ママ友に会いたい一心で子どもの習い事を誘導する母親。「同じ熱量なら親友、一方的なら執着」の境界線【著者に聞く】



幼馴染のけんとくんと同じ幼稚園に通う、一人娘のみお。ママ同士の付き合いも長く、みおママ(美奈)にとってけんとママ(むつみちゃん)はかけがえのない親友のような存在です。
しかし成長に伴い、みおがけんとくんと遊ぶことが減り、けんとママともあまり会えない日が続きます。





そのためけんとくんがサッカーを始めたことも知らなかったみおママ。以前のように、なんでも知っている仲ではなくなってきたことに寂しさを感じます。


少しでも同じ時間を過ごそうと、けんとくんと同じ習い事を娘に勧めるものの、うまくいきません。みおママが、そこまでしてけんとママに執着するのには、理由があったのでした。




出会いは子どもたちがまだ赤ちゃんだった頃。初めて訪れた子育て支援センターで声をかけてくれたのが、けんとママでした。2組の親子は一番仲がいいママ友として、長い時間を過ごします。
そしてある日…





夜中にみおの熱が下がらず、一人で不安と戦っていたときに駆けつけてくれたのが、けんとママでした。以来、みおママにとってけんとママは、特別な存在となったのです。
他の人には見せない弱い自分や自宅をけんとママに見せたみおママ。特別だという思いが、けんとママへの執着に繋がったのでしょう。著者のあさのさんに2人の関係について話を伺いました。
友情か執着か。独占欲が引き起こすママ友への行き過ぎた感情

── けんとママに頻繁に会いたいがために、娘にサッカーを勧めたみおママ。実際、このように自分の要望を子どもに押し付けてしまう母親はいると思いますか?
あさのさん:いると思います。むしろ要望を押し付けたことのない親の方が少ないのでは、と思っています。私も自分の都合で、子どもに「あれ習ったら、これ習ったら」と言っていました。子どもが小さなうちから通わせてそのまま続けてくれれば…と思って。でも2回断られたら諦めます。

── 育児で追い込まれた環境でけんとママに救われたことが、「執着」や「独占欲」に繋がってしまったのはなぜだと思いますか?
あさのさん:みおママは昔、親友に疎遠にされたことで自分から人間関係を深めるのが怖くなっていました。そこにけんとママから優しくされて、この人なら私を受け止めてくれると過剰に甘えてしまったんです。けんとママに幻想を持っていたのでしょう。たまたまその頃けんとママも他に仲のいいママがおらず、みお親子と2組でばかり遊ぶようになって…。こういう環境を通して、みおママの独占欲が育っていったのだと思います。


── 一方で、育児で孤独を感じていたみおママにとって、けんとママの存在が救いであり「親友」のような存在であったこともわかります。あさのさんは「執着」と「親友」の違いはどこにあると思いますか?
あさのさん:うーん、難しいです。ある程度相手に執着しないと人間関係は持続しないと思っています。執着が双方同じ熱量だと「親友」で、一方的だと「執着」と呼ぶのではないでしょうか…。
* * *
育児で孤独を感じているときに、そばにいてくれた同じ境遇の友だちに特別な親しみを感じるのは自然なことです。しかしお互いの思いがずれていると…。ママ友に限らず、人付き合いの距離感を考えさせられます。
文=K.Kunitake
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