切り札は「おもしろくない」。オーストリア流 “子供をしかる”ときの三段階方式 画像(1/2) 子どもがいたずらしたときどうやって叱ると効果的?

子供のしつけや、いけないことをしたときのたしなめ方は、親にとっては気になる問題ですよね。それぞれの親が苦労して試行錯誤していますし、世代や家庭、国によっても異なります。

Twitterでは、日本ではあまり馴染みがない、オーストリアでの子供のしかり方が注目を集めています。音楽の都ウィーンでは、どのような叱り方が効果的とされるのでしょうか?

ウィーンの駅での親子

話題となったツイートは、実際のオーストリア人の親子の様子がきっかけになっています。

ウィーン中央駅で電車を待ちながら、フライドポテトを食べていた5歳児が、食べ飽きたのか地面にポテトを投げ落とし始めました。そんな時、横に立つ親は、どのように注意したのでしょうか?

オーストリア人の母親は、ドイツ語で「やめなさい」と小声でささやきますが、子供はすぐまた投げ始めます。次に親は腰をかがめ、投げてはいけない理由を言って諭します。

しかし待ち飽きた子供は、再びポテトをちぎって投げます。すると親は一言、どすの効いた低い小さい声で、“Das ist nicht lustig”(ダス・イスト・ニヒト・ルスティック。直訳「それはおもしろくないよ」)と言ったのです。

子供はハッとした顔をして、ポテトで遊ぶのをぱったりと止めました。

本人にだけ聞こえる小声で理由を言う

切り札は「おもしろくない」。オーストリア流 “子供をしかる”ときの三段階方式 画像(3/2) 【写真】まずは子どもの興奮を落ち着かせること

食べ物で遊んでしまったり、騒いで人に迷惑を掛けたり、子供ならテンションが上がり過ぎて、周りが見えないことってありますよね。

そんな時、大声でしかりつけても、子供の興奮に親の興奮をぶつけてしまうので逆効果であるばかりか、子供は恥ずかしさで素直な行動が取れなくなります。

多くのオーストリア人の親は、子供の肩を軽く抑えて行動を止めさせ、腰をかがめて、本人だけが聞こえる小声でそのいたずらをしてはいけない理由を説明します。最後に、子供に「だからやってはいけないのよ、わかった?」と聞き、子供が頷いて納得したら、押さえていた肩の力を抜き、解放してやります。

こうやって、体を軽く押さえて落ち着かせ、理由を言って聞かせ、納得したかを確認する、という三段階を経ているのですね。

切り札は「おもしろくない」

これで大抵の子供は落ち着きますが、それでもテンションが上がってしまい、いたずらを再開してしまう子供はいます。そんな時の切り札になる台詞が、前述の“Das ist nicht lustig”です。

これは特に子供が、親や周囲の注目を浴びたくて騒いでいる時や、盛り上がりがエスカレートしてしまったときに有効です。

何度かたしなめても子供が止めない時に、低く静かな声で一言「おもしろくないよ」というと、火に水をかけられたように、子供はしゅんとします。自分が面白いと思っていたことが、他人には面白くないことを理解して、状況を客観視できるようになるからでしょう。

「おもしろくない」というセリフは、「テンションを下げさせ、反省を促す」という効果がある一方で、多用すると子供の興味をそいでしまったり、親の冷徹さだけが子供の記憶に残ったりと、逆効果になる場合もあります。「いい加減にしなさい」のように、切り札として使うのがいいかもしれませんね。また、子供の性格によっても、効き目に違いはありそうです。

まとめ

この「面白くない」のせりふのポイントは、(1)声を荒げず、本人だけに聞こえるくらいの小さな声で言う、(2)何度か説得を試みた最後の切り札として使う、(3)子供の性格やによってタイミングや使い方を変えてみる、という点です。

他の国のしかり方から育児のヒントを発見することもありそうですし、意外な効果があるかもしれません。容量と用法を守って、一度試してみてはいかがでしょう。

文=ひょろ(ウィーン在住)