「自分の人生の残り時間について考える」エド・はるみさんの人生哲学

40代でお笑い芸人を志し大ブレイクしたエド・はるみさん。その後、50代で慶應義塾大学大学院に入学し、現在は筑波大学大学院博士後期課程に在学中です。さらにトライアスロン完走や二科展入選など、年齢にとらわれず挑戦を続ける姿が注目を集めています。
そんなエド・はるみさんが、エッセイ集『今日がいちばん若いから 年齢を吹き飛ばす生き方』を発表しました。本書には、彼女が困難や不安に直面するたびに、自らを奮い立たせてきた心の支えとなる言葉や考え方が綴られています。
今日はそんなエッセイの中から、エド・はるみさんが考える「人生の残り時間」についてご紹介します。
人生の「最期」を意識すれば毎日が変わる
近頃、「人生百年時代」というキャッチコピーをよく見聞きします。本当に百歳まで現役で元気に過ごせれば、こんなしあわせなことはないでしょう。しかし実際は還暦を過ぎたあたりから、私はもう少し現実的に、自分の人生の残り時間について考えるようになりました。
分かりやすい例で言うと、ある時ふと、春に美しく咲き誇る桜を見て、「私はあと何回、この桜を見ることができるだろう」と考えてみました。
日本人女性の平均寿命は八十歳後半ですから、もしも私がその「平均寿命」まで生きることができるとしたら、まだ二十年以上あります。
しかし、健康寿命で考えると、元気に、しかも現役で働けるのは七十五歳くらいまでかもしれません。すると、あの桜を見ることができる回数はもっと減り、あと十五回くらいということになり、その現実の短さに驚き、改めて身が引き締まる思いがしました。
あと「十五回ほどしか(現実にはもっと少ないかもしれません)、春に桜を見ることが出来ないかもしれないのだ」ー。
それをきっかけに私は、逆に残りの「いま」という瞬間に、これまで以上に感謝と喜びを感じながら生きて行こうと、意識するようになりました。
人は、目の前のさまざまな奇跡を、つい当たり前のことだと思ってしまいがちです。
しかし例えば、もう何十年も文句一つ言わずに動き続けてくれる自分のからだ中の細胞一つ一つの健気さや、毎日ごはんが食べられるこの日本で生きている喜び、温かい布団で毎日安心して眠れるしあわせ……。そんな小さな何気ないひとつひとつが、実はどれだけの“奇跡”であるか。
そのことに気づき、日々心の中で感謝しながら過ごすことができれば、その残りの十五回という数字も、怖いものではないのかも知れません。
私はそれ以来、朝、目が覚めた時にまた呼吸をしてこの朝を迎えられた自分の命の奇跡に、「ありがとうございます」と心の中でつぶやいてから、起き上がるようになりました。

プロフィール
エド・はるみ……17歳で映画デビュー。明治大学文学部卒業後、劇団「円」の養成所を経て、約20年間女優として活動を続けるが、2005年に笑いの道に転じ、吉本興業の養成所の門を叩く。2008年に持ちネタの「グー!」で、数々の賞を受賞のほか、流行語大賞を受賞。長年の夢であった24時間マラソンランナーにも選ばれ、当時女性最長だった113kmを完走。2016年4月に慶應義塾大学大学院の修士課程に入学し2018年修了。2023年4月には筑波大学大学院の博士課程に合格して入学し在学中。現在、難関の博士号取得を目指し研究を続けている。
※本記事はエド・はるみ著の書籍『今日がいちばん若いから 年齢を吹き飛ばす生き方』から一部抜粋・編集しました。
著=エド・はるみ/『今日がいちばん若いから 年齢を吹き飛ばす生き方』
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