要介護のお母様と暮らす、松嶋尚美さんにインタビュー「母のおかげで家族の絆が深まった」【介活のススメ】

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要介護のお母様と暮らす、松嶋尚美さんにインタビュー「母のおかげで家族の絆が深まった」【介活のススメ】

子育てや仕事をしながらお母様の介護をされている、タレントの松嶋尚美さん。その体験談は、これから親の介護に直面する私たちの参考になることばかりです。介護は「たいへん」なだけではない、と語る松嶋さんの話にぜひ耳を傾けてみてください。

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松嶋尚美さん

松嶋尚美さん
1993年にお笑いコンビ「オセロ」を結成。2013年の解散後はソロとして、バラエティー番組などで活動。2008年にミュージシャンの夫と結婚して2児の母に。長男は14歳、長女は12歳。

母との時間は学びの連続。自分の老後にも役立ちます

介護をしてくれていた妹が倒れ急きょ母と同居することに
2020年にひざを手術し、退院後は大阪の妹家族と同居していたお母様。
母の介護をしてくれていた妹がある日突然、心筋梗塞で倒れて、一時は心肺停止に。心臓は復活したものの1カ月以上も意識が戻らず、元どおりの生活に戻れる状況にはならなくて……」

そのたいへんな時期、お母様を松嶋さんのめいが見てくれていたそう。
「母とめいの関係は遠慮がなく、いい合いになることも多かったし、そもそも20代の子に母の面倒を任せるのもしんどいと夫に愚痴をこぼしたら、夫が『お母さんを東京に呼んで、一緒に暮らそう』と提案してくれました

80年間大阪で暮らしたお母様を説得し、東京で同居する計画が進みます。
「最初は1週間、次は1カ月とうちに泊まってもらい、最終的に同居の提案をしました。何となく納得してくれたところで、よし、決まりやで!と、おすし屋さんに連れていき“ウェルカム東京”と、家族で歓迎会をしました」

こうして5人暮らしが始まります。
住んでいる地域で改めてケアマネジャーさんをお願いする必要があるとか、足と心臓が悪い母には、エレベーターのないマンションは厳しいとか、最初は環境を整えるのにたいへんで

母の代理で問診票を書くとき手が止まってしまった経験も
「持病? 手術歴? 妹の意識が戻るかどうかという時期に母の問診票を書くことに。誰も正確な情報が分からなくて困りました。たまたま妹の家からメモ書きが出てきて、いろいろ判明しましたが、お母さんのこと、私は何も知らなかったなと悲しい気持ちに」

最初は家族だけで介護をしようとした松嶋さんですが、途中からデイサービスを積極的に利用するように。
「母が家にいると、友人と会ったり美容院に行くだけでも予定が組みにくく、デイサービスを利用してもらうことに。母は誰かとおしゃべりするのが好きで、『あしたも行きたい』といいだして、結果、週6回で通うことに

松嶋さんは途中からデイサービスも積極的に利用するように


家族の受け入れ方にも、松嶋さんは感謝しているといいます。
「最初の頃、息子は母と程よく距離を置いているかと思っていましたが、あるとき『次のサッカーの試合会場は、バリアフリーのトイレがあるから、ようやくおばあちゃんを呼べる』といってくれたり、娘は夕食後に母と私と3人で温かい飲み物を飲む時間を楽しみにしてくれたり。夫は積極的に携わってくれる分、たいへんな時期もあったかも。でも、うまくやってくれています。私は若いときに実家を出ているので、今になってまた母と暮らすのが新鮮。家族のやさしい姿をたくさん見ることができたのも幸せな発見。母のおかげで、家族の絆がぐっと深まりました。今後もし同居生活をつらく感じたら、お互いのために別々に暮らせるように行政のサービスに頼ることがあるかも。たくさんの介護サービスや制度があることを学べて自分の老後の備えにもなり、ありがたい経験です」

息子は母と程よく距離を置いているかと思っていたが、あるとき『次のサッカーの試合会場は、バリアフリーのトイレがあるから、ようやくおばあちゃんを呼べる』といってくれた


* * *

松嶋さんの話を聞くと、なんとなく介護に前向きになれる気がしませんか? 「たくさんの介護サービスや制度があることを学べて自分の老後の備えにもなる」。この言葉を胸に、まずは家族で親の老後の話をしてみましょう。

イラスト/髙栁浩太郎
文=高梨奈々

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