「人件費は0円」農家が明かす、日本の食を支える舞台裏を経塚翼さんがレポート

総フォロワー170万人の人気料理インフルエンサー・経塚翼さんが宮崎県都城市高崎町の農家・山崎さんを訪ねました。理由は、日本の農家さんを取り巻く大変な現実を皆さんにしっかりお伝えしたいという強い気持ちから。

「農家は人件費はゼロ」と語る農家の山崎さん
宮崎空港におり立った経塚さん


料理インフルエンサー経塚翼さん

経塚さんはユニークなストーリー展開でオリジナルレシピ料理をInstagramで披露しています。
それはお料理を楽しんでほしい、楽しく見てほしいという気持ちの表れ。簡単ながらめちゃくちゃおいしく作れるというレシピが評判で、レシピ本も2冊発売している、料理家さんなのです。

料理インフルエンサー・経塚翼さん


訪ねたのは宮崎県の野菜農家さん「人件費はゼロ」厳しい現実

山崎農家さんの畑を訪ねた経塚さん

経塚さんが訪れた山崎農家さんは、宮崎県都城市高崎町にあります。
商品開発を通して減農薬で丁寧に作られている野菜の味に経塚さんが惚れ込んだことから山崎農家さんと経塚さんとの縁が生まれました。

山崎さん自慢のにんじん


経塚さんが「今の時期、畑では何を作ってらっしゃるんですか」と聞くと、山崎さんは「今ここに見えるのは、豆やね。あとじゃがいも、スナップエンドウ、ネギ、にんじん、かぼちゃだね。あとは、そこの網が張ってるところはきゅうりだね。ゴマ、トマト、ピーマンや、ナスもあるね。全部できたら、50種類ぐらい作れるね」
とたくさんの野菜を作っていることを教えてくれます。

山崎さんは現在66歳。宮崎県の農家に生まれ、小学生のころから畑を手伝っていたそう。自衛隊を経て引退後は実家の畑を継いで農業に従事しています。
「なんで継いだのかって? 理由なんてないよねえ。せっかく畑があるのにさ…。あそこ、荒れちゃってるけどもともと畑だったんだよ。放っておくとあんな風になっちゃうから」
と、雑木林のようになっている場所を指差す山崎さん。
代々耕してきた畑を大切にしていることがよくわかります。

あっちも畑だったんだよとぽつり


真剣に山崎さんと話す野菜先生

経塚さんが「自分たちが毎日食べている野菜があることは当たり前じゃない。みなさんに農家さんの現状をちゃんと伝えたいんです」と話すと、
「うん、農家は人件費はゼロなんだよ。いまは全部が値上がりしてさ。肥料も野菜にかけるビニールもぜーんぶ跳ね上がっているから。人件費なんてでないんだよ。野菜も不作だしね。でも野菜の値段なんてそんなに上がんないしね…」と山崎さん。

野菜の不作、農家の必需品が軒並み高騰している状況。
経塚さんが「価格に転嫁できないのでしょうか? 近くの道の駅「星の駅たかざき」でも野菜がたくさん入ってとっても安く売っていましたよね」と聞くと…。
「道の駅では自分で任意で値段をつけられるんだけど。でもやっぱり安くみんなに食べてもらいたいって思って。自分が買う立場としたら、やっぱ安い方が嬉しいじゃん。なので、なるだけ安く。人件費は、だからゼロで。種代とか肥料代とかはちょっと考えて、野菜は100円とかで出して」
大変な状況でも「食べる人」のことを考えて人件費はゼロで農業をしているそう。値上げはできないと話します。

道の駅で山崎農家さんの野菜を見つけた経塚さん

甘くて濃い味のにんじん


たくさんの野菜を育てている山崎さん。ご家族で農業をされているのですか?と経塚さんがうかがうと
「家族っていっても1人でやってんだけど、僕1人で全部田んぼもしてるしね」と驚きの回答。

山崎さんのお母さんは90歳。
「草ぐらいこう、抜けるかもしれないけど、手伝えないし、できないでしょ。でも家にずっといてテレビなんか見ててもダメだから、毎日畑に連れてきてるんだ」
とお母さん想いの山崎さん。

山崎さんのお母さんと


山崎さんと知り合った際、経塚さんは農家さんの現実に驚いたそう。
国産野菜は不作なだけではなく肥料、燃料はもちろん、野菜を入れる袋まで何から何まで価格が1.5倍以上あがっている現状。
そして気象被害で破れてはがれ落ちてしまったテントを直す余裕がなく、破れてしまったテントの場所での栽培は諦めていらっしゃるという悲痛な叫びに「何かしなければ」と改めて強く想ったそうです。

自分にできる農家支援のカタチ

山崎農家さんもアクスタを見て「かわいい」と一言

インフルエンサーである経塚さんが自分にできることとは?そう思って行動したのは、地場の食材をたっぷり使った商品を監修し、発売すること。
さらに、最近ではInstagramで人気の「野菜先生」のアクリルスタンドを作り、その印税を農家さんの支援に充てること。

現在も発売中の野菜先生のアクリルスタンド。今回はその印税で購入した肥料を山崎さんへお渡ししたいと経塚さん。

経塚さんから肥料をお渡し

農家支援の団体があればそこへ、と探したそうなのですがなかなか見つからず、それであれば直接自分の惚れ込んだ農家さんへ、ということで今回山崎農家さんに必要なものをうかがって、肥料を用意したそう。

山崎農家さんにそのことを伝えると、
「最初は写真を撮りにくるっていう話かと思ってたんだけど…。それがこんなことになって…。正直うれしいよね。助かるよ」と山崎さん。

アクリルスタンドを見せると「へえ~いいんじゃないの。こんなのがあるんだね。かわいいね」とニコニコ。一緒にいたお母さんにも見せると「うん、うん、これかわいいね」とニコニコ。

山崎さんのお母さんと野菜、アクスタ

かわいいねと喜んでくれた山崎さんのお母さん


肥料をお渡し

経塚さんから肥料をお渡しし、野菜の収穫もお手伝いすることに。

山崎さんのお手伝いをする経塚さん

「テントのビニールも全部高いんだよ。ちょっと修復しようと思うと数万円分のビニールが必要だしね。畑を耕す機械も壊れちゃうと直すのに何十万とかかるし…」
と改めて大変な現状をお話ししてくれる山崎さん。

今回、経塚さんが持ち込んだ肥料を心から喜んでくれた山崎農家さんの様子に、経塚さんも安堵の表情を見せていました。「これからも継続して支援していきたい」と、日本の食を支える農家さんへの強い決意を新たにした経塚さん。
支援のアクリルスタンドは継続して販売し、引き続き収益の印税が農家さんへの寄付に使われます。


自慢の野菜を手に

生産者の苦労と情熱を知り、それを応援する経塚さんの温かい心、そしてその支援に感謝し、おいしい野菜を届け続ける農家さんの努力。この両者の共鳴が、日本の食の未来を明るく照らす光へ…。
経塚さんと農家さんの大切な絆が、これからも多くの人々の食卓に笑顔を届けてくれることを願いたいですね。

山崎農家さんの野菜とアクスタ

早朝フライトと農作業でお疲れの経塚さん。一生懸命お手伝いをしていました

【レタスクラブWEB編集部YYY】

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