乳がん経験者が実体験から描いた「抗がん剤の副作用対策」のイラストに1.9万いいね!【インタビューあり】

「抗がん剤の副作用対策をSNSで経験者のみんなに聞きまくってまとめたのがこちらのイラストです!」と、イラストレーターのななぽよさん(@nanapoyodiary)が描いたイラストがX(旧Twitter)で昨年話題を呼びました。
ななぽよさんは33歳の時にステージ3の乳がんと診断されました。がんの3大療法(標準治療)である、抗がん剤、外科手術、放射線治療をすべて経験し、寛解に至るまでを丁寧に描いた実録闘病コミックエッセイ『33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記』を今年2月に発表しています。

この作品の中でも描かれていますが、ななぽよさんは女性がん患者専用のSNSで副作用対策について経験者からアドバイスをもらい、様々な対策を試みたそうです。

この「抗がん剤の副作用対策」のイラストは1.9万いいねを集めました。目には保冷アイマスク、口を冷やすアイスや氷も準備しています。足には五本指靴下と着圧ソックス、さらに保冷剤を入れて足を冷やしています。手には手術用の圧迫手袋を二重で付けています。ハンドクリームがあればスムーズにつけられるとのこと。また抗がん剤の排出のためにお茶や水の飲み物、軽食もサイドテーブルに用意してあります。
なお、書籍の監修を担当された尹玲花先生(乳腺専門医)は、この対策について「副作用の軽減効果は個人差があります。過度な冷却などにより凍傷になる危険もあるため、医療者と相談のうえ行いましょう」と書き添えておられます。ご自身の治療の参考にする場合は、担当医と相談の上使用してください。
この抗がん剤対策について、ななぽよさんに詳しくお話をお伺いしました。
話題になったななぽよ流「抗がん剤スタイル」
──こちらの「抗がん剤スタイル」はこれから治療を受けられる方にも参考になる情報かと思いました。イラスト内に登場するそれぞれのアイテムについて、どんな理由で必要なのか、具体的には何がオススメなのか教えていただけますか?
ななぽよさん:
保冷剤は脱毛、手足の痺れ、爪の剥がれの防止が目的です。冷やすことにより、抗がん剤が行き渡らないようにするためですが、治療に影響はないそうです。まつ毛、眉用にはアイスノンを使いました。他はケーキに付いてくるような保冷剤を持って行っていました。
手足の圧迫用グッズは、こちらも圧迫によって抗がん剤が行き渡らないようにするためです。手足の痺れ、爪の剥がれ防止ですね。足はメディキュットと5本指ソックス、手は医療用の圧迫手袋を二重に嵌めていました。
飲み物や軽食については、トイレで抗がん剤を早めに排出するためです。ジュースなどは大量に飲めないので、利尿作用のあるお茶がおすすめです。カフェインが気になる方はお水でもOKです。
――参考になります。これらの他におすすめのグッズはなにかありますか?
ななぽよさん:
それ以外には本や音楽を持ち込むこともおすすめです。好きな本を読んだり、イヤホンで好きな音楽やラジオを聴けば辛い抗がん剤治療もリラックスタイムになります。気分が滅入らないように笑えるものがおすすめです。私は福山雅治さんのラジオを聴いていました(笑)

――抗がん剤治療は副作用が大変だと聞きますが、ななぽよさんの場合はいかがでしたか? 大変だったことや、対策していたこと、心がけていたことなどがあれば教えて下さい。
ななぽよさん:
私の治療に使われた「ドセタキセル」は筋肉や神経の痛みが強く出て、途中で息苦しさも出て最後の回は中止になってしまいました…。AC療法(編集部注:アドリアマイシンとシクロホスファミドによる治療)の副作用は吐き気がメインで、回を重ねるごとにじわじわ重くなりました。出た副作用は全部メモして、主治医に伝えることで吐き気止めや下剤の調節をしてくれたので、細かく記録をつけるのはおすすめです。
このイラストの対策をしたおかげかはわかりませんが、痺れや爪の剥がれなどもなく、1週間くらい経つとレジャーにも行けるほど元気でした。ただ、感染症にかかると抗がん剤が延期になってしまうので手洗いうがいをこまめにするなど気をつけていました。

――抗がん剤治療で髪の毛がほとんど抜けてしまったそうですが、どのように受け止められていましたか?
ななぽよさん:
全部抜けるんだろうと思っていましたが、実際に抜け始めた時は恐怖でした。娘に髪の毛を引っ張られたらゴソッと抜けて…。事前に美容院でベリーショートにして準備はしてたんですが、毎日毎日抜けて地肌が見えた時はやっぱり相当ショックでしたね。

――また抗がん剤治療にあたって、ウィッグをいくつか用意されたそうですね。金髪ショートのウィッグをメインで使われていたそうですが、初めてこれをつけた時はいかがでしたか?
ななぽよさん:
金髪ウィッグはついでに買ってみたのですが友達と試着大会をしたら一番似合うと言われてびっくり! 自分では中々できない色で、行く先々でおしゃれと褒められるので嬉しくてメインで使っていました。またあの色にしたいですが、地毛だと難しいです(笑)
* * *
SNSで先人の知恵に学んだり、ラジオで気を紛らわしたり、ウィッグでおしゃれをしてみたり…。さまざまな工夫をこらして大変な病気の治療を乗り切ったななぽよさん。もし自分が同じような状況になったときは、そのポジティブな姿勢を見習って治療に挑みたいと思います!
※こちらの記事で紹介した治療方針は著者の場合のものです。ご自身が治療を受ける場合の方針については、必ず診察を受けた上でご担当の医師にご相談ください。
取材・文=レタスユキ
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