暗いところで本を読むと本当に目が悪くなるのか 眠れないほど面白い地球の雑学(103)【連載】

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暗いところで本を読むと本当に目が悪くなるのか


苦労して勉学に励んだその成果のことを「蛍雪(けいせつ)の功(こう)」という。その起源は、家が貧しくて照明用の油を買えなかったことから、夏には蛍の光で、冬には雪に反射する光で勉強し、ついには出世したという中国の故事にちなんでいる。しかし、そのように暗いところで本を読んだり、勉強したりして、昔の人は目が悪くならなかったのだろうか。

じつは、暗いところで本を読むと目が悪くなるということに医学的な根拠はない。現在では、近視の進行に影響しているのは、親から受け継いだ遺伝的な因子のほかに、長時間、連続して近くを見ることなどで生じる、環境的な因子であることが判明している。

ただし、暗いところでどんなにパソコン作業や読書をしても、まったく視力が低下しないわけではない。暗いところでは、かなり近い距離からパソコン画面や本を見ることになるため、そのことが目を悪くする原因になり得るのだ。

また、人の目は、近いものを見るときと遠いものを見るときで、それぞれ異なる調整を行なっている。特に、暗い場所ではその力が余計に必要となるため、目の疲れにつながることは間違いない。まだ成長の過程にあって、近視が進行中の子どもの場合だと、余分な調整を持続的に強いられることで、近視がより進行する可能性があるため、暗いところでの読書は極力避けたい。

視力低下を防ぐためには、部屋の明るさに関係なく、長い時間、近い距離でパソコン作業や読書などを続けないこと。同じ作業時間でも、細切れで作業すると目が疲れにくいため、長時間作業する場合は、時々休憩をとってしっかり目を休めることが重要だ。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。


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