上司のお子さんに「お年玉」をあげていいの?知っておきたいお年玉の作法【年末から年始のマナー】

上司のお宅に年始の挨拶にうかがい、お世話になっているお礼としてお子さんに「お年玉」を渡す。ずっとかわいがってくれた祖父母に、感謝の気持ちをこめて「お年玉」を渡す。心温まる光景に思えますが、じつはこれ、相手に対して失礼にあたる行為なんです。では、どうすればよかったのか?「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に聞いてきました。
「御年賀」や「図書料」という表書きにする
お年玉の語源は「年魂(としだま)」で、年魂は年神様にお供えしたお餅に宿ると言われています。
昔は、お供えしたお餅を最初に家長がいただき、家長を通じて家族に分け与えられたお餅が「お年玉」と呼ばれるようになったのです。
こうした由来からもわかるように、お年玉は「目上の人が目下の人に与えるもの」。
ですから、目上の人である両親や上司のお子さんに、目下の立場にある自分が「お年玉」は渡すのは、失礼にあたってしまいます。
では、両親や祖父母に渡したいときはどうすればいいかというと、表書きを「御年賀」にすればいいのです。
一方、上司のお子さんに対しては「御年賀」も避けてください。
「上司のお子さんに渡す場合は、表書きを『図書料』『文具料』などにしましょう。表書き通りに図書券などを渡してもいいのですが、本来渡したい品物に“料”を付けて表書きにすれば、現金を渡しても問題ありません」(岩下先生)
お札をあげる場合は新札を用意して、ポチ袋かご祝儀袋に入れましょう。
肖像(顔)がある表面が内側になるように折れば、袋の大きさ次第で三つ折りでも四つ折りでもかまいません。
袋の表側には、左上にお年玉をあげる子どもの名前を書いて、下側の中央にお年玉を渡す大人の姓を書きます。
裏側の左下には、入れた金額を書いておきましょう。
万が一、子どもが祖父母や上司からお年玉をもらったことを、親が知らずに帰宅してしまった場合。
すぐ相手に連絡をして、親も子どももきちんとお礼を伝えれば大丈夫です。
その際、子どもには、何かをいただいたら親に報告するよう言い聞かせ、しつけの機会にすることも大切ですね。
***
お子さんにとって、お正月という少し改まった場でお年玉をいただくことは、礼儀を身につけるいい機会でもあります。片手ではなく両手で受け取ること、目を見てお礼を言うことなど、幼いお子さんであっても最低限のマナーは教えておくといいですね。

教えてくれたのは…
▶岩下宣子先生
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。
文=高梨奈々 イラスト=きたがわなつみ
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