『いつかは賢いレジデント生活』を見るべき5つの理由

皆さま こんにちは！韓流ナビゲーターみんしるです｡

韓流イベントのMCやラジオパーソナリティーとしてお仕事をする傍ら､ 毎日のように追い続けている韓国ドラマ｡ 私的おすすめ作品や見どころなどをご紹介していきます｡

今回紹介するのは､ 韓ドラファンに今なお愛され続けている『賢い医師生活』シリーズのスピンオフドラマ『いつかは賢いレジデント生活』です｡ 5月18日に最終話を迎え､ 多くのファンがロスに陥っているこの作品｡ 鍾路ユルジェ病院1年目のレジデント4人が切磋琢磨しながら成長していく姿を描いていきます｡

毎回『賢い医師生活』シリーズのお馴染みキャラがカメオ出演し古参も新参も楽しませ､ 見れば見るほど味わい深く愛おしくてたまらなくなるこのドラマの見どころを､ 私みんしるの視点でご紹介します｡

※以下、ネタバレが含まれます。

1. 本物の医師たちをも唸らせるディテールの細かさ

『賢い医師生活』シリーズが好きすぎてドラマの舞台となったユルジェ病院グッズまで購入したファンとしては､ 本当に待ち遠しかったスピンオフドラマでした｡ でも正直なところ､ 期待値が上がりすぎて第1話を見た時は｢おや？｣と若干の不安も…｡しかし回を重ねるごとにそんな杞憂はどこへやら｡ やっぱり『賢い医師生活』（以下『賢医』）のテイストは健在で､ じわ～っと心に染み入る感じを久しぶりに味わい､やっぱり大好きだ！と心で叫んでしまいました｡

今回の主人公4人は右も左もわからない1年目のレジデント｡ 周りからの叱られ具合が半端なく､ 加えて韓国のMZ世代らしい今どきキャラが集合していて､ 思わず｢この子達､ 大丈夫なの？｣と心配ばかり｡ でも最後は4人の成長に泣き笑いし親の如く見守っていたのでした｡

流石だなと感じたのは､ 前シリーズから変わらぬストーリーとディテールの細やかさです｡ もともと､ 韓国ドラマならではのドラマティックな展開はがないかわりに､ 病院で起こる悲喜交々を丁寧に紡いでいくというスタイルで人気を博したわけですが､ スピンオフでも変わらずそのスタイルを継承｡ 加えて今回はいくつもの科をまたがず産婦人科だけでストーリーが展開されていくので､『賢医』シリーズを見てない人もすんなりと入り込めるはずです｡

登場するエピソードや症例､ 患者とのやりとりなどもリアルで､ 特に手術のシーンは本当に良くできていると多くの現役医師たちからも称賛の嵐｡ メディカルドラマとして申し分ない作品ですが､ 今回は序盤からラブ要素も多めなので恋愛ドラマとしても楽しめます｡

そして毎回登場する『賢医』シリーズの面々のカメオ出演も登場のさせ方が抜群に上手く､ とにかく全てにおいてバランスが絶妙すぎる作品です｡

2. 俳優の発掘力が秀逸

『賢医』シリーズに引き続き､ 今回も魅力的なキャラクターが勢揃いしているのですが､ 適材適所なキャスティングがとにかく素晴らしくて感動です｡ しかもスター俳優を起用するではなく､ どこかで見たことがある脇役俳優やまだ無名な新人俳優を多数起用しており､ 俳優の発掘力に脱帽です｡

今回､ 最高だったと誰もが口を揃えて名を上げるのがソ教授を演じたイ・ボンリョン｡『海町チャチャチャ』や『イルタ・スキャンダル』などで韓ドラファンの間でもお馴染みの女優ですが､ 厳しいけれど大きな愛でレジデントたちを見守るまさに｢理想の指導医｣を演じ､彼女の人生キャラとの呼び声が高いです｡ よくやった時はすかさず｢チャレッソ！｣（｢よくやった｣という意味）､ 赤ちゃんを取り上げる時は必ず｢アンニョン！｣と声をかける姿が印象的でした｡

レジデントたちから質問攻撃を受けるレジデント2年目のチャ・ダヘを演じたホン・ナヒョンは10年近くミュージカルで活躍してきた女優で､『賢医』シリーズのチェ・ソンファ役で大きくステップアップした女優チョン・ミドを彷彿とさせます｡

また以前､ おすすめドラマとして紹介した『卒業』の高校生役でデビューしたチャ・ガンユンが先輩を苛立たせるタク・ギオン役で登場｡ 流石の演技で何度となく｢イラッ！｣とさせられましたが､ 最終話でのささやかなラブラインには思わず可愛い…となりました｡

他にも､ イ・チャンフンが演じた親父ギャグ好きなリュ教授も暖かく頼もしい存在で視聴者の愛されキャラに｡ キャラクターの魅力を十分に引き出す確かな演技力で､ 名脇役から新人まで全ての俳優たちが満遍なく愛される､ そんなドラマです｡

3. シリーズ初！？の｢嫌～なヤツ｣

『賢医』シリーズといえば、韓国ドラマでは珍しく悪人がほとんど登場しないことで有名でした｡ 悪人が登場したとしても､ 最終的には心を入れ替えるので､ 視聴者のイライラやモヤモヤは解消されていたんですね｡ 今作だとキム・サビをはじめレジデントたちを所構わず怒鳴りつけるチョ・ジュンモ教授が登場しますが､ 最後には少しずつレジデントへの愛を見せ始めます｡

ですが今回､ 最後の最後まで視聴者を｢キーッ！｣とさせる嫌～な人物がいます｡ それはキム・ヘイン演じる産科フェロー2年目のミョン・ウンウォン｡『賢医』シリーズでは同期のチュ・ミナを常に苛立たせた研修医で有名ですが､ 年月を重ねさらにパワーアップ｡ 今回はオ・イヨンを困らせる存在となります｡

大変なことはいつも誰かに押し付け､ 自分はいつだっていいとこ取り｡ しかも後輩が主導していた論文の著者名に｢うっかり｣自分の名前だけ載せてしまうという狡猾さ｡ 以前にも増して､ 彼女のやり口や言動が視聴者のイライラを増幅させていきます｡ セリフも演技（特にあの表情！）が絶妙なんですよね｡ そして､ 思うんです｡ こういう人って私たちの周りにもいるよね､ と｡ 登場するたびに多くの反感を買いましたが､ この先､ 彼女にどんな罰が下されるのかというのが視聴者の一番の関心ごとになったのですから､ ミョン・ウンウォンのおかげ（？）でドラマが俄然面白くなったのは紛れも無い事実でしょう｡

ちなみにこの作品は現役医師たちがYouTubeでドラマレビューするというコンテンツもバズっており､ ドラマに登場する症例や手術の解説などもしてくれてとても面白いのですが､ このミョン・ウンウォンに対しての激怒っぷりは凄かったです（笑）｡

苛立つキャラとして視聴者の記憶に残る演技を見せた女優キム・ヘインは梨花女子音楽大学で舞踏学の学士号を持ち､ ワールド・ミスユニバーシティ韓国大会で賞を受賞した経歴もある韓国美人｡ ぜひともシーズン2でミョン・ウンウォンのその後を見せて欲しいものです｡

4. 魅力的な４人のレジデント”OBGY”

今作の主人公､ 4人の新米レジデントはそれぞれ性格がはっきりしている個性派揃いです｡

借金返済のためにしょうがなくレジデントになったやる気のないオ・イヨンに､ 元アイドルで今は患者のアイドル的存在オム・ジェイル｡ 彼氏との恋愛に悩む女子力満点なピョ・ナムギョン､ そして頭脳明細だけれど人間味にかけるキム・サビ｡

全員揃ってやることなすことうまくいかない新米っぷりを発揮し視聴者をもやきもきさせますが､ 時にぶつかり､ 助け合い､ 共に少しずつ医師として成長していく姿はまるで我が子を見守るような気持ちにさせてくれます｡

オ・イヨンを演じたコ・ユンジョンは『ムービング』のチャン・ヒス役や『還魂』に出演し人気急上昇中｡

元アイドルのオム・ジェイル役カン・ユソクは今年の百想芸術大賞で4冠に輝いたドラマ『おつかれさま』でエスンの次男ウンミョンを演じており､ 立て続けに話題作への出演となりました｡

この2人はすでに世間の注目を集めている俳優たちですが､ 残りの2人はほぼ新人｡
ピョ・ナムギョン役のシン・シアは映画『THE WITCH／魔女-増殖-』で超常的な力を持つ主人公の少女役でデビュー､ 今回が初めてのドラマ出演です｡

そしてキム・サビを演じたハン・イェジは人生初めてのオーディションを受け､ この役を勝ち取ったという正真正銘の新人女優｡｢無表情なまま早口でセリフを言う｣姿が印象的ですが､ これがとても難しいそうで『賢医』シリーズの演出を手がけ今回はクリエイターとして参加したシン・ウォンホを唸らせたそうです｡

彼女がカラオケ店で突如､ オム・ジェイルがいたグループ”HI-BOYZ”の振り付けを完璧に踊る姿は､ このドラマのハイライトの一つとなりましたね｡

ジェイルが劇中で名付ける自分たちの愛称”OBGY”（「OB」が産科､｢GY｣が婦人科の英語の略称）というネーミングも視聴者に定着し､ ドラマ終了後にはHI-BOYZのメンバー､オム・ジェイルとしてカン・ユソクが音楽番組に出演するなど､ 話題作りも本当に上手かったこのドラマ｡ でもその人気の原点は彼らの素晴らしい演技力の賜物であることは間違い無いでしょう｡

5. 今や｢時の人｣となったク・ドウォン役のチョン・ジュンウォン

ラブラインがゆっくりと描かれていく『賢医』シリーズとは違い､ 序盤から恋愛要素たっぷりなのが『いつかは賢いレジデント生活』｡ 主人公オ・イヨンが姉の義理の弟であり同じ産婦人科4年目レジデントのク・ドウォンに片思いし､ そこから2人のラブラインが始まるわけなのですが､ この2人の進展を見るのもこのドラマの醍醐味でした｡

それにしてもどういうわけか､ ユルジェ病院の男性医師たちは奥手な人が多いような…（笑）｡ イヨンのドウォンに対するアプローチに思わず『賢医』シリーズのチュ・ミナとヤン・ソッキョン先生を思い出した人も少なく無いはずです｡ 韓ドラ好きにはこの奥手な感じが実はとっても新鮮で､ じわじわと盛り上がってやっと告白やキスとなると､ いつも以上に反応してしまうものなのです｡

今回はク・ドウォンを演じたチョン・ジュンウォンがハマり役すぎて､ 2人のシーンが登場すると毎回ニヤニヤが止まりませんでした｡ 特にあの子犬のように優しくて可愛いくしゃっとした笑顔がいつしか私たちの心を捉えて離さないんですよね｡

しかし､ 本国ではドラマがスタートするとオ・イヨンには不釣り合いじゃないかとク・ドウォンの配役について物申す人が多かったんです｡ でも確かな演技力で頼れるレジデントのク・ドウォンと､ 恋愛下手な一面を持つク・ドウォンを見事に演じ､ 彼ならではの魅力と演技力でそんな不満をねじ伏せてしまいました｡

ドラマを演出したイ・ミンスPDは何度もオーディションをして一番時間をかけて選んだのがク・ドウォン役のチョン・ジュンウォンで､ この役を完璧に演じられるのは今でも彼しかいないと思うとインタビューで語っています｡

チョン・ジュンウォン自身もそういう意見が出ることは予期していたそうですが､ 誰もが好きなるク・ドウォンというキャラクターの魅力と相手役を演じたコ・ユンジョンのおかげで､ 多くの視聴者に愛されることになったと感謝を述べています｡

実は『賢医』シリーズのオーディションに落ちた過去を持つチョン・ジュンウォン｡ デビューしてから10年､ 下積みを続けてきた彼がついに手にした名声を今はじっくりと味わっていることでしょう｡


2024年､ 韓国政府が医大の定員増加を推進したことに対するレジデントたちの大規模ストライキのため､ 放送が1年遅れとなった『いつかは賢いレジデント生活』｡
色々な困難を乗り越えやっと放送されたこのドラマは｢生｣と｢死｣が共存する産婦人科を舞台に､ ただ面白いだけでなく視聴者をファンにさせてしまう魅力がギュッと詰まったドラマです｡

ちなみに私的､ 神回はイクジュン＆ソンファカップル登場の第10話でした｡

きっとこの先も､ 何度も繰り返し見るであろう『いつかは賢いレジデント生活』ですが､とりあえずシーズン2を熱く希望します！そして『賢医』シリーズのシーズン3もね！

みんしる
韓流ナビゲーター｡ 韓流イベントのMCやラジオパーソナリティーとしても活躍中｡ 初めてハマった韓国ドラマはキム・レウォン主演の｢屋根部屋のネコ｣｡ Netflix､Amazon Prime Video､ Disney＋､ U-next､ Leminoを駆使し毎日のように韓国ドラマを追う日々｡ 最近は｢君は天国でも美しい｣と｢ナイン・パズル｣でソン・ソック祭りを堪能中｡ 韓国エンタメ情報はインスタ（＠minsil323）とTikTok（@minsil323）でも！

Netflixシリーズ「いつかは賢いレジデント生活」独占配信中