【トクするお金の知識】「贈与税」を節約するヒント
物価高、住宅ローン、医療費、年金、親の相続…、わたしたちの暮らしと切り離せないお金の悩み。損をせず、少しでもおトクに乗り切りたいものです。
でもお金の制度って、複雑すぎて「ぜんっぜんわからん!」と嘆いていませんか。おトクな制度や支援があっても、何がどうおトクで、何が自分に関係するかすらわからない…。
そんな悩めるわたしたちのために、知っているだけでトクする、暮らしに直結したお金の知識をファイナンシャルプランナーの塚越先生が解説してくれました!
※本記事は塚越菜々子著の書籍『ファイナンシャルプランナーのお金の知識「暮らしでトクする部分だけ」まとめました』から一部抜粋・編集しました。
贈与には必ず税金がかかるの?
目的に応じた特別非課税枠がある
年間110万円の控除(暦年贈与)とは別に、一定の目的での贈与には、贈与税がかかりにくい特例が設けられています。
たとえば、20年以上連れ添った夫婦の一方が、その後も住み続ける配偶者に住宅などを贈与する場合、年間の110万円とは別に、最高2000万円までは非課税になる制度があります。
ほかにも、18歳以上の子や孫に住宅を取得するための資金を贈与した場合は、受け取る側の所得や住宅の床面積など、一定の要件を満たせば、500万~1000万円が非課税になります。
同様に、30歳未満の子や孫に教育資金を贈与する場合にも一定の非課税制度が設けられています。現金で渡すのではなく、金融機関の教育資金贈与専用の口座に預け入れ、使い終わる前に渡した側が死亡した場合、その残高は相続財産として加算されます。
<贈与税の特例>
◆贈与税の配偶者控除◆

通称「おしどり夫婦贈与」。婚姻期間が20年以上の夫婦間で、その後も住み続けることを条件に、住宅や住宅取得のための資金贈与が行われた場合、1年間の基礎控除110万円+最高2000万円まで控除できる制度。贈与税が0でも税務署へ申告書の提出が必須。同じ配偶者との間では、一生に1回だけ使える。
◆住宅資金贈与の非課税制度◆※2026年(令和8年)12月31日まで

18歳以上の人が父母や祖父母などから、住宅を取得するための資金の贈与を受けた場合、一定金額までは非課税になる(省エネ等住宅は1000万円、それ以外の住宅は500万円など)。床面積と受け取る側の所得などの制限がある。贈与税の申告をするときに、この特例を利用する旨を申し出る。
◆教育資金贈与の非課税制度◆※2026年(令和8年)3月31日まで

30歳未満の人が教育に充てる資金を父母や祖父母等から贈与された場合、一定額が非課税となる。資金は受け取る側の名義の金融機関の専用口座に預け入れ、税務署への届け出が必要。一人につき上限1500万円。そのうち学校以外への支払いは500万円が上限。保育料や塾代、留学代などにも使える。
贈与税を「後で」精算する制度も
生前贈与を促して資金を有効活用するために、通常の贈与とは別に「相続時精算課税」という特例もあります。60歳以上の父母や祖父母から、子や孫へ生前贈与するときに選択することができます。
贈与を受ける側が、贈与を行う相手ごとにこの制度を選択することができ、一度この制度を選択すると、その相手からの贈与についてはもとの暦年贈与に戻ることはできません。
合計2500万円まで非課税で贈与できる代わりに、渡した側が亡くなったときに、相続財産に加算して相続税を計算する決まりになっています。1年ごとに基礎控除110万円があり、それを超えた分を加算します。累計で2500万円を超えた額に対して、一律20%で贈与税がかかります。
うまく利用すれば贈与税を節約できる可能性がありますが、逆に相続税が増える可能性もあります。将来的なことも考えて税理士などの専門家に相談しましょう。
◆相続時精算課税制度◆

※2500万円を超えた額に20%の贈与税がかかります。
<通常の暦年課税と相続時精算課税の比較>
◆暦年課税制度◆
・渡す人……誰でも
・受け取る人……誰でも
・非課税額……年間110万円の基礎控除
・税率……10~55%
◆相続時精算課税制度◆
・渡す人……60歳以上の父母や祖父母
・受け取る人……18歳以上の孫や子
・非課税額……年間110万円の基礎控除以外で累計2500万円の特別控除(基礎控除を超えた分は相続財産に追加される)
・税率……控除額を超えた分に一律20%
☆Check!☆贈与の目的次第では税金がかかりにくくなることも
<著者>ファイナンシャルプランナー・塚越菜々子
保険や金融商品を取り扱わない独立系ファイナンシャルプランナー。「お金の悩みから解放され、自分の人生を思い通りに生きるサポートを」をモットーに、これまでに2800人以上の家計改善や資産運用を支援。SNS発信にも力を入れ、「FPナナコ」名義で活動。YouTube登録者数は10万人を超える。
*本記事の内容は、執筆時点(2024年末が主)における法令・制度・情報に基づいて作成されています。情報の正確性・有用性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。本記事の内容をもとにした行動・判断の結果について、著者および出版社は一切の責任を負いかねます。
*本記事に関するご質問・ご相談・お問い合わせには、著者・出版社ともに個別対応いたしかねますので、あらかじめご了承ください。
著=塚越菜々子/『ファイナンシャルプランナーのお金の知識「暮らしでトクする部分だけ」まとめました』
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