子どものネット依存、ゲーム依存。「どこからが依存症?」と不安に思った時の判断基準チェックリスト/うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? (14)

子どもがどうなったら依存症なんですか!?

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『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』14話【全15話】


「動画をずっと見せていてもいいのかな?」「ゲームをやめられない…」「いつのまにか課金してる⁉」
動画やゲームなどが生まれたときから身近にあるデジタルネイティブ世代の子どもたち。生活の中でその存在が大きくなるにつれ、親にとっては頭を悩ます存在にもなっていきます。

イラストレーター・アベナオミさん一家の日常を通して、子どものデジタルメディアとの付き合い方を、ネット・ゲーム依存予防回復支援サービスMIRA-i所長の森山沙耶さんがわかりやすく解説していきます。

正しい知識を身につけよう

家にいる間のほとんどの時間動画・ゲーム


暇さえあればスマホを見たり、ゲームをしている子どもの姿を見ると「もしかして依存症なのでは…」と心配になってしまいます。依存症とはゲームや動画にとらわれてしまって、思考や行動がゲームや動画中心になってしまう、心身ともに健康ではない状態のことをいいます。
WHO(世界保健機関)が作成している国際的に統一した診断基準International StatisticalClassification of Diseases and Related HealthProblems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)は以下です。

【ゲーム依存の判断基準】

<臨床的特徴>
〇ゲームのコントロールができない
〇ほかの生活上の関心事や日常の活動よりゲームを選ぶほどゲームを優先
〇問題が起きているがゲームを続ける、または、より多くゲームをする

<重症度>
〇ゲーム行動パターンは重症で、個人、家族、社会、教育、職業やほかの重要な機能分野において著しい障害を引き起こしている

<期間>
〇上記4項目が、12か月以上続く場合に診断
〇しかし、4症状が存在し、しかも重症である場合には、それより短くとも診断可能

ゲーム依存と違いインターネット依存は正式な疾患として認められていませんが、本コラムで紹介するサインは、SNSや動画サイトなどの使い方が心配な場合、目安として確認しておくといいでしょう。

ちょっとホッとしました~


「依存」を疑う6つのサイン

うるせーな!!

「ハマる」と「依存」では大違い。イギリスの心理学者であるグリフィスが示した依存のサインによると、次のような状態が見られたら注意が必要です。

<顕著性>
〇ゲームをしていなくても、ゲームのことをいつも考えてしまう。
〇ゲームをするために食事や入浴の時間さえも惜しむようになる。

<気分修正>
〇緊張や不安が強いときにゲームのプレイや動画を見ることで和らげる。
〇むしゃくしゃした気持ちをゲームで発散する。

<耐性>
〇以前は1〜2時間で満足していたが、何時間もやらないと満足感が得られなくなる。
〇高揚感を得るために、より刺激の強いゲームをするようになる。

<離脱症状>
〇ゲームができない状況になると、イライラし、家族にも当たる。
〇ゲームを禁止されたときに、無気力になり他の活動をしなくなってしまう。

<葛藤>
〇ゲームを続けることで他の活動に支障が出てきて、家族との言い争いが増える。
〇ゲーム時間を減らした方がよいと頭ではわかっていても、減らせないことで落ち込む。

<再発>
〇一定の期間ゲーム時間を減らすことができても、ふとしたきっかけで元に戻ってしまう。
〇ゲームを完全にやめたが、少しやり始めただけで以前のやり過ぎている状態に戻る。

早期発見・早期介入を


子どものネット・ゲーム依存は短期間に急速に進行することもあります。受診して仮に依存症と診断されたときは、早期発見・早期介入の方が早く回復する傾向がありますから、心配なことがあったら早めに専門家や医療機関に相談しましょう。

ひとりで抱え込まないで

問題に発展するケースも…


子どものゲームやスマホの使用時間が気になるとき、汚い言葉や暴言をはいているのを聞いたとき、友達とトラブルになったとき。依存症の専門家に相談するほどではないけれど心配ですね。そんなときは近所の友人や会社の同僚、ママ友、パパ友たちと話をするのはとてもいい方法です。「なんで1時間しかダメなの? って言われてるんだけどなんて答えたらいいかな」と聞いてみるといろいろな答えが出てくるかもしれません。
自分が思ってもみなかったアプローチをしている人の話を聞いて「その答えもらった!」と思うこともあるでしょう。ひとりで悩みを抱え込まず、助けを求めることも解決の近道です。

相談したいときは

治療を受けることで健康を取り戻すこともできます


医療機関や各都道府県の精神保健福祉センター、児童相談所、民間のカウンセリング機関、当事者による自助グループや家族会などがあります。ただ依存症を専門に診断・治療している機関は多くなく、受診まで数ヶ月待ちなどもたくさんあります。まずは学校の先生やスクールカウンセラー、養護教諭に相談してみるのもいいでしょう。

相談先・関連団体一覧
https://mira-i.jp/contactlist/
(MIRA-i ホームページより)

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生活のすぐそばにある、デジタルメディア。家族で解決できないような問題を感じるようになってきたときは、まずは身近な人に相談してみることが大切です。

※本記事はアベナオミ著、森山沙耶監修の書籍『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』から一部抜粋・編集しました。

著=アベナオミ、監修=森山沙耶/『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』

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