娘に「男なんて信用ならない」と吐き捨てる母。夫が行方不明だけど頼れない（6）

おかしいのは誰？「家族のあり方」を揺るがす、平穏な日常に起きたある出来事。

役所勤めの家族想いで真面目な夫の誠。「普通がいちばん」が口癖のパートの妻・美咲、父親が大好きな保育園児の娘・ひまり。「地味だけど幸せ」そんな平凡な3人暮らしを送っていた星野家に影が差し始めたのは、夫の1週間にわたる失踪がきっかけでした。

いつからか家庭内でぼーっとしていることが増えた誠。会話をすればいたって普通なのに、美咲の呼びかけにもしばらく気づきません。浮気や離婚といったワードへのリアクションに不自然さを感じつつも、「心の平穏」が第一と冷静さを保ち続ける美咲。それからほどなくして、夕飯は家族揃って鍋にしようと約束した日を境に、誠がなんの連絡もないままに行方知れずになってしまいます。電話をかけてもつながらず、勤務中も気が気ではない美咲。夫の知り合いに連絡してみようと思い立ちますが…。

※本記事はやまもとりえ著の書籍『わたしは家族がわからない』から一部抜粋・編集しました。