世界で初めての嘘は優しさによるものだった?「カインとアベルなねこ」/にゃんと!ねこむかしばなし(13)
誰もが知っている物語の登場人物たち。実はみんなねこが大好きだった!?
嘘つくと鼻が長くなる男の子、最強の戦国武将、天竺を目指す一行などなど、昔懐かしい物語にねこが登場したらどうなるのか。誰もが知っている物語にねこが加わることで、新たな展開になっていく癒やし系ストーリー『ねこむかしばなし』の続編『にゃんと!ねこむかしばなし』をお送りします。
昔読んだ話を思い出しながら読んでみると、何か新しい発見があるかも…?
※本作品はぱんだにあ著の書籍『にゃんと!ねこむかしばなし』から一部抜粋・編集しました
◆カインとアベルなねこ
◆元となったむかしばなし
カインとアベル
昔、あるところにカインとアベルという兄弟がいました。カインとアベルは神様にそれぞれ農業で得た収穫物と牧畜した子羊を捧げます。
しかし、神様はアベルの子羊だけ受け取りました。そのことに嫉妬し、腹を立てたカインはその勢いでアベルを殺してしまいます。これは人類における初めての殺人でした。
後日、神様はカインにアベルの姿が見えないのでどこに行ったのか尋ねますが、カインは「知らない」と嘘をつきました。そしてこれも人類が初めてついた嘘と言われています。後にカインは追放処分を受け、遠く離れた土地で静かに過ごしたのでした。
◆ギルガメッシュ叙事詩とねこ
◆元となったむかしばなし
ギルガメッシュ叙事詩
昔、あるところにギルガメッシュという才能にあふれるものの横暴な王様がいました。
彼をなだめるため、女神様はエンキドゥという人を遣わせます。ギルガメッシュもエンキドゥもお互いのことを聞いていたので出会う前から気になっていましたが、ギルガメッシュの態度を見てエンキドゥは激怒。2人は殴り合いの大喧嘩をしました。なかなか決着はつきませんでしたが、拳を交えたことでいつしか2人には友情が生まれ、唯一無二の親友となったのです。
その後、2人は多くの功績をあげますが、エンキドゥはギルガメッシュをかばって亡くなり、そのことによって死を恐れ始めたギルガメッシュは不死を求めてさまよいますが、結局叶うことはありませんでした。
著=ぱんだにあ/『にゃんと!ねこむかしばなし』(KADOKAWA)
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