オシッコはいったいなぜ黄色いのか 眠れないほど面白い地球の雑学(79)【連載】

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オシッコはいったいなぜ黄色いのか


我々が口にする食べ物や飲み物はさまざまな色をしているのに、体から出てくるオシッコは黄色い。あの色の正体は、そもそも何なのだろうか。

オシッコをつくっているのは腎臓である。腎臓は体内で不要になったものをオシッコとして排泄させ、体液の量と成分を一定に保っている。腎臓で最初につくられる原尿は1日160リットルにもなるが、大部分が尿細管で再吸収され、血液に戻されて再利用される。そのため、オシッコとして出るのは1.5リットルほどだ。

オシッコの、あの黄色い色はウロクロームという色素である。

古くなって脾臓(ひぞう)で壊された赤血球の色素は、黄色いビリルビンという色素に変わり、大部分は腸でウンチとなるが、一部は肝臓を経て腸内細菌の作用で黄色いウロビリノーゲンとなる。さらに、再吸収されて腎臓にたどりつき、尿に排出されるときにウロクロームに変化するという過程をたどる。オシッコの黄色は、長い道のりを経てきた色なのだ。

激しいスポーツをしたあとや疲れているときにオシッコの黄色が濃くなるのは、体が脱水気味のサイン。腎臓が尿の水分量を調節するので、ウロクロームも濃縮されて濃い色になる。こんなときはしっかりと水分をとるようにしよう。

もっとも、寝起きのオシッコの色が濃いのは、睡眠中のホルモンの働きで尿量が減っているからで、これは正常な色である。また、ミカンや緑茶をたくさん食べたり飲んだりすると、その成分によってオシッコが黄色くなり、ビタミンB群を含んだサプリメントを飲んだあとなども、同じ理由で黄色くなる。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。


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