うつ病患者同士で仲良くなれる?同じ病気だからこそトラブルも!/マンガでわかるうつ病のリアル(9)

なにかと多忙な毎日を過ごす現代人。ストレスフルな社会環境のなか、こころのバランスを崩し、不調に陥る人が増えています。重度のうつ病に5年以上苦しむも、「メンヘラマッスル作家」として奇跡の復活を遂げた錦山まるさんもその一人。
うつ病患者の夢(ろまん)とうつ病に詳しいペットのまる、夢の友人の璃杏(りあん)が織りなすエピソードと共に、錦山さんの実体験を交えながら、うつ病の実態と「うつ病に関する間違った知識」をわかりやすく紹介します。なんとなく気分が落ちている…という人や、その周りの人に知ってほしいうつ病のリアルをお届けします!
※本記事は錦山まる著の書籍『マンガでわかるうつ病のリアル』から一部抜粋・編集しました。

うつ病患者が、同じうつ病患者に追い詰められるケースが多発!

「お前はうつ病じゃなくて甘えだ」…何故あなたまでそんなことを言う?

「お前のは病気じゃなくてただの甘えだ」「そんなことでうつ病になるなんておかしい」「何でも病気のせいにして逃げるな」…。読むだけで気分が悪くなるこんな暴言をうつ病の人に向けるのが、いわゆる“うつ病に理解のない健常者”とは限りません。
残念ながら“うつ病の人が、同じうつ病に苦しむ人の敵になる”ということもあるのです。
うつ病の人が他のうつ病の人と接する機会は、精神病院の診察室や入院施設だけではありません。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、病気の再発防止や社会復帰のリハビリのために通う『OT(作業療法)』や、当事者ならではの悩みを相談したり交流を通して人と接する自信をつけたりする『当事者会』など、様々な機会があります。SNSで繋がることもあります。
それぞれに優劣があるわけではなく、いずれもなくてはならない、うつ病の人たちにとってとても大切な場所です。
「自分のほうが不幸だ」なんて虚しいマウンティングが行われている。

ですが悲しいことに、そんな場所で他のうつ病の人に、冒頭でご紹介したような暴言を吐く。連絡先の交換が禁止されているのにしつこく交換を迫る。処方されている薬の数が少ない人が多い人に対して“上から目線”になる。自分のほうが不幸だ大変だ、と“不幸マウンティング”をする。などの虚しい行いをしてくる人もいるのです。
筆者も何度もされましたし、見聞きもしました。治療が終わった今でさえ、されることもあります。
「同じ病気に苦しむ者同士、助け合えるはず!」その考えは捨てろ。

うつ病のつらさは分かるはずなのに何でそんなことをするのか。それともつらさが分かるからこそ、優位に立つにはどこを叩けば良いかわかるのか。残念ながら社会的にはまだ弱者の立場になりがちだから、自分より下を探して自尊心を満たしたいのか…。
「女の敵は女」なんて言葉もあるように、うつ病の人がうつ病の人の敵になることもあるのは実は当たり前の話です。
同じ病気だから気持ちが分かる。同じ病気だから仲良くなれる。同じ病気だから助け合える。それももちろんあるでしょう。ですが、同じ病気だからこそ起きる問題もあるのです。「同じ病気だから…」という勝手な期待はただ傷つくリスクを上げるだけです。
“うつ病患者がうつ病患者を追い詰めることもある”ということを、覚えておいていただけたらなと思います。
著=錦山まる/『マンガでわかるうつ病のリアル』
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