梅雨入りに備えて「30日間無料の読み放題」で充電しとこ！恋物語にミステリー、オススメの小説9選

もう1回、胸キュンしてみない？キュートでポップな初恋ファンタジー

『夜は短し歩けよ乙女』（森見登美彦）

恋愛において、あなたは追いたい？それとも、追われたい？「好きな人を追いかけ続けることこそが恋の醍醐味」とばかりに奔走する登場人物から目を離せない『夜は短し歩けよ乙女』（森見登美彦）は、キュートでポップな初恋ファンタジー小説。四季折々の京都を舞台に繰り広げられる男女の恋愛模様は、私たちをほんのり温かい気持ちにさせてくれます。

黒髪の乙女にひそかに想いを寄せる先輩は、京都のいたるところで彼女の姿を追い求めます。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す先輩に、彼女は天真爛漫な笑みをもって「あ！先輩、奇遇ですねえ！」と答え続けます。後半にはまるで、コロナ禍を予言したかのような場面も。2人を待ち受ける珍事件の数々、そして運命の大転回にページを進める手が止まらない！読み終えた時、思わず「恋がしたい…」とひとりごちてしまいそうな本作。

人間不信に陥った時に読みたい、温かなヒューマンストーリー

『エミリの小さな包丁』（森沢明夫）

周りの誰も信じられないような気分になった時、ぜひとも読んでほしいのが『エミリの小さな包丁』（森沢明夫）。人の限りない優しさと心の再生を描くこの温かな物語を読めば、きっと「もう一度誰かを信じてみようかな？」という気持ちになれるかも。

恋人に騙され、職業もお金も、居場所さえも失った25歳のエミリ。藁にもすがる思いで、10年以上連絡を取っていなかった祖父の家へ転がり込むことに。淡々と包丁を研ぎ、食事を仕度する祖父の姿を見ているうちに、人間不信に陥っていたエミリの心に少しずつ変化が生じていきます。おじいちゃんのおいしい料理と不器用な優しさが、エミリだけではなくあなたの胸にも沁みてくるかも。

“どんでん返しの帝王”中山七里の傑作！ 震災と社会福祉制度の闇に斬り込む社会派ミステリー

『護られなかった者たちへ』（中山七里）

「社会派ミステリー」と聞くと身構えてしまいますが、この物語は決して「他人事」ではありません。社会福祉制度に鋭く斬り込む社会派ミステリー『護られなかった者たちへ』（中山七里）。をご存じですか？佐藤健主演で映画化されたことも、記憶に新しいかも。

舞台は、東日本大震災から10年を経た宮城県仙台市。不可解な殺人事件と、その事件の数日前に出所した模範囚…。点と点だった事件は次第にひとつの線となり、生活保護制度をめぐる悲痛な現実が明らかになっていきます。
著者の中山七里といえば、“どんでん返しの帝王”の異名をもつ作家。実は、本書の結末にも驚きの仕掛けがあるんです…！コロナ禍で人々の格差がさらに拡大した今だからこそ、心に突き刺さる作品ではないでしょうか。

殺人鬼が殺人鬼をリサーチ!?予想外の結末に度肝を抜かれる叙述ミステリー

『ハサミ男』（殊能将之）

「騙された…！」と感じさせてくれたのは、タイトル通りの切れ味抜群の叙述ミステリー『ハサミ男』（殊能将之）という作品。

美少女を殺害し、鋭利に磨かれたハサミを死体の首につきたてる猟奇殺人犯、通称・ハサミ男。ある日、3人目の獲物を決めたハサミ男は、なんとその少女の死体を発見します。それも、彼女は自分の手口を真似て殺されていました。一体、誰が自分の真似をしているのか。ハサミ男は調査を始めることになり…。

犯人と刑事の視点が入り交じりながら物語が進んでいきます。しかし、そこには大きな仕掛けが隠されていて…。これ以上は言えないので、是非本書を読んでみて！予想外の真相には誰もが度肝を抜かれること間違いなしです！

売れない役者が、総理大臣の「替え玉」に!?痛快エンタメ小説

『総理にされた男』（中山七里）

『総理にされた男』（中山七里）は、首相と瓜二つの売れない役者・加納慎策がひょんなことから首相の「替え玉」を頼まれ、政界を動かしていく痛快なエンターテインメント小説です。

現実社会の問題を投影したストーリーと、その問題の裏に隠された政治や経済のからくりは、最後まで読み手を飽きさせません。そして何より心揺さぶられるのは、首相になりきった慎策が理想の政治を目指してある大英断を下し、国民をも動かしていく驚きのラストです。選挙も政治もなんとなく自分事に捉えきれない私も「国民のための政治とは何か？」と考えを巡らせてしまうほどの良作です。

こんなに切ない殺人者、見たことない。完全犯罪を目指す「高校生」の孤独

『青の炎』（貴志祐介）

「普通の生活」を送っている人だって、キッカケさえあれば変わってしまうものなのかもしれない。『青の炎』（貴志祐介）は、前途ある少年の悲劇を描き出す、あまりにも切ないミステリーです。

17歳の少年・秀一は母と妹と三人で穏やかに暮らしていました。しかし、母の元夫・曾根が家に居座るようになってから、平和だった家庭は一変してしまいます。曾根は傍若無人に振る舞い、母ばかりか妹にまで暴行を働こうとします。やがて「警察や法律では、自分の家の問題は解決できない」と悟った秀一は、自らの手で曾根を殺害する決意を固め、動き出してしまいます。読了後、しばらく放心状態になるくらい強い余韻が残った本作。是非チェックしてみてください。

極上の理系ミステリー！SFも、哲学要素も、知的好奇心を満たす作品

『すべてがFになる　THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ』（森博嗣）

『すべてがFになる　THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ）』（森博嗣）は、あなたの知的好奇心を満たしてくれるに違いない作品です。

絶海の孤島の密室殺人と、その意外なトリックの面白さはもちろんのこと、この作品はSF要素も哲学要素もクセになります。20年以上も前の作品なのに、まるで現在の世界を予言するかのような記述の数々にあっと驚かされるし、何よりも天才たちのサッパリとした会話のやり取りにも惹きこまれてしまいます。「人間とは何か？」「愛とは何か？」と考えさせられる言葉がいくつも出てきて、日々の生活から離れ、色々な考えを巡らせてしまう贅沢なひととき。是非あなたも体感してみてください。

あなたも「必ず」騙される!?大どんでん返しが鮮やかな爽快ミステリー

『カラスの親指　by rule of CROW’s thumb』（道尾秀介）

張り巡らされた伏線と、その鮮やかな回収こそ、ミステリーの醍醐味。ラストの大どんでん返しに「騙された」と驚かされてしまう、爽快なコンゲームミステリーが『カラスの親指　by rule of CROW’s thumb』（道尾秀介）です。

主人公は、2人で暮らす中年詐欺師、武沢と入川。ひょんなことから、彼らの生活に1人の少女が加わり、同居人は増えに増え、5人と1匹になります。奇妙な共同生活が始まったが、武沢の因縁の相手が彼らの生活を脅かすようになり、彼らは人生を懸けた大計画を企てます。息もつかせぬ逆転劇、そして驚愕の結末。あなたもこの詐欺師たちに騙されてしまうかも。

「稀代の悪党」松永久秀が胸に隠した信念…戦国の世の壮大な物語

『じんかん』（今村翔吾）

戦乱の世を描きながらも、これは現代にも通じる物語。世の中は単純に善悪など決められない。オススメしたいのは、今村翔吾氏による歴史小説『じんかん』です。
描かれるのは、松永久秀。仕えた主君を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くした「稀代の悪党」と知られる戦国武将です。でも、この作品を読むと、そのイメージはガラリと変わってしまいます。どんな事態に見舞われても「自分の正義を貫き通す」、そんな主人公の姿はあまりにも美しく悪党とは感じられません。まるで大河ドラマのような壮大なスペクタクル。普段歴史小説を読まない人でも楽しめるに違いない名作です。

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