」が重要

妻に非があるわけでもないのに、外出禁止を言い渡して行動を制限し、罰を与えるような行為はモラハラといえます。しかし、モラハラ行為をされた側が「悪いのは私」と受け入れてしまうケースもあるのです。この状況に気づくためには、白目さんが指摘するように「共感的な第三者の関わり」が重要です。自分の味方をしてくれる家族や友人に近況を話すことで、夫婦の異変に気づかせてくれるかもしれません。

【白目みさえさんプロフィール】
臨床心理士・公認心理師。心理カウンセラーとして精神科に勤務。漫画家としても活動。近著「子育てしたら白目になりました」が好評。

文=しゅま
保育士とのダブルワークをしながら2人育児に奮闘するママライター。「無理せずラクに」をモットーに、暮らしを豊かにするアイデアを取り入れながら生活を楽しんでいます。家事・育児・仕事に追われるママの視点で、便利なライフハックを発信します!

この記事に共感したら

Information

本ページはアフェリエイトプログラムによる収益を得ています

おすすめ読みもの(PR)

プレゼント応募

新規会員登録する

読みものランキング

読みものランキングをもっと見る

レシピランキング

レシピランキングをもっと見る

レタスクラブ最新号

レタスクラブ最新号詳細