足の速さは才能じゃない!YouTube登録者数13万人超の【走りの学校】校長が教える「子どもの足が速くなる」コツ

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走り方には「ランニング」と「スプリント」の2種類がある


父親 和田さん、走り方には2種類あるというのはどういうことですか?

和田 それについてお答えする前に僕からも質問なのですが、「走る」とは英語でなんと言いますか?

父親 「ラン(run)」です。

和田 おっしゃるとおりです。日本でも「ランニング」という言葉をよく耳にしますよね。僕ら日本人にとっての「走る」は、このランニングの走り方なんです。ところがもうひとつ、走り方の種類があるんです。

僕はビーチフラッグスという競技で世界1位になるために足の速さを追求し続けていたのですが、やがて壁にぶつかりました。それまでのトレーニングをいくら続けても、足は速くならなかったんです。もっと足が速くなるにはどうすればいいか、日本では見つからなかったのですが、どうしてもあきらめきれず、視野を広げて「世界一足が速い人と自分の走りを比べたら、何か見つかるかもしれない」と考え、ボルト選手の陸上チームの練習に3カ月間、参加させていただいたんです。

父親 そのときに新しい走り方に出合ったのですか?

和田 そうです。練習初日に違和感があったんです。僕の走りと彼らの走りは、速さが違うというより動き方が根本的に違うという印象を受けました。

父親 そこまではっきりとわかるほどの違いだったのですね。

和田 はい。今思い返せば、それもそのはずで、彼らの走り方はランニングではなく、もうひとつの走り方、「スプリント(sprint)」だったんです。ラン(run)とスプリント(sprint)は動詞が違うわけですから、動作が違うのもイメージしやすいですよね? そしてボルト選手を育てたコーチが、僕の走りを見て言った言葉で、それが確信に変わったんです。

「ケンイチ、お前の走り方はマラソンランナーの走り方だ。踵から地面に着いてしまっている、つまりランニングだ。ランニングの走り方は、最高速度を求められる短距離走において、スピードを大きくロスしてしまう。ボルトたちはランニングで走っていない。スプリントで走っているんだ」

20mという短距離のスピードを競うビーチフラッグスで限界を感じていたのは、それまでの走り(ランニング)が長距離を走るには適していても、スピードに特化した走り方ではなかったからなのだと知りました。

父親 走り方ひとつで、そこまで速さが変わるのですね……。

和田 僕自身いくら努力を重ねてもまったくタイムが変わらない時期が長かったので、タイムが縮まったときの衝撃ときたら、走るということの固定観念が根本から覆されたかのようでした。

さらにもうひとつ驚いたのは、帰国してプロ野球やサッカーのJリーグの試合を見ても、足が速いと言われている人すら、みんなランニングで走っているんですよ。運動会で走っている子どもたちの姿をSNSなどでたくさん見ますけど、みんなランニングで走っているんです。ごくわずかな人以外のすべての人が、かつての僕と同じようにランニングとスプリントの違いを知る機会のないまま、大きな伸びしろを見過ごして、足の速さは才能だとあきらめていたのです。

走り方には「ランニング」と「スプリント」の2種類がある


スプリントを習得すれば足は速くなる可能性がある


父親 その人たちも、スプリントさえ習得すれば、さらに足が速くなる、と?

和田 おっしゃるとおりです。ランニングの走り方をスプリントに変えるだけで、誰でも足が速くなるんです!

父親 正直、そう簡単には信じられません。息子や、かつての私のように足の速さを求める人はごまんといるでしょう。でも、今身についている走り方がそもそも速く走るのに適していないなんて、ありえるのでしょうか。

和田 僕たち人間が先天的に身につけている走り方は、ランニングの走り方です。しかし、もっと速く走れるようになるためには、スプリントの走り方を後天的に習い、身につける必要があるんです。ランニングという走り方は歩行の速度を上げた延長線上にあるのですが、そのまま速度を上げても速いランニングになるだけで、スプリントという走り方にはならないのです。

「速いランニング」と「スプリント」は似て非なるもの


父親 ランニングの速度を上げた延長にスプリントがないとはどういうことですか? 例えば、ランニングマシーンに乗っていたとして、速度を上げていくにつれて、「歩く」から、だんだんと「ランニング」になっていきますよね? そこから走るスピードをさらに上げていけば、「スプリント」になるのではないですか?

和田 それが、ならないんです。お父さんが普段、運動するときに履かれるシューズはなんと呼ばれていますか?

父親 俗に言うランニングシューズですよね。

和田 はい。ランニングに使用されるシューズのソールは、踵の部分が分厚くて先端に行くにつれて薄くなっています。しかし、短距離をできるだけ速く走ることが求められる陸上短距離のシューズは、スパイクが着いているのは前側だけで、踵が着かない前提の形状をしています。このこともまたランニングテクニックとスプリントテクニックが異なるものであることを端的に表していると言えるでしょう。

父親 たしかに。シューズの形状がまったく異なるというのは私自身も気になっていましたが、走り方が違うのであれば納得です。

和田 走るという無意識にできる動きだからこそ、それを習うという考えに至らず、多くの人が速く走りたいと願いながら、それを才能の差だと誤解してしまっているのです。

父親 なるほど。しかし和田さん、スプリントは踵を着かずに走るということだとしたら、「踵を着かずに走る」は割とよく言われることではないでしょうか?

和田 おっしゃるとおり、多くの方がご存知でしょう。しかし、僕自身、それを頭でわかっていながらも、実践するとうまくできませんでした。いくらトライしても、自分の走っている映像を見ると、踵が地面に着いてしまっていたんです。理屈はわかるのになぜそれができないのかを不思議に思って研究し、根本的な原因を追求していったんです。そして、ランニングとスプリントの本質的な違いを発見し、それを誰にでもわかるようにしたのが『走り革命理論』です。

父親 それで息子も、私の足も速くなるんですか……?

和田 もちろんです。お父さんもお子さんも、『走り革命理論』でお伝えすることを正確に実践していただければ、足はまだまだ速くなります。今までできなかったのは、あくまで習う機会がなかっただけなんですから。

父親 最後にひとつ。スプリントテクニックを学んだところで、本当に足が速くなるのかどうか疑問です。というのも、スプリントの習得により和田さんの足が速くなったのは、和田さんにはもともと天性の運動神経があって、ボルトさんのチームでものすごい量の練習をしたからこそではないですか? つまり尋常ではない才能と努力があって初めて実現できたことで、和田さんの足が速くなったからといって、私たち親子も同じように希望を持っていいのかというと、まだそうは思えていない自分がいます。

和田 繰り返しになりますが、誰でも足は速くなります。少し話が逸れますが、自転車に乗れるようになると、その後転ばずにいつまでも乗れますよね。スプリント習得も、難易度は同じくらいです。もちろん、ランニングの走り方が唯一の走り方として刻み込まれているので、最初はうまくいかないことも出てきます。しかしそれは、自転車の練習で転ぶのと同じ。適切なトライ&エラーを繰り返していくうちに、できるようになっていきますよ。

実際に、小学生の子どもから、Jリーガーやプロ野球選手などのプロアスリートまで、本当に多くの方がスプリントテクニックを習得し、習得前より足が速くなったと実感なさっています。

父親 ……和田さん、私にも、習得できますか? 今年で40歳になりましたし、近頃はろくに運動もしていませんが……。

和田 もちろんです! 全国の同年代の方でも足が速くなった方がたくさんいらっしゃいます。そしてこのスプリントテクニックは、陸上以外の野球やサッカーといった競技にも活かすことができます。

父親 なるほど。ちなみに、どれくらいの期間練習すれば、スプリントテクニックを習得し、足が速くなれますか。

和田 習得できる時間には個人差があるのですが、スプリントテクニックを習得するための7つのSTEPを段階的に手順どおりに1カ月~3カ月間かけて実践していただければ、習得していただけると思います。もちろん、習得度合いの違いはありますが、その日からタイムが大幅に縮まる人も珍しくはありません。

スプリントを習得すれば必ず足は速くなる

「速いランニング」と「スプリント」は似て非なるもの


【まとめ】
1 スプリントテクニックを習得・実践すれば誰でも足が速くなる。
2 私たちは無意識にランニングで走っている。
3 スプリントの走り方は習う機会があって初めて、後天的に身につけられるテクニックである。

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「足の速さは才能」だと思っていましたが、確かに「早く走るテクニック」については習ったことがある、という方は少ないのではないでしょうか。
少しでも早く走れることによって大人も子どもも「自分にもできた!」という自己肯定感につながりそうですね。

【作者プロフィール】

YouTube登録者数13万人超の【走りの学校】校長

和田賢一(わだ・けんいち)
1987年、東京都出身。ビーチフラッグス世界選手権2位、全日本選手権3連覇達成。ウサイン・ボルト氏と練習を共にし、その経験を基に誰でも足が速くなる「走り革命理論」を構築。プロ野球選手やJリーガーへの指導も実施。YouTube『【走りの学校】足の速さは才能じゃない!!』は登録者数13.8万人(2022年5月現在)。

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