鏡餅に刃物はNG?「切る」がダメな理由と正しい鏡開きの方法【知っておきたい年末年始】

お正月飾りの中でも、ひときわ存在感を放つ鏡餅。毎年飾ってはみるものの、「お正月が終わったあと、硬くなったお餅をどうすればいいの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。鏡餅を食べる際には昔ながらのしきたりがあります。そこで「現代礼法研究所」主宰・岩下宣子先生に、そのポイントをうかがいました。
刃物は使わず「開く」のが作法
お正月に神様へお供えした鏡餅を下ろして食べる行事を「鏡開き」と言います。
鏡餅は包丁やナイフを使わずに、手で割るか木槌で叩いて開くのが昔からの決まりです。
もともと武家から始まった行事なので、切腹を連想させてしまう刃物は避けられてきたためです。
また、新年早々「割る」という言い方をするのも縁起が悪いことから、末広がりを思わせる「開く」が用いられています。
「鏡餅は正月の間、年神様が宿る場所。鏡開きには、その餅をいただくことで年神様の力を体に取り込み、新たな一年の無病息災を願うという意味が込められています」と岩下先生。
気をつけたいのが、手や木槌で開いた際に出る細かいかけら。
うっかり捨ててしまいがちですが、それは避けましょう。
年神様の力が宿るとされる鏡餅の一部を粗末にすると、せっかくのご利益を手放してしまうことになります。
塊はお雑煮やお汁粉、かき餅にして、かけらはお味噌汁やうどんなどの汁物に入れて煮込むと無理なく食べられます。
硬い餅を手で開くのは難しい…という方は、最近増えている個包装の小餅が詰まった鏡餅型パックを利用するのもひとつの方法です。
餅が均一の大きさなので料理に使いやすいし、無理なく鏡開きを楽しめます。
ちなみに、鏡開きの日として広く知られているのは1月11日です。
鏡開きは、1月7日までの松の内が終わり、正月行事が一段落したことを示す「松明け」の行事でもあります。
ただし、地方によっては日にちが異なり、たとえば関西では1月20日(旧暦の「二十日正月」)に鏡開きをする地域もあります。
住んでいる土地の慣習に合わせて行うといいでしょう。
※ ※ ※
お正月に家族みんなでお餅を食べる時間は、子どもが自然に季節の節目や日本文化を感じられる有意義なひとときでもあります。形は少し変わっても、昔から受け継がれてきた思いを大事にしながら、みんなでおいしく味わえたら素敵ですね。

教えてくれたのは…
▶岩下宣子先生
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。
文=高梨奈々
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