「お母さんを捨ててもいいんですか?」毒親との絶縁を決意した29歳娘。ついに決行した「夜逃げ」【著者に聞く】

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『夜逃げ屋日記6』より

【注・この記事には精神的虐待に関する描写が含まれます。フラッシュバック等の不安のある方は閲覧にご注意ください。】

「夜逃げ屋」とは、DVや虐待などから逃れる引っ越しを請け負う専門業者。そこで実際にスタッフとして働いている漫画家の宮野シンイチさんが、取材をもとにリアルな現場を描く人気作が『夜逃げ屋日記』です。

SNSでも大反響を呼んでいる本作の最新6巻から、今回は過干渉な母親との絶縁を決意した女性のエピソードをご紹介します。さらに、当時の母娘の印象について宮野さんへ伺いました。

▶【漫画】『夜逃げ屋日記6』を最初から読む

依頼者・三好ハルナさん(仮名)のエピソード


今回の依頼者は三好ハルナさん(仮名・29歳)。モラハラ彼氏からの夜逃げを決意しての引っ越しでした。

『夜逃げ屋日記6』より

『夜逃げ屋日記6』より

搬出の現場にはハルナさんの母親も立ち会っていたのですが、娘に聞こえるように「あんたみたいな聞き分けの悪い馬鹿が娘で恥ずかしい」「育て方を間違えた」「夜逃げなんて最低の親不孝」と心ない言葉を浴びせ続けます。


『夜逃げ屋日記6』より

搬出後、ハルナさんとスタッフはトラックで、母親はひとり新幹線で移動を開始。当初、ハルナさんの実家・山形が目的地と宮野さんは聞いていましたが、トラックが到着したのは静岡でした。実はハルナさんは、モラハラ彼氏だけでなく、実の母親とも縁を切るために今回の夜逃げを決行していたのです……。

『夜逃げ屋日記6』より

『夜逃げ屋日記6』より

ハルナさんは、かなり前から社長に夜逃げを相談していました。
「お母さんを捨ててもいいんですか?」
母親と縁を切る決断ができるまでには、実に2年以上の時間がかかっていました。それだけ時間をかけて夜逃げを決意していたにも関わらず、実行の日程を母親に伝えていたことに社長は困惑していました。

『夜逃げ屋日記6』より

「あの子なりのケジメだったのか、お別れだったのか。それは本人にしかわからん。いや、本人にもわからんかもな」と社長は語ります…。


宮野さんが忘れられないと語る依頼者の「なんともいえない空気」


この時の夜逃げについて、宮野さんに印象に残っていることを伺いました。

宮野シンイチさん:搬出の作業中、娘の悪口を言う依頼者の母親と社長がちょくちょく衝突しかけていたときは、正直ヒヤヒヤしていました。社長も最初は優しく言っていましたけど、母親の言動が「もうそろそろいい加減にしろよ?」というラインを超えてからは、かなり強めに言っていましたし。その雰囲気は依頼者さんも感じていたと思います。

移転先に搬入するときは、「母親がもういないから作業に集中できて助かるな〜」とスタッフとしてはホッとしていました。ただ依頼者さんのほうは、それとはまた違った安心感と、どこか寂しそうな感じがあって、それが印象に残っています。あのなんともいえない空気は忘れられませんね。

『夜逃げ屋日記6』より


  *   *   *

長年抱えた葛藤の末、毒親やモラハラ彼氏と決別し、新たな一歩を踏み出したハルナさん。娘の決別を知った後もその母親からは連絡がなかったと言います。「諦めたのか、自分の思い通りにならない娘に愛想を尽かしたのか、もう知るすべはない」と宮野さんはこのエピソードのラストに綴っています。決別を決めた娘とそれを知った母親の複雑な心境は、当事者たちにしかわからないものなのかもしれません。

【編集部より】

※「夜逃げ屋」本社に夜逃げの依頼以外の問い合わせや、書籍・本記事のご感想を送るのはお控えください。書籍やマンガのご感想やご意見につきましては、下記宛にお送りいただけますと幸いです。

〒102-8177 東京都千代田区富士見2-13-3
『夜逃げ屋日記』宮野シンイチ宛

取材・文=レタスユキ

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