「日本酒が1種類もないこともざら」人気漫画『ワカコ酒』著者が旅先で驚愕した焼酎文化と絶品アテ【著者に聞く】

「〇〇を食べに行く!」「〇〇で食べたアレ、おいしかったな~」など、旅の目的や思い出にもなる御当地グルメ。お酒好きなら、地元のお酒やアテも楽しみのひとつです。女性ひとり飲みを描いた人気漫画『ワカコ酒』でおなじみの漫画家・新久千映さんが楽しんだのは、その土地に住む友人と飲むこと以外は何も決めない気ままな旅。日本各地で気の向くままに朝から晩まで飲んで食べて、土地の味を堪能します。
旅の様子を描いた新作『女ひとり 日本をゆっくり飲んでみたよ』の紹介と著者インタビューをお届けします。
※掲載内容は作者がすべて旅をした際に体験した情報によるものです。現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。
『女ひとり 日本をゆっくり飲んでみたよ』あらすじ

今回の新久さんの旅は、日本各地の友人や知人を訪ねて飲み歩くこと。それ以外は決めない気ままな旅です。

鹿児島に到着すると、さっそくふらりと一人昼飲みへ。


夜は友人と合流して焼酎文化や「甘辛さ」を体感し、「とんこつ」「ごて焼き」など、鹿児島ならではのアテも堪能します。
姫路でも…


昼から4軒をはしご酒しながら、「太市のたけのこ煮」「姫路おでん」など、地元のお酒やアテを存分に楽しみます。
愛媛では…

「鯛しゃぶ」で1杯!

立ち寄った角打ちでは「雷漬」をアテに、ひとり冷酒を楽しむのでした。
このように日本各地を飲み歩いた新久さんにお話を伺いました。
――「飲むこと以外は何も決めない気ままな旅」をやってみていかがでしたか。

新久さん:もともと旅行に行っても(その土地のおいしいものとお酒が味わえれば)「絶対にこことここに行きたい!」というタイプではないので、このゆるさがとても性に合っているとあらためて感じました。一日中お酒を飲むことになるので、はじめから飲み過ぎないようにペース配分にはとても気をつけましたが、休んだり歩いたり水を飲んだりするのを挟むことで、けっこう飲めるもんだなあと気づきました。
「期待をはるかに上回る徹底ぶり!」焼酎文化を目の当たりにした鹿児島の旅

学生時代の友人を訪ねて鹿児島市の天文館へ行った新久さん。「焼酎が基本」という独特の酒文化を体感します。店のお品書きには焼酎の銘柄だけがずらりと並び、スーパーやコンビニの酒売り場も焼酎だらけ。鹿児島飲みの印象を伺いました。
――鹿児島の焼酎文化について感じたことを教えてください。

新久さん:焼酎がよく飲まれているということは知っていましたが、まさかここまで焼酎ばかりだとは思っておらず、驚きました。そして芋焼酎または黒糖焼酎の種類の多さにも。焼酎の選択肢はいくらでもあるのに日本酒は一種類もないこともざらで、期待をはるかに上回る徹底した焼酎文化でした。
――鹿児島の旅でもっとも印象に残った御当地メニューはなんでしょうか。

新久さん:豚肉も鶏肉も牛肉もおいしいし、かつおやきびなごなどの魚介も捨てがたいです。(作中で紹介した)「とんこつ」は骨付きの豚肉を味噌味でやわらか~く煮込んだもので、とろとろの食感も大好きですし、何より「甘辛い」といわれる濃い味付けが芋焼酎の香りにぴったりです。この組み合わせは、なんというか「鹿児島を味わっている…!」という気分になります。
日本酒との相性がよすぎ!「鯛しゃぶ」を堪能した愛媛の旅

広島県出身・在住の新久さんにとっては、ご近所ともいえる愛媛県。お姉さんの友人を頼りに広島からフェリーで訪れます。お姉さんたちとは早々に別行動をとり、愛媛でも1人飲みをキメる新久さん。どんな出合いがあったのでしょうか。
――愛媛の旅でもっとも印象に残った御当地メニューはなんでしょうか。
新久さん:愛媛の名産といえば「みかんと鯛」のイメージが強く、鯛は絶対に食べたいと思っていました。「鯛しゃぶ」は温めた出汁に生の鯛の切り身を浸して少しだけ火を通し、お刺身の食感が少し残っている絶妙なタイミングでいただくお料理です。お酒との相性といいますか、むしろ日本酒がないとつらいとすら思います。「松山城」の冷酒をいただきましたが、キリリとして白身の淡泊さを壊さず、かつ鯛の深い味に寄り添ってくれました。具を食べたあとの出汁は雑炊などの締めとして味わえますが、今回はお吸い物としていただきました。
――広島県在住の新久さんにとって、愛媛県は身近な場所。お気に入りのお土産を教えてください。
新久さん:「媛の焼煎」という、サクサクホロホロとした食感と上品な甘さが特徴の、一口サイズの焼き菓子です。昔たまたま買って帰ったところ、他に味わったことのない食感のとりこになりました。
* * *
思わずごくりと喉が鳴るような、おいしそうなアテやお酒ばかりですね。飲むことを目的とした気ままな旅。いつもと違う旅の楽しみ方として、参考にしてみてはいかがでしょうか。
取材・文=K.Kunitake
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