【信長とねこ】出かける予定だった信長が、ねこが温めた草履を見つめると/ねこむかしばなし(8)
赤ずきんちゃん、シンデレラ、一休さん、浦島太郎。そんな数々の言わずと知れた有名な物語も、ねこが加わっただけでひと味違った方向に!?
みんなが知ってる古今東西の昔話に、ねこが登場したらどうなるの? 原作では悲劇でも、ねこが登場するだけでゆるくてキュートなお話に変貌してしまいます。登場人物たちがねこに絆される姿には、「ねこだから仕方がない」と思わず納得してしまうこと間違いなし!
作品の元となった神話や名作についても改めておさらいしながら、ねこが加わることにより新たな展開を繰り広げる物語をぜひお楽しみください。
※本記事はぱんだにあ著の書籍『ねこむかしばなし』から一部抜粋・編集しました。
◆信長とねこ
◆元となったむかしばなし
信長の草履取り
むかし木下藤吉郎という織田信長の草履取りをしていた青年がいました。
寒い冬のある日、信長出かけるために草履を持ってくるよう藤吉郎に命じました。すると草履が温かく「草履が温かいということは藤吉郎が尻にしいていたに違いない」と思い、信長は激怒しました。藤吉郎は「これだけ寒いと信長様の足元も冷えていると思い、懐に入れて温めていた」と、服を脱いで草履の跡を信長に見せます。
自分の勘違いを認めたと同時に、信長は藤吉郎の忠義心に感心し、藤吉郎を出世させました。この青年こそが後の天下人である豊臣秀吉なのです。
◆天照大神とねこ
◆元となったむかしばなし
天の岩戸
むかし天照大神という太陽を司る神様がいました。天照大神は弟のスサノオの傍若無人な振る舞いに疲れ果ててしまい、天の岩戸に身を隠してしまいます。
太陽を司る天照大神がいなくなったので世界は徐々に暗くなっていきました。このままではまずいと思ったほかの神々は天の岩戸から天照大神を出す方法を考えます。
その方法は天の岩戸の側で楽しそうに宴会をすることでした。天の岩戸越しに楽しそうな声を聞いた天照大神は急に何が起こったのか気になり、顔を覗かせます。天照大神が外に出てきたため、世界は再び明るさを取り戻しました。
そのことに喜ぶ神々を見た天照大神は再び太陽を司る神として君臨したのでした。
著=ぱんだにあ/『ねこむかしばなし』
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