紙の「元祖」は紀元前の中国で生まれた 誰かに話したくなる地球の雑学(93)

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紙の「元祖」は紀元前の中国で生まれた
「紙(paper)」の語源として知られる「パピルス」は、紀元前3000年代から、古代エジプト文明において書写材料として使われてきた。
しかし、現代の我々が使っている「紙」とは、水中でばらばらにした植物などの繊維を、薄く平らに伸ばして乾かしたもののことをいう。そのため、カヤツリグサ科の水草の茎をそのまま並べたパピルスは、厳密には紙とはいえない。
では、紙の「元祖」はどこで誕生したのだろうか。それは、紀元前の中国である。現在、発見されている最古の「紙」は、中国甘粛(かんしゅく)省天水(てんすい)市の古墓で発掘された、地図の描かれた麻の紙だ。前漢の文帝(ぶんてい)・景帝(けいてい)《在位:紀元前180~141年》時代のものと推定されており、「放馬灘紙(ほうばたんし)」と呼ばれている。
中国の歴史書『後漢書(ごかんじょ)』によると、蔡倫(さいりん)という役人が、西暦105年に後漢の皇帝であった和帝(わてい)に「紙」を献上したと記されていることから、これまでは蔡倫が紙の発明者とされてきた。しかし、1986年に放馬灘紙が発掘されたことで、実際には紀元前に紙が誕生していたことが判明した。
ただし、蔡倫が献上した「蔡侯紙(さいこうし)」の材料は、麻布、麻のぼろ、樹皮、漁網と記されており、紙をつくるプロセスは現在の紙の製造法とほとんど変わらない。そのため最近では、蔡倫は紙の製造法を確立した功労者であったと考えられている。
その後、紙の材料や製造法は改良を重ねられ、次第に世界中へと広まっていく。ちなみに、日本に紙の製法が伝わったのは7世紀初めとされているが、地中海を経由してヨーロッパに伝わったのは12世紀頃とされている。
著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)
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