リンゴと一緒に保存するとほかの果物が追熟するのはなぜ?/誰かに話したくなる地球の雑学
ほかの果物の熟成を早めるリンゴの不思議な力
果物は熟した状態のものがおいしいが、完全に熟した状態で収穫してから店頭に並べようとすると、種類によってはすぐに傷んでしまうため、輸送が難しい。実際、販売されている果物には、未熟なうちに収穫し、人為的に熟させているものが多い。このように、収穫してから人工的に熟させることを、追熟と呼んでいる。
追熟させる果物で有名なのはバナナである。日本で店頭に並ぶバナナのほとんどは、フィリピン、台湾、南米から輸入されたものだが、熟すとやわらかくなるため輸送に適さない。また、熟したバナナには、日本に生息しない害虫がつく可能性があるため、輸入が禁止されているのだ。そこで日本に到着後、追熟ホルモンとも呼ばれる「エチレン」をかけることで人工的に熟させているが、じつは果物の中には、このエチレンを大量に発するものがある。
多くのエチレンを発することで有名な果物が、リンゴだ。たとえば、バナナと熟したリンゴを同じ箱に入れておくと、別の箱に入れておいた場合に比べ、バナナの熟成が格段に早くなる。ただし、短時間で果物を「食べ頃」にしてくれる半面、追熟=老化を進めることになるため、やり過ぎると傷んでしまうこともあるので要注意だ。
ちなみに、エチレンには果物の追熟を促進する一方で、ジャガイモなどの発芽を抑制する効果がある。特にジャガイモの芽には、天然の毒素であるソラニンが多く含まれており、食べると吐き気や下痢を起こすこともあるため、あまり芽が伸びてしまうと食べられなくなる。そこで、ジャガイモを保存する場合には、新聞紙などに包んでリンゴと一緒に箱に入れておくと、長期保存することができる。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)
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