今や人生は100年時代。お金に困らずに老後を生きるのは「3000万円程度」が必要と言われています。しかし働き盛りの世代は子育て世代でもあり、どのように老後資金を貯めればいいの……?と不安が募ります。

知っておきたい老後資金について経済評論家で株式会社マイベンチマーク代表取締役の山崎元さんと、ファイナンシャルプランナーで株式会社生活設計塾クルー取締役の深田晶恵さんに教えていただきました。

老後は3000万円必要!? そもそもなんで3000万円?

現在の年金世帯の収入が、年間約70万円不足しているといわれていて、65~100歳の35年間を老後と考えて、70万円×35年=2450万円。これに病気や介護でかかるお金を500万~1000万円と見込むと、3000万~3500万円という金額になります(深田さん)。

☆POINT☆「1年に66 万円」を目標に、とりあえず2000万円超えを目指して!

将来の退職金とこれまでの貯蓄などで1000万円あると想定して、現在から60歳までに2000万円貯めることを目標にします。30歳の場合、2000万円÷30年=約66万円。毎月3万円×12カ月+ボーナス時15万円×2回で年間66万円貯まります(深田さん)。

老後資金を増やすためには、どう暮らしていけばいいの?

キャリアアップを狙って、貯めグセをつけよう20~30 代は、結婚、出産、マイホーム購入など、ライフイベントが多いですが、収入アップのチャンスも多い時期。貯蓄はもちろん、積極的にキャリアアップを狙って。覚えておくと便利な20~30代6か条をご紹介します。

必要なのは3000万円⁉「老後資金」を貯める暮らし方 画像(1/3) キャリアアップを狙う

●1:収入を増やせるようにキャリアアップを狙う

20~30代は、自分の仕事をがんばって確立させる時期です。28歳までにコース選択をして、35歳までに自分の人材価値を高める努力をしましょう。できればキャリアアップを図り、より収入を増やす努力をする一方で、一定額を貯蓄していくことを考えましょう。貯まったお金の一部を運用することも検討するといいでしょう(山崎さん)。

●2:住宅ローンは3000万円以内にしておこう

マイホームを買うなら、多額のローンを組まないようにしましょう。低金利下では、必要以上に多く借り入れできるので要注意。借入額は多くても3000万円以下に。遅くとも65歳までに完済するように返済期間を設定しましょう。購入後は繰り上げ返済よりも預金残高の回復を優先して(深田さん)。

必要なのは3000万円⁉「老後資金」を貯める暮らし方 画像(3/3) 【画像を見る】「仕事を辞めよう」 とは考えない

●3:出産しても「仕事を辞めよう」とは考えない

老後のことを考えた場合、女性も基本的には、「働き続ける」ことが大事。正社員で働いている場合は、出産後もそのポストを手放さないようにしましょう。出産で一度仕事を中断した人も、130万円の壁(社会保険料の負担をしなくていい範囲)に関係なく働くチャンスを見つけましょう。特に子どもがいると、妻も働かないと老後のお金が足りなくなります(山崎さん)。

●4:今から貯めグセをつけておく

20~30代は、結婚、出産、住宅購入など、家計の節目となるイベントがたくさんあります。ここでお金を使い過ぎないように心がけつつ、この節目で家計をリセットしましょう。早い時期から先取り貯蓄(使う前に一定額を取り分けて貯めておく)をスタートさせて「貯めグセ」をつけることが、老後のためにも重要です(深田さん)。

●5:「絶対130万円以内で働く」と壁の内側に入り過ぎない

出産時にそれまでの仕事を辞めて、一度夫の扶養になってしまうと、なかなか130万円の収入の壁を越えにくくなりがちです。しかし、130万円の壁の内側に入り込まずに、できるだけ多く稼ぐことを考えたほうが、老後への備えにも有効でしょう。元の会社に戻れる可能性がないかどうかも考えてみましょう(深田さん)。

必要なのは3000万円⁉「老後資金」を貯める暮らし方 画像(6/3) 教育費をかけ過ぎない

●6:教育費をかけ過ぎない

人は、自分の周囲と競争してお金を使ってしまう傾向があります。すべてを人並みに支出するのが厳しい世の中になってきたため、住宅、教育、洋服など、優先順位を決めて意識的に競争を降りないと、身の丈以上に使ってしまいます。特に教育費は聖域化しがちです。自分の人生が不発だったからと子どもで取り返す発想は間違っています(山崎さん)。

イラスト=村田エリー 取材・文=生島典子 監修=山崎元、深田晶恵