【トクするお金の知識】貯金以外でお金を貯める、賢い方法とは？

物価高、住宅ローン、医療費、年金、親の相続…、わたしたちの暮らしと切り離せないお金の悩み。損をせず、少しでもおトクに乗り切りたいものです。
でもお金の制度って、複雑すぎて「ぜんっぜんわからん！」と嘆いていませんか。おトクな制度や支援があっても、何がどうおトクで、何が自分に関係するかすらわからない…。

そんな悩めるわたしたちのために、知っているだけでトクする、暮らしに直結したお金の知識をファイナンシャルプランナーの塚越先生が解説してくれました！

※本記事は塚越菜々子著の書籍『ファイナンシャルプランナーのお金の知識「暮らしでトクする部分だけ」まとめました』から一部抜粋・編集しました。

貯金以外にお金を貯める方法は？

「保険」でお金を貯める

お金を貯めるための一般的な方法は貯金ですが、それ以外にも、保険を使う方法もあります。

保険は本来、万が一の死亡保障のためのものですが、中には保障と貯蓄をかねて使えるものも。代表的なものが、学資保険や個人年金保険、終身保険などです。主に「貯蓄型保険」とも言われ、保険の中に貯まっていくお金が少しずつ増え、保険を解約するとその部分が解約返戻金として払い戻されます。

ただし、払った保険料がすべて貯まるのではなく、万が一の保障に使う分や保険会社の手数料は差し引かれます。解約のタイミングによっては払い込んだ保険料より解約返戻金が少なくなることも。

貯蓄として使う場合は、契約から何年目に払った保険料の総額が返戻金として受け取れるかを確認しましょう。学資保険など、子どもの進学のタイミングに合わせたいときは、受け取りを希望する時期に元本割れしていないか、加入前の確認が大切です。

＜代表的な貯蓄タイプの保険＞
学資保険
（例）18歳まで払込18歳満期

□満期を設定し、学資金を受け取る。中学・高校の入学年に一部を受け取るタイプのものも。
□15歳まで払込→18歳で満期金を受け取るなど、据え置きで返戻金を多くする契約もあり。
□契約中に契約者が死亡すると、保険料の払込は免除。満期金は予定通り受け取れる。

終身保険
（例）低解約返戻型60歳払込満了

□死亡保障は一生涯。老後に解約して生活費や葬式代に充てたり、相続対策にできる。
□低解約返戻型は、払込期間中の解約返戻金が抑えられる（払込満了後から払込総額を上回る）。
□同じ死亡保険金を受け取りたい場合、掛け捨てより保険料が高い。

自分で運用する「変額保険」も

貯蓄タイプの保険は、保険会社が保険料の一部を債券などで運用することで、解約返戻金が少しずつ増えます。どのくらい増えるかは基本的に加入時に決まるため、低金利のときに契約した保険はあまり増えません。最近は、保険の中に貯まるお金を自分で運用する「変額保険」も広がっています。

変額保険は、払い込んだ保険料の一部を「特別勘定」として分け、株や債券、投資信託で運用。その運用成果によって満期の保険金や解約返戻金が変わる保険です。ここ最近は終身保険の利率が低いこともあり、加入する人が増えています。

運用の指示は保険契約者の責任で行うため、必ず増えるとは限りません。成果やタイミングによっては保険料を下回ることも。ただし、万が一の保険金は、運用成果によらず保障されています。NISAのように、払ったお金すべてが運用に回るわけではありませんが、賢く利用するのも一つの手でしょう。

個人年金保険
（例）確定年金

□老後の備えとして保険料を払い、年金原資となる金額を契約した年数で受け取る。
□払込終了から受取開始までに据え置き期間があると、受取額が少し多くなる。
□定年から公的年金の受取開始の間の「つなぎ資金」として使うことも可能。

変額保険
（例）変額有期保険

□支払った保険料の一部を株式などで運用し、成果によって満期保険金が増減する。
□万が一の保険金は最低保証があり、契約した保険金額を下回ることはない。
□あくまで保険のため、支払った保険料すべてが運用できるわけではない。

☆Check!☆貯金ではなく「保険」で増やす理由を整理しよう

＜著者＞ファイナンシャルプランナー・塚越菜々子
保険や金融商品を取り扱わない独立系ファイナンシャルプランナー。「お金の悩みから解放され、自分の人生を思い通りに生きるサポートを」をモットーに、これまでに2800人以上の家計改善や資産運用を支援。SNS発信にも力を入れ、「FPナナコ」名義で活動。YouTube登録者数は10万人を超える。

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著＝塚越菜々子／『ファイナンシャルプランナーのお金の知識「暮らしでトクする部分だけ」まとめました』