イヤイヤ期は万国共通!? 子どもの問題行動は健全に成長している証拠!/幼児の子育てはじめてBOOK(6)

渡辺先生の解説をチェック!

2~3歳頃は、大人が「困った」と思うことをやっても、子ども自身は何も理解できずにやっています。これは、成長とともになくなっていきます。

子どもはわざと誰かを困らせようと行動しているわけではありません。それをすると困る人がいることを、徐々に教えましょう。(渡辺先生)

しぐさから心を推測してみる

2〜3歳頃までの子どもの問題行動は、子どもに他意はなく、成長するとともに徐々にやらなくなることばかりです。さまざまなことが理解できるようになっていけば(成長とともに)なくなっていき、一生続くことでもありません。

それでも、それらの行為には、子どもの気持ちが表れています。

例えば、指しゃぶりをしている時は「退屈だな」と思っていたり、習慣でやっていたりするだけ。人見知りをするようになるのは、自分を守ってくれる人をしっかり認識できるようになり、無意識に「この人たちと離れると危険」と思って、親から離れなくなるのです。

口に入れてもいいものだけ近くに置いておく

ぬいぐるみやタオルを手放さなくなるのも、パパやママなど信頼できる人がいなくなるのが怖いから、ぬいぐるみやタオルを持って踏みとどまっているのです。

また、2歳くらいまでの子どもの機能で一番鋭い感覚が口です。そのため、手の運動と協調して、ものを口に入れてなめたりかじったりします。これは発達に必要なことです。

しかし、危険なものを口に入れようとしたら「それはダメ」と、教えましょう。タバコや薬、電池、不衛生なもの、のどに詰まりそうなものは手の届かない場所に移動し、思わぬ事故にならないよう安全な環境を心がけましょう。

「聞き分ける」ためにはたくさんの能力が必要

子どもの年齢が上がると、教えることが増える一方で、親の言う通りには行動せず、「はい」と素直に従わなくなります。そんな子どもの反応にはイライラしますよね。

しかし、子どもは決して反抗しようとか、悪意があってやったり言ったりしているわけではありません。大人の言っていることが、まだよく理解できていないのです。

「聞き分ける」ということは、「相手の言っている言葉を聞いて理解し→どうすればいいか判断して→納得する」という過程を経るため、たくさんの能力が必要。「さっき言ったのに、どうしてわからないの」とは、大人の言い分です。

大人が教えて待つことで伸び伸びと育つ

大人がしなければならないことは、「教える」ことと「待つ」こと。これをセットに、何度も同じことを教えながら、子どもの成長を待つことです。そうすることで、子どもは伸び伸びすくすくと育っていきます。

また、話せるようになると「うそ」をつくかもしれません。3歳くらいまでのうそは、空想や願望で、うそをついている意識はありません。年齢が上がると、相手を思いやって本当のことを言わない力もついてきます。子どもがうそをついても頭ごなしに叱ったり、問い詰めたりせず、子どもの言い分に耳を傾けましょう。そのうちに、うそをつかなくなることがほとんどです。

ここがPOINT! 成長を喜ぶ

イヤイヤ期は万国共通
じつは、世界中の子どもが1歳半くらいになると「イヤ!」と言うことがわかっています。親がやろうとすることに「イヤ!」と言うのは、自分でやりたいという気持ちの表れ。健全に成長しているのです。そんな時、大した手伝いでなくても「すごい!できたね! 」とほめてあげましょう。また、食事を「イヤ」と食べないなら、「いいよ。ママが全部食べちゃおう~」と食べて見せると、子どもも興味を示してきます。

【監修者プロフィール】
渡辺弥生先生
大阪生まれ。筑波大学卒業後、同大学大学院博士課程心理学研究科で学ぶ。
筑波大学、静岡大学、ハーバード大学客員研究員、カリフォルニア大学サンタバーバラ校客員研究員を経て、現在、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長。教育学博士。専門は発達心理学、発達臨床心理学。
子どもの社会性や感情力の発達を明らかにするとともに、子どもたちや先生、親の悩みを解決する支援のあり方を開発している。

著=アベナオミ、監修=渡辺弥生・八木陽子・やまがたてるえ・なーちゃん/『マンガでわかる! 幼児の子育てはじめてBOOK』

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