【トクするお金の知識】住宅ローンほったらかしてない？負担を減らす２つの技

物価高、住宅ローン、医療費、年金、親の相続…、わたしたちの暮らしと切り離せないお金の悩み。損をせず、少しでもおトクに乗り切りたいものです。
でもお金の制度って、複雑すぎて「ぜんっぜんわからん！」と嘆いていませんか。おトクな制度や支援があっても、何がどうおトクで、何が自分に関係するかすらわからない…。

そんな悩めるわたしたちのために、知っているだけでトクする、暮らしに直結したお金の知識をファイナンシャルプランナーの塚越先生が解説してくれました！

※本記事は塚越菜々子著の書籍『ファイナンシャルプランナーのお金の知識「暮らしでトクする部分だけ」まとめました』から一部抜粋・編集しました。

住宅ローンの繰上げ返済・借り換えって何？

繰上げ返済は早いほど効果あり

毎月の返済とは別に、まとまった資金を返済に充てることを「繰上げ返済」と言います。

たとえば、4000万円を固定金利1.8％で借りて35年返済だった場合、返済開始から5年後に300万円まとめて返済するような方法です。この場合、返済期間を短縮する「期間短縮型」を選択すると毎月のローン返済額は変わりませんが、最終的な返済期間が約3年短くなります。「返済額軽減型」を選択した場合、当初の予定通りの返済期間のままですが、毎月の返済額が約1万円軽減されます。

先ほどの例で期間短縮型を選択した場合、最終的な利息の軽減額は約200万円であるのに対し、返済額軽減型は約88万円。その差は2倍以上です。

住宅ローンを返済しながら教育資金、老後資金の貯蓄ができ、余裕資金があるときは期間短縮型の繰上げ返済がおすすめ。着手する時期が早ければ早いほど、利息の軽減効果を実感できます。


＜繰上げ返済のしくみ（元利均等返済の場合）＞
◆返済期間短縮型◆

【こんな人におすすめ】
・退職までに完済したい人
・ 利息の軽減効果をより実感したい人
・ 毎月の返済額が変わらなくても問題ない人

◆返済額軽減型◆

【こんな人におすすめ】
・ 教育費など支出のピークに備えて毎月の住宅ローンの負担を減らしたい人

☆Check!☆
一般社団法人全国銀行協会の「ローン借り換えシミュレーション」などを活用すれば、現在のローンを借り換えた場合に生じる、今後の返済額の差額を試算できるのでおすすめです。

住宅ローンの借り換えとは？

住宅ローンの借り換えとは、別の銀行で新たなローンを組み直し、借りたお金で返済中のローンを完済すること。現在の住宅ローンよりも低い金利のローンに借り換えることで支払う利息の額が減り、毎月の返済額を抑えられます。住宅ローンの借り換えの目安は、残高が1000万円以上あり、借りた当時と比べ市場の金利が1％以上下がっていること。残高が少ないと、利息の軽減効果は少なくなります。

借り換えには、事務手数料や登録免許税などの諸費用がかかります。ローン残高などの条件にもよりますが、一般的に、100万円程度はかかるでしょう。諸費用も含めて借り換えの効果を判断することが大切です。他の金融機関に借り換える前に、今の銀行に金利の交渉をしてみるのもよいでしょう。

離婚も借り換えのタイミングの一つ。離婚して住宅の名義変更が必要になると、そのままでは名義変更ができないことも少なくありません。離婚後のトラブルを防ぐためにも、借り換えと同時に名義変更するのが有効な選択肢の一つといえます。

＜住宅ローンの借り換えのイメージ＞

【借り換えのメリット】
・支払う利息が抑えられる
・毎月の返済額が少なくなる
・ 団信の保障内容を充実させることができる
【借り換えのデメリット】
・諸費用がかかる
・手続きの手間がかかる

＜住宅ローンの借り換えにかかる諸費用の例（費用の目安）＞
・事務手数料：5万～ 10万円
・保証料：約60万円（3000万円・返済期間30年の場合）※事務手数料に含まれている場合もあり
・抵当権設定登録免許税：融資額×0.4%
・司法書士報酬：5万～ 10万円
・印紙税：1000万円超5000万円以下：2万円　5000万円超1億円以下：6万円
・全額繰上返済手数料：約3万円
・その他：抵当権抹消登記の登録免許税（1000円）など

☆Check!☆　繰上げ返済と借り換えで変化の波を乗りきろう

＜著者＞ファイナンシャルプランナー・塚越菜々子
保険や金融商品を取り扱わない独立系ファイナンシャルプランナー。「お金の悩みから解放され、自分の人生を思い通りに生きるサポートを」をモットーに、これまでに2800人以上の家計改善や資産運用を支援。SNS発信にも力を入れ、「FPナナコ」名義で活動。YouTube登録者数は10万人を超える。

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著＝塚越菜々子／『ファイナンシャルプランナーのお金の知識「暮らしでトクする部分だけ」まとめました』