ずーっと私のことを好きでいてくれる、一途な幼なじみ男子、『君に届け』の龍/【連載】このイケメン(マンガ男子)を見よ!(8)

#趣味   

主人公の「貞子」こと爽子が爽やか男子の風早くんに初恋をするお話、『君に届け』。ですが、今回おすすめする男子は、風早くんではなく、その友だちの真田龍(あえて呼び捨て)!

野球部。故に丸刈り。無口。ちょっとぼーっとしてる。正直。無骨。そして……一途! 

龍が好きなのは、ボーイッシュな千鶴ちゃん。龍とは男兄弟みたいに育った幼なじみどうしです。高校生になっても、千鶴は龍に異性としての意識ゼロ。なぜなら彼女は、龍の兄・徹のことが好きだから! 龍もそれを知っています。でも、揺るがない。ただ、見守っている。で、徹に振られた千鶴に肩を貸して、泣かせてあげる。

でも彼は、ただのおひとよしではありません。要所要所で、ちゃんと男を見せるのです。龍に好きな子がいる、と聞いて動揺する千鶴に「千鶴が ちょっとでも俺のすきな奴を気にしてんのが ……うれしかったんだよ」からの「俺がすきなのは ずっと千鶴だよ」とどストレートな告白! 今までの兄弟みたいな関係が終わる!と泣く千鶴に「終わらせろ!」と急に命令形! で、クリスマスにピンクのバラのプリザーブドフラワーを「千鶴みたいじゃない?」とプレゼント! 無骨キャラじゃなかったっけ!?とツッコミたくなりますが、ストレートな愛情表現はむしろ素直さゆえ。照れずに、思ったことだけいうし、やるのです。千鶴もついに「生まれて初めて龍にドキドキしてんの……」と白旗宣言。もー! ドキドキするの遅いよ!! 

自分のいいところもダメなところも理解していて、ほかの男を好きでも、ずーっと自分を好きでいてくれる――。幼なじみ男子、いい! でも今からは作れないというこの事実。ああ、作っとけばよかった!!

【今回のイケメン】『君に届け』の龍

写真右の丸刈り男子が龍、左が幼なじみの千鶴。二人とも高校生とは思えぬ、達観したような横顔です。それまで男として意識していなかったのに、急にドキドキが止まらなくなる、なんていうのも幼なじみ同士ならでは。大人の女性読者は、連載当初から風早くん派(だってさわやか過ぎるんだもの)より龍派が多かったかも?

※このコラムは『レタスクラブ』2013.6.10売り号に掲載されたものです。

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門倉 紫麻 かどくら・しま(バックナンバー
1970年、神奈川県生まれ。1993年慶應義塾大学文学部卒業。Amazon.co.jpエディターを経て、2003年よりフリーライターに。2014年より読売新聞主催「SUGOI JAPAN」セレクター。2015年より文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員。
『ダ・ヴィンチ』『モーニング』などで、主にマンガに関する記事の企画・執筆、マンガ家へのインタビュー、コラム連載などを行なう。
著書に「週刊少年ジャンプ」作家の仕事術を取材した『マンガ脳の鍛えかた』(集英社、2010)、宇宙飛行士、宇宙開発関係者に取材した『We are 宇宙兄弟 宇宙を舞台に活躍する人たち』『We are 宇宙兄弟 宇宙飛行士の底力』(モーニング編集部編・講談社+α新書、ともに2012)。
またフランスにて、日本のマンガ業界用語を網羅したフランス人マンガファン向けの語学書『LE JAPONAIS DU MANGA』(Misato RAILLARDとの共著、ASSIMIL、2015)を出版。
最新情報は「漫画ライター門倉紫麻のブログ」

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