「旅先のスーパーマーケットは観光名所」イラストレーター・益田ミリさんに聞くお買い物の楽しみ方

日々の献立作りに追われ、義務になりがちな毎日のスーパーマーケットへのお買い物。だけど、ちょっと視点を変えると、そこはワクワクするような喜びと楽しさに満ちています。
身近な日常を独自の視点で切り取るイラストレーター・益田ミリさんが、雑誌『ダ・ヴィンチ』での7年間の連載に描き下ろしを加えた最新作を発表。新刊『スーパーマーケット宇宙』は、身近なスーパーマーケットを題材にしたコミックエッセイです。
「あるある!」と思わず共感してしまうエピソードや、「その視点はなかった!」と新たな発見のあるエピソードなど、本作には日常の場所をときめく空間に変えるヒントが詰まっています。著者の益田ミリさんに、旅先でのエピソードやスーパーのお気に入りのコーナーなど、お買い物にまつわるお話を伺っていきます。
旅先でのスーパーマーケット体験


――本作では旅先のスーパーマーケットも登場しますが、その土地ならではの日常が垣間見える点がとても印象的です。益田さんは、旅先でも積極的に現地のスーパーマーケットへ足を運ばれるのでしょうか。最近訪れた場所で、特に「これは面白い!」と感じた売り場や、思わず手に取った商品など、印象に残っているエピソードをお聞かせください。
益田ミリさん:国内外とも旅先のスーパーマーケットはわたしにとって「観光名所」です。時間があれば立ち寄っています。漫画にも出てきますが、フィンランドのスーパーマーケットではハム売り場スペースがびっくりするほど広くて、思わず歩幅で測ってしまいました。なんと15歩分ありました。わたしがここで生まれ育っていたらどのハムを買うんだろう? と想像するとき、一度きりの人生を思わずにはいられません。旅先のスーパーマーケットが楽しいのは単に珍しさだけでなく、そこで暮らす人々を理解したい気持ちもあるからだと思います。
お気に入りの売り場
――スーパーマーケットの店内で、益田さんのお気に入りのコーナーや、つい買ってしまうもの、つい見てしまうポイントがあれば教えてください。
益田ミリさん:甘党なのでチョコレートの棚はついつい長居してしまいます・笑。漫画にも出てきますが「アルフォート」や「パイの実」はよくカゴに入れています。あとは、節分、こどもの日、七夕など、店内の飾り付けで季節を感じるのも楽しみの一つです。


読者の皆様へのメッセージ
――毎日のお買い物や献立作りに、少しお疲れ気味の読者の方も多いかもしれません。本作を読み終えた方が、次にスーパーマーケットの自動ドアをくぐるときに、どんな気持ちになってもらえたら嬉しいですか。読者の皆様へメッセージをお願いいたします。
益田ミリさん:スーパーマーケットには、思い出と結びつく商品もたくさんあります。夏休みの昼によくそうめんを食べたこと、かまぼこの板で工作したことなど。今は亡き父が好きだったものを見かけると、懐かしい声までが蘇ってきます。わたし自身、宇宙をさまよう惑星のように記憶の中を漂っていることがあります。何かを懐かしんでいるとき、日々の緊張がちょっとほどけている気がするんです。お買い物中のリラックスのヒントになればとても嬉しいです。
取材=Iguchi
Information
【著者プロフィール】
益田ミリ1969年大阪生まれ。イラストレーター。主な著書に漫画「すーちゃん」シリーズ、『今日の人生』『僕の姉ちゃん』『沢村さん家のこんな毎日』『週末、森で』などがある。また、14歳の少女の日々を瑞々しく描いた青春小説『アンナの土星』、川柳集『わたし恋をしている。』や、エッセイに『美しいものを見に行くツアーひとり参加』『そう書いてあった』『言えないコトバ』『大阪人の胸のうち』など、ジャンルを超えて活躍する。2024年、『ツユクサナツコの一生』で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。
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